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会社の発展に必要なもの

 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、2回にわたって「会社の発展に必要なもの」について説明します。

 業種によっては当てはまらないかも知れませんが、殆どの企業に当てはまると思います。
 会社の発展に必要なものといっても色々ありますが、先ずは「改善提案制度」が必要ではないかと考えます。

 今のままで何も変えずに業務を遂行していった場合、景気の波や社会情勢の変化などによって変動はあるものの、一般的には多くの発展は見込めません。

 何かの困りごとというか切り口を見つけて、そこに切り込んでいく、そういった活動が必要ではないでしょうか。
 しかし、口で言うのは易しいですが、実行するにはどうすればいいのかと思います。

 会社の業績や将来を気にしているのは経営者だけで、従業員は殆ど考えていないということもあり得ます。
 社長だけがいろいろと考えても、やはり限界があります。
 経営者と従業員とが、チームになって力を発揮する会社は強いです。

 そこで、改善提案制度なのです。
 改善提案制度というのは、皆さまご存じのとおり、職場での改善が必要な箇所を見つけて、月に2件以上とかのノルマを設けて実施していくものです。

 私も昔は会社員で経験しているのでわかるのですが、この改善提案制度って従業員の立場からすると割と厄介なんですね。
 改善ネタを探して、いつもアンテナを張っていなければなりません。

 でも、会社からすると、そのアンテナを張っていつも気を付けている状態が良いんです。
 困りごとや効率が悪いところを直ぐに察知して解決していく。

 そうやっていくことで、会社の実力が上がっていく。
 当然に業績にも良い影響が出てくると思います。

 但し、従業員にやれというだけでは中々定着しないと思います。
 やはり飴が必要です。

 一般的には、改善提案1件につき、最低100円くらいの報酬を出します。
 実施した改善の効果が大きなものであれば、効果の点数に応じて、300円、500円、1000円・・・というように報酬も上がっていきます。

 100円といってもバカになりません。
 大抵、半年毎くらいにまとめて報酬を渡すので、月に僅かでも数千円になることがあります。
 中には小遣い稼ぎに、月に80件くらい出すような猛者もいます。

 定期的に優秀者を表彰するのもアリです。
 最も件数を多く出した人、最も点数が高かった人、最も効果的な改善提案をした人、社長が最も気に入った改善提案をした人等に賞を出して表彰するのです。

 豚もおだてりゃ木に登ると言いますが、褒められると人間はやる気を出すものです。

 それともう一つのコツ。
 それは、あまり難しく考えないと言うことです。
 初めて改善提案制度という言葉を聞くと、とても負荷が高くて大変と思われるかも知れません。

 実はそんなことは全くありません。
 ショボい改善提案でも良いのです。
 実際は、提出される改善提案の90%以上がショボいものです。

 例えば、床の物置場の定位置がなかったからテープで表示したとか、棚に入っているものがわからないからテプラ(登録商標です)を貼って表示したとかです。

 中には、何処何処が汚れていたから掃除したなんて改善といえるのか?というものも出てくるでしょう。
 でも、最初は大目に見てあげてください。
 最初から上手く行くことは少ないのです。

 先ずは、改善提案制度の定着です。
 定着したらしめたものです。

 上記の様に、最初はショボいものばかりが提出されると思います。
 しかし、数ヶ月も経つと、ショボいものばかりではネタが続かなくなり、次第に考えるようになってきます。

 すると、段々と高度な内容のものが提出されるようになってきます。
 例えば、何かの作業をするときのチェックシートを作成したとか、作業を正確にするための治具を作ったとかです。

 こうなってくると、さらに高度な内容のものが出てくることが「たまに」あります。
 そういった高度な内容のものの中に特許のネタが入っているのです。

 そのころには、提出された改善提案を評価する管理職も大分慣れてきていると思います。
 また、従業員の皆さまにも日々の業務の改善といった意識が定着していると思います。

 どうでしょう。
 もし、御社に改善提案制度がないのであれば、是非導入してみてはいかがでしょうか。
 次回は、改善提案制度の次のお話しをします。
 お楽しみに!

坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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