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ミッドライフクライシス

1. ユング博士の理論概要

心理学者のユング博士は、「人には前半と後半がある。

そして、人生の前半から後半に転換する時期に、価値観の大転換ともいわれるような問題が起きることが多い」と述べています。

人生の前半とは幼児期から成人期を指し、子供から大人になる時期です。

つまり、自分自身の根本的なありかたを見つめながら、処世にたけた振る舞いを学ぶ期間です。

これを「ミッドライフクライシス」または「ミドルエイジクライシス」と呼びます。

ユング博士は、人生の前半の課題は個人の価値観を見つけ、自分なりの個性を発見することだと述べています。

しかし、この価値観は一面的なもので、人生の中盤には通用しなくなる問題が現れることがあります。

これを契機に、人生後半には多面的でより成熟した自分になる過程が「自己実現」です。

2. 人生の前半:自我の確立

人生の前半には、自我の確立が重要です。以下の4つのステップに分けて説明します。

 2.1 心の安全基地の確立

自分と他者の境界線を明確にし、自分の気持ちや欲求を大切にすることで自己理解を深めることが必要です。自分を知ることは幸せなことです。

 2.2 自己決定・主体性・選択する力

他者や世間に振り回されず、自分の頭で考え、自分の意思で判断し、自分の責任で選択することが重要です。

 2.3 万能感を手放し、地に足をつけて生きる

心理的に大人になるためのプロセス(心理的な通過儀礼)を経て、現実に根を張って生きることが求められます。

 2.4 自己受容を深める

自分自身をあるがままに受け入れ、健康的で建設的な人間関係を築くことが大切です。

3. 人生の後半:個性化(自己実現)=実存的変容

個人に内在する可能性を実現し、自我を高次の全体性へと志向させる努力の過程をユングは「個性化」と呼び、人生の究極の目標としました。

以下の3つのステップに分けて説明します。

 3.1 ありのままの本来の自分

潜在的な可能性を実現し、より自分らしい自分になることが目標です。

 3.2 シャドーの統合

無意識下に抑圧してきた部分を統合し、それらが調和的に働くようにすることが求められます。

 3.3 二元から一元へ

自分の中で対立する要素(静と動、陰と陽、女性性と男性性など)を統合し、より成就した人間になることが目標です。

4. 結論

人生の前半では自我を確立し、人生の後半では個性化を通じて自己実現を達成することがユングの提唱する成長のプロセスです。

この過程で、自己の多面的な要素を統合し、全体性のある成熟した人間へと成長していきます。

皆さんの参考になれば幸いです♪

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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