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母の夢


今朝初めて母の夢を見た

そこは実際の母の家とは違ったが

わたしと息子は母の家を訪ねていた

相変わらず母はものを大事にする人で

蓋の壊れた鍋を使っている

「蓋の割れた鍋は危ないから捨てなさい」
「いや、この鍋は使いやすいから捨てない」

母とわたしはこんな押し問答を繰り返す
これって確か…実際にあったこと
鍋の蓋は壊れていないけど
でかくて重くて焦げる鍋

母は自分の使い勝手がいいからと
ずっと使い続けていた
いつ誰にもらったかも分からない引出物の鍋

その鍋で
昨年わたしはシチューを作り、翌朝に母が温め直したら、焦がして食べられなくなり、結局捨てた

夢の中の母の家もがらくたであふれていた

母はそう、「早く片付けろ、家を片付けろ」と言って来たに違いない

いつまでも泣いているな
身体を動かせ

厳しい母の声を聞いた気がした

お母さん、そんなことを言うけどさ
あなたは何にもしないで
さっさとあの世に行ってしまったじゃない
「わたしが死んだら、全部捨てて」と言い残し

それってわたしに丸投げだよね
全部わたしにやらせるのね

わたしだってやることが有るんだよ

不器用なわたしはひとつひとつやって行くから
あれもこれもといっぺんには出来ないの
わたしのペースでやるしかないの

あなたは勝手に行ってしまった
何にもしないで行ってしまった

あなたがいないことだけで
わたしはかなしくて、かなしくて
いてもたってもいられないのに

その上やることをいっぱい残して行ってしまう
こころも身体も空っぽのわたしはどうしたらいいの
途方に暮れるだけ

夢のなかのお母さんは
優しくない厳しいお母さん

それが本当のお母さんの姿なんだね

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