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東京臨海部の豊洲と住吉を結ぶ有楽町線延伸計画、開業後のダイヤを予想してみる

東京臨海部に位置する東京メトロ有楽町線の豊洲駅と半蔵門線の住吉駅を結ぶ新線が計画されています。実際に開業したらどのようなダイヤで運転されるでしょうか? 今ある資料をもとにダイヤを組んでみました。

(この記事は2019年8月に会員限定記事として配信したものです。)

東武線の野田市まで延伸計画が盛り込まれるものの

 近年、大規模開発や「東京2020大会」などで盛り上がりを見せる東京臨海部。以前、このエリアの交通プロジェクトとして東京BRTについてご紹介しましたが、バスだけではなく鉄道の建設計画もあります。今回はその計画をいつもながら予想ダイヤを交えながら紹介します。

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▲有楽町線豊洲駅は、新木場方面ホームと和光市方面ホームとの間に住吉方面への線路のスペースが用意され、一時期に両ホームを結ぶ仮設の渡り板が敷かれていた(2011年8月、草町義和撮影)。

 現在東京臨海部エリアで進む鉄道計画が、東京8号線(地下鉄8号線)の延伸計画です。これは地下鉄有楽町線の延伸線と位置づけられており、江東区の豊洲駅と住吉駅の間を結びます。

 はじめにこの区間が具体的な建設計画として出てきたのは、1972(昭和47)年の「都市交通審議会答申第15号」です。この答申の中で「東京8号線」として地下鉄有楽町線に準じる区間と豊洲~住吉~押上~亀有の建設が盛り込まれました。

 その後、平行する区間を持つ物として、1985(昭和60)年の運輸政策審議会の答申で東京11号線(地下鉄11号線、現在の地下鉄半蔵門線)も扇橋(現在の地下鉄半蔵門線清澄白河と住吉の間)を終点とする計画に錦糸町、押上、四ツ木、金町を経由して松戸へ向かう路線の建設が盛り込まれました。また、東京8号線も亀有以北の武蔵野線方面の延伸を検討するということになりました。

 これをうけて東京8号線と東京11号線双方の延伸計画の推進を求める運動が1980年代後半から2000(平成12)年頃まで続きます。

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▲都営バスが多く発着する錦糸町駅南口(2019年3月、鳴海 侑撮影)。

 その中では東京8号線を亀有からさらに野田市、果ては茨城県までの延伸を求める声もあがり、野田市はかなり熱心な鉄道誘致活動をおこなっていたようです。2000年の運輸政策審議会の答申でも東京8号線の野田市までの延伸が盛り込まれました。しかし、その後の具体的な活動はなくなっています。

 一方で、具体的な地下鉄建設は1993(平成5)年から動き始めます。バブル経済崩壊に伴い景気の低迷を受け、4月に政府から「総合経済対策」が示され、その中に地下鉄半蔵門線の水天宮前~押上間の延伸が含まれたのです。主な目的は、地下鉄日比谷線と地下鉄千代田線の混雑緩和でした。そして地下鉄の建設と運行を行う帝都高速度交通営団(現:東京メトロ)が水天宮前~押上間の免許を取得し、12月に着工、2003(平成15)年3月に開業します。

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