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日本史世界史同時代比較年表(楠木 誠一郎)

 歴史というと時間軸を基本に整理されるのが通常で、中学高校においても、基本的には過去から現代という “時間軸” の流れに沿って教えられています。
 が、「○世紀の世界」とかという “空間軸” での切り口で、その当時の世界地図(世界史地図帳)を俯瞰する(同時代の別空間を一覧する)と、意外に思うことや改めて気づくことが結構あります。
 たとえば、紀元前、欧州と比較した時の西アジアの先進性とか、近代の米国・日本の急速な立ち上がりとかです。

 そのような関心から、たまたま図書館の書架で見つけたのがこの本です。
 日本史年表と世界史年表とを単純に対比させた内容ですが、その分、同時代をストレートに俯瞰できます。

 また、著者の目で史実の意外な組み合わせをピックアップして簡単なコメントを加えています。その中でいくつか「そうだったっけ」という気づきがありましたが、特にミーハー的に、私が「へぇ~」と思ったものをいくつか挙げてみます。

・790年ごろ:ヴァイキングがイングランドを襲ったころ、桓武天皇が平安京に遷都
  → ヴァイキングの荒々しい活劇と平安貴族社会の幕開けの対比が意外な取り合わせです。
・1500年ごろ:水墨画の雪舟の晩年、ダ・ヴィンチがモナ・リザを描いていた
  → これは、何となく納得感があります。美術的な側面では(外来文化流入の影響もあるのでしょうが、)日本の後進性はあまり感じられないです。
1850年ごろ:「赤城の山も今宵限り・・・」の国定忠次が捕縛されたころ、ドーヴァー海峡に電信用海底ケーブルが敷設された
  → これは、全く異質のペアです。ちょんまげの任侠道の忠次とテレコミュニケーションのはしりが同時代だったとは・・・
・1853年:ペリーの黒船が来航したころ、リーバイ(リーバイスの創業者)によりジーンズが発売された
  → これも違和感がありますが、そもそもジーンズはアメリカ西部開拓のゴールドラッシュ時代の作業着として生まれたものです。そういう点では、いずれも「アメリカのフロンティア開拓・海外進出」の動きの産物だということでしょう。



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