見出し画像

結局、自分が好きだと思ったことしか喋れない(サッカーのこと、ギラヴァンツ北九州のこと、ミクスタのこと)

昨日土曜日は仕事納め。仕事納めはみんな帰るのが早い。夜6時をすぎると普段は残業時間でも30人以上はいる居室から、自分以外はいなくなってしまった。最終的に仕事が終わったのは夜8時。ここまで仕事を積み残してしまった自分が悪いので、まあそのことはいい。

ちなみに仕事納めの日は、毎年なかば恒例になっている行事がある。自分の直属の上司が昼飯をおごってくれるのである。広い居室に席を持っているとはいえ、自分が所属しているところは部署としては3~4人程度と小さく、この「食事会」も元々参加人数が少ないのが通常なのだが、とはいえ今年の仕事納めが土曜日だったことも影響してか、通常に比べさらに参加人数が少なかった…というか上司とサシだった。

そうなると、そもそもの会話の共通点を仕事以外に見出しづらく、近所のこじんまりした中華料理屋に到着し料理を注文したあと、昼間の繁忙期になかなか料理が届かない状況で、沈黙の時間がとても長く感じた。一番は相手の状況を鑑みて会話の糸口を見出すことが出来ない(自分の言いたいことしか言わない)自分の会話スキルの低さが原因だけどな!

そんな状況で、店の内部やら窓の外を眺めながら色々会話の取っ掛かりを探してみる。来年に会社で迎える大きなイベントに、自分の父親の法事が重なるかもしれないこと、今年の正月は(例年通り)実家には帰らないこと、スーパーで売ってるおせちのオードブルを買って食べてみようかなと思ってること、雑煮には地域差があって関西は味噌で東北は醤油であること(自分の地元の雑煮がどういう味付けだったかはよくわからなかった…)、こういう小さな中華料理屋のような食堂が近所にほしいこと、その食堂でメニューの端から端まで食べてみたいこと、近所にコンビニがあると深夜にお酒を買い足したいときに便利すぎてそれはやっぱりだめだなあと思うこと…。

こうして書き出してみるとわりとそれなりの数の話題を喋ってるが、実際のところはどれも散発的で会話は続かず、料理が出てくるのに30分以上かかったこともあり、とにかく沈黙が長かった印象がある。

そんな中で突破口がみつかった。というか、最終的には自分の好きなものに頼るしかなかった。

サッカーのことである。

「天皇杯決勝は久しぶりに正月にやりますねえ」なんて話を振ってみる。うちの上司はサッカーがとりわけ好きというわけではないが、球技自体は全般的に観戦するのが好きな人である。というわけで、この話題に乗ってくれた。

「決勝は鹿島だっけ」「鹿島と神戸ですねえ」なんて話が続く。そのあと自分が今年どれだけサッカーを観戦しに行ったかを語り始める。自分の言いたいことをどんどん言い始めたのである。

去年は全く試合観戦などには行かなかったのに、今年は日立台(三協フロンテア柏スタジアム)には4回、水戸(ケーズデンキスタジアム水戸)には天皇杯の予選も含めて5~6回、近所の地域リーグやチャレンジリーグ(なでしこ3部)の試合に至っては10回以上見た。来年は大宮のNACK5や千葉のフクアリに行きたい。鹿島も移動がちょっと厳しいが1回は行ってみたい。

なんて話を。

そのあと、新国立競技場がサッカー的にはすごく見にくいと言われていること、JFAが日本代表の試合には新国立は使わないと言っていること、その場合の代表戦は埼玉や横浜でやることになるだろうなということ、Jリーグでのスタジアムの基準(J1は15000人、J2は10000人、J3は5000人、Jリーグとは関係ないけどJFLが2000人)のこと、カシマスタジアムは40000人だけど25000人程度の規模にダウンサイジングすることを考えていること、それは収容率を上げて臨場感を高める目的があること、スタジアムに人を入れるためにはまずアクセスが良くなくてはいけないこと、広島や愛媛みたいに山奥で動線1本だと満員にならない人数でも渋滞で試合開始までに間に合わなくなること、広島は長い時間かけてようやく街中のスタジアム建設が見えてきたこと、時間がかかったのは現在の首長クラスの世代に野球好きが多いのが原因ではないかということ、シーズンパスが発売されてそれがサッカークラブの予算決定に大きく関わっていること、サッカークラブ自体勝ち負けにどうしても売上が影響し安定しないこと、などなど。

ただそれ以上に熱を帯びて自分が語ったことが、自分の故郷をホームタウンに持つ「ギラヴァンツ北九州」と、そのホームスタジアム「ミクニワールドスタジアム北九州(ミクスタ)」のことだった。

今年、ギラヴァンツ北九州はJ3を優勝しJ2復帰を果たしたこと、去年は最下位だったのに監督が変わって生まれ変わったこと、監督が変わるとチームが変わることや、選手が1人変わっただけでゲーム内容が変わるのがサッカーは不思議だなあと思うこと、ミクスタは新幹線・特急・快速など各線が必ず止まる小倉駅から徒歩7分で道中濡れずにたどり着けるし動線が分散してるから混雑しにくいこと、小倉の街中のスタジアムだから試合終わったあと繁華街に飲みに行けること、自分も地元にいれば絶対毎回通っていると思うこと。

そうやって喋りながら「こんだけ自分は好きやったんやなあ」と実感していた。結局、自分が好きだと思ったことしか喋れないのである。

そんなこんなで料理が届く。自分が頼んだのは「五目中華そば」。直径30センチはあろうかという大きな皿に占有率少なめに載っていたそれは、その見た目以上にボリュームたっぷりで、オプションで頼んでいた「小チャーハン」が店員さんの手違いで来なかったことに、逆に感謝したくらいである。

皿大きめにして真ん中に寄せれば量は少なく見える。皿小さめにして目一杯広げればたっぷり盛られているように見える。先に言ったスタジアムの収容率と臨場感の話のことをちょっと思い出し、これは料理の量を少なく見せることで追加注文させようという店側の策略なんじゃないかという、しょうもないことを考えたりもした。

そんなこんなで昼休みの時間をちょっと過ぎて会社に到着し、その後夜8時まで仕事したわけだが、昼休みに言いたいことを第三者に言い切ったことで妙にスッキリして仕事に臨み、特に苦痛もなく乗り切れた。いつになく充足した一日だった。

というわけで、今日から8連休。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?