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広報とは何かをあらためて学ぶ|48冊目『デジタルで変わる 広報コミュニケーション基礎』
社会情報大学院大学(編)(2016, 宣伝会議)
はやいもので、もう今日は大晦日。
2023年が終わろうとしていますね。
今年最後のnoteにおつきあいください♡
”広報”の授業案を考える
私が受講している産学連携教育イノベーター育成プログラムの最終課題は、実務家教員として実行できる授業案を考えることです。
『経営学』の授業を実務家教員としてできたらいいと思いますが、会社を経営したこともないし、経営コンサルタントでもないので『経営学』を教える実務家教員としての知識も経験も足りません。
学校に勤務して、寄付募集業務を担当していてファンドレイジングを学んでいるので、『ファンドレイジング論』なんてどうかと思いましたが、『ボランティア論』は聞いたことがあっても、『ファンドレイジング論』なんて聞いたことがないので、大学の授業としては今のところ需要がないのだろうなと思いました。
『広報論』もあまりメジャーな授業ではありませんが、ファンドレイジングよりは一般的であり、多少、授業の需要もあるだろうと思ったので、『広報論』の授業を計画することにしました。
現在、私は広報のセクションで勤務していて、リアルな課題に対峙しているという意味では、実務家教員としての役割を果たせると思っています。
しかし、企業の広報ではなく学校の広報であることの特殊性と、今まで広報について体系的に学んできたことがなく、自分の組織でしか通用しない、独自の広報でしかない可能性もありますから、授業を設計するにあたっては、あらためて広報について学んでおく必要があると思いました。
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言葉の定義を知ることから広報を理解する
コーポレート・コミュニケーション、パブリック・リレーションズ
いつもならば読書には「新たな示唆を得ること」を求めているのですが、いつもと目的が違うので、今回は言葉の定義を理解していくという観点で読み進めました。
例えば「コーポレート・コミュニケーション」について
コーポレート・コミュニケーションとは、すべての対内外コミュニケーション活動を効果的に調整するための枠組みを提供する経営機能であり、その目的は、組織が頼みとするステークホルダーとの間に好ましいレピュテーションを確立し維持することである。
とあります。
では、「ステークホルダー」はどう定義されているか
ステークホルダーとは、組織の使命、目標の達成に影響を与えることができるか、あるいはそこから影響を受けるグループや個人
そして、企業とステークホルダーは相互に影響し合う関係だといいます。
それでは、「レピュテーション」とはどういう意味でしょうか
レピュテーションは、すべてのステークホルダーとの間に形成される「認知の集積」で、自社のアイデンティティを確立するところからはじまります。
似た概念にイメージや企業ブランドがありますが、レピュテーションはイメージよりも時間をかけて形成される認知であり、企業ブランドが一次ステークホルダーに訴求するのに対して、レピュテーションは一次、二次すべてのステークホルダーに訴求します。
そして、「一次ステークホルダー」とは、顧客や従業員、株主、取引先など、優先度の高いグループを指し、「二次ステークホルダー」とは行政やNPO、地域などの一次ステークホルダーよりは関わりの薄いステークホルダーを言います。
それでは、「パプリック・リレーションズ」「PR」とは何か
パブリック・リレーションズとは組織体とその存続を左右するパブリックとの間に相互に利益をもたらす関係性を構築し、維持をするマネジメント機能である。
PRとは公衆の理解と支持をうるために、企業または組織体が、自己の目指す方向と誠意を、あらゆる表現手段を通じて伝え、説得し、また同時に自己匡正をはかる継続的な対話関係である。
とあります。
コミュニケーション・デザイン
PR、パブリック・リレーションズとはパブリック(公衆)と良好な関係性を築くことであり、その手段は双方向のコミュニケーションです。
現在はICTを活用したコミュニケーションデザインを重視する必要がありますが、ではどのようにコミュニケーションをデザインするべきかといえば
1. 伝えたい内容を受け手に「自分ごと」化させる
2. 様々なメディアの特徴を生かし、組み合わせて使う
3. 真摯なメッセージ:双方向のコミュニケーションを前提として「本当のこと」を語る
4. 継続的な視野で設計する、相互の関係を意識的に形成する
とあります。
でもこれは、ICTに限らずコミュニケーションに必要なことばかりですね。
顧客との接点にいる社員が、レピュテーション構築に重要
インターナル・コミュニケーションは会社の「らしさ」を磨き上げ、会社を強くするといいます。
会社の「らしさ」がポジティブな評価である必要がありますが、「らしさ」がインターナル・コミュニケーションで浸透することによって、対外的なコミュニケーションにもそれは自然に現れることになります。
日常的な顧客との接点において、顧客が感じる企業イメージの多くは、接点にいる社員が醸し出すものです。たとえば、入社を希望してくる学生にとっては、最初に出会った同じ大学のOB社員の印象がその企業に対するイメージになるものです。また、コールセンターに電話をかけてきた人は、電話のオペレーターとのやりとりで企業イメージを感じ、その会社「らしさ」を認識します。
まさに私もその通りであると思いました。
ブランディングとはまさにこういうことだと思います。
志の高いミッション、ビジョンに基づいて、末端まで行き届く徹底した社員教育を行うことは、レピュテーションを得るためにとても大事なことだと思います。
あ、ディズニーランドをイメージするとわかりやすいですね。
オウンドメディア
今や広報戦略の一つにオウンドメディアは欠かせません。
オウンドメディアをうまく運営するにはコンテンツマーケティングとブランドジャーナリズムを理解する必要があるでしょう。
コンテンツマーケティングとは、顧客や見込み客にとって有益な情報(コンテンツ)を提供し続けることで、興味、関心を引き出し、企業と顧客との関係を深め、結果として売上につなげるというマーケティング戦略です。
ブランドジャーナリズムは、ブランドの発信にジャーナリスティックな要素を組み込むという基本思想。ジャーナリズムとは社会にとって必要な情報、意味のある情報を伝えていくという精神です。
コンテンツマーケティング、ブランドジャーナリズムのどちらも、単に自社の精神やサービスを宣伝するのではなく、顧客を楽しませ、社会のできごとや役立つ情報を伝えていく姿勢があります。
2024年、『広報リーダーシップ論』 連載します
こうしてnoteに書き出してみると、あらためて勉強になったなと思います。
自分自身が広報について理解をして腹落ちしていないと、授業をするなんてとてもできないので、基本的なことを自分の中できちんと言語化していくことは、大切なことだと思っています。
あと、何冊か広報の本を読んで勉強するつもりですが、授業案を考えてみたいと思います。
課題の発表が無事終了したら、『広報リーダーシップ論』の授業15回をnote上で連載する予定でいますので、どうぞよろしくお願いいたします。
![](https://assets.st-note.com/img/1703940088722-29WirV07fo.jpg?width=800)
2023年、最後までおつきあいいただきありがとうございました。
スキ♡の応援よろしくお願いいたします。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
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