婚活レポート②世にも奇妙な物語
婚活行き過ぎて自分を見失ってきた
ことに気づけた最後の婚活パーティーでの出来事である。
これから話すことは
世にも奇妙な物語である。
何が起こったのか自分でも全くわからないので
この記事を読んだ人はますますわからないだろう。
婚活が長引くと精神に明らかな影響があり
健康に良くないので、たくさん活動を詰め込んでる人、結婚願望が強すぎる人、依存心が強い人等
自分の心を休める時間をつくってほしい。
その男性と出会ったのは
4対3(男:女)の婚活パーティーである。
パーティーといっても立食パーティーのような
カクテルグラス片手にウロウロ
ホテルの会場を異性求めて渡り歩くスタイルではなく、ビルの小さな一角をパーテーションで仕切って
4分か5分程度一対一で会話し、時間が来たら
男性が一席ずつずれていくスタイルのパーティーだ。
時間ギリギリに到着した私は
ボロボロの小汚い格好でそれに参加した。
恋人が欲しい一心で土日を婚活に当てていた私は自分の身なりが段々疎かになっていた。
動けるときに参加しなくちゃという
強迫観念めいた精神に支えられていたので
着る服が無いのに次々予定を入れ
精神だけ前に前に進んでいた。
ギリギリに到着した私の席の前にいたのは
好青年といった風貌の男性だった。
ドリンクが付いているパーティーだったので
「飲み物いりますか?」と声を掛けてくれ
ドリンクをもってきてくれた。
そこからパーティーが始まり
席の前の好青年の話を聞くと小中高サッカーをやっており
今は社会人フットサルを定期的にしている。
自然のあるところに旅行にいくのが好き。
犬や猫など動物が好き。実際に飼っていた。
仕事はゼネコンの営業?をしている。らしい。
顔は一見バチェロレッテの
北原さんに似ていて
とても爽やか、笑い顔が眩しい。
旅行好きや動物好きなど話がはずみ、
最終的にマッチングすることができた。
パーティー終了後
軽くお茶しましょうとのお誘いで
近くのカフェに入り
一時間ほどパーティーでの会話の続きをした。
そこでもまあまあ盛り上がり
すぐに次のデートの約束をして別れた。
この時点では二人とも印象は
さほど悪くなかったのではないかと思う。
その日からLINEが始まった。
わたしは長文のLINEがすごく苦手だ。
前回のレンコンシャキシャキ男が
典型的な長文ユーザーだったので
シンプルにトラウマが新しい。
9割自分の経験談とその感想が綴られた
かしこまった文章の赤ペン先生を
無償でしかも毎日やらなければ
いけない状況にどうしようもなくストレスなのだ。
残念ながら北原さん(アダ名)は
レンコンシャキシャキ男同様
長文ユーザーであった。
私はどうしても長文の赤ペン先生ができず
すべての返信を短文で済ませていた。
するとイヤイヤやっているのが
通じたのか、徐々に会話がしぼみ
返信も遅くなってきた。
ああ、やばいなと思いながら
どうにか次回のデートまで
食いつないだが、会う前日も全くLINEが
盛り上がらず
明日会うの嫌だなあの精神になってしまった。
当日北原さんは
ちゃんとお店を調べてきてくれていて
ハンバーグのお店にランチタイムに二人で入った。
そこでまた色々話をしたが
私の対人あるあるで
何回も会ううちに話題が全くなくなってしまう
状況におちいった。
私は普段人と会話をしていないので
沈黙に耐えられず
何か話さなきゃと気持ちがあせり
学生時代の話など
ぺらぺら怒涛の勢いで話した。
気がついたらランチタイムは
終わっており、自分の上気した顔と
静かな店内と、北原さんの引きつった笑顔が
そこにあった。
北原さんは
「そろそろ出ましょうか」と席をたち、
わたしも我に返って後につづいた。
お会計時に財布を出したら、
今回は僕が出しますよと
言ってくださった。
思わず「期間限定??」とツッコんでしまい
北原さんは焦っていた。
「この後どうしますか。もう一軒
お茶しますか」と言われたが
もうこれ以上話すことがなかったし
変なことを言ってしまいそうだったので
逃げるように帰った。
なんだかもう北原さんとは会うことないだろうなと思った。
家に帰る道中の電車で
今日はありがとうLINEが
北原さんから届いた。
なんだかすごくホッとしたが
社交辞令だろうとこちらも無難に返信した。
すると翌日おはようございますLINEが
北原さんから届いた。
もう無いだろうと思っていたのに
LINEが来て驚いた。
こちらもおはようございますと返した。
その日はそれでラリーは終わった。
そして翌々日またLINEが来た。
緊急事態宣言が出たので
そのことで仕事に影響はないかと
いう内容だった。
しばらくやり取りをして
わたしは思いつきでデートのお誘いをした。
それは北原さんが気になるとかそういう感情ではなかった。
何の理由もない。
日常の閉塞感から抜け出したいのが
1番の理由だったのかもしれない。
ここから先の展開は
自分でもよくわからない。
思いつきで誘ったデートで
北原さんは非常にいいお返事をしてくれた。
車も出してくれることになっていたのに
わたしは突然既読無視をかました。
北原さん、ごめんなさい
わたしは非常に不安定な状態で
言い訳をしたくても何も正当な理由を
示すことが出来ません。
自分のことをどう思っているか
わからない靄に包まれた相手と
楽しく会話して場を盛り上げる自信がありません。
私と絡めば絡むほど
私からはボロが出ます。奥行のない
ぺらぺらな自分を知られたくないんです。
こんな状態で公の場で出会いを求めてごめんなさい。自分がこんな状態だと知らなかったんです。
北原さんは追いLINEを全くしてこなかった。
そのことは精神的にとても助けられた。
追いLINEをするほど北原さんは
わたしに興味がなかったのだと思うが
あそこで責められていたらわたしはもう
自分を保てなかったと思う。
しかし話はここで終わらない。
わたしはまた気が変わってしまった。
ゴールデンウィーク直前
どこかに出掛けたい欲が高まった。
一週間北原さんを既読無視しているにも
関わらず、突然潮干狩りに行きたいと
北原さんを誘ったのである。
北原さんはおそらく非常にいい人である。
その日中にいいですねと返信があった。
わたしはスタンプで応答した。
そこから一日経過した。
さすがに自分から日程の調整を
言い出せず、北原さんが言ってこなかったら
もうこの計画を流そうと思っていた。
すると北原さんから
日程調整の連絡がきた。
わたしは22日以降の土曜日なら空いていると
LINEをおくった。
仕事は二人とも土日休みで
潮干狩りを日曜に行ったら
仕事に支障が出そうだったからだ。
すると北原さんは
土曜日の午前中は予定があることが多いので
午後出発になると連絡がきた。
わたしはその返事でなんだかとても
行く気が沈んでしまった。
潮干狩りなんて朝から行くものだと
思っていたし、わたしごときに一日割けないよなとネガティブに襲われたのである。
そして今度は未読無視をかまし
一日その返事を放置した。
すると北原さんは何かを察したのか
22日なら一日空けれますと
追いLINEが来た。
わたしはもう無理させたくないので
午後出発でも大丈夫だと返信した。
北原さんは
それなら22日の午後から行きましょうかと
返事があった。
わたしはああ、やっぱり
無理してたんだな
一日割けれるような女じゃないよなと
ネガティブネガティブキャンペーンを
一人で開催し、また一日未読無視ののち
ほかに気になる人ができたので
お出かけ出来ません。
今までありがとうございましたと
終止符を打った。
北原さんは一言
「わかりました!」と
何も余計なことを言わずに
去っていった。
これが世にも奇妙な物語の全てである。
わたしはおそらくもう
当分の間婚活はできないことを
今回身を持って実感した。
婚活市場に私がいたら大迷惑である。
なぜ今回このように奇妙な物語になったのかは
第一に自分に自信が無さすぎるという点にある。
この問題は根強く、もう高校生の頃から
10年近くわたしを蝕んでいる問題のひとつだ。
なんとか自分に自信を付けようと
転職したり、趣味をみつけようと
もがいているのだが、どうにも改善の方向に進まず、対人スキルはむしろ落ちていっているように思える。
しかし何も行動しなければ
10年20年先もがらんとうの自分は
変わらないであろう。
婚活は一旦辞めて、
アウトプット(ノートを書いたり、twitterで何か発信してみる)
夢中になれる趣味を探す(今考えてるのは三線を弾くこと、乗馬をすること、ユーチューブを始めてみること、絵本のひとりビブリオバトルをしてみる等である)
ことを意識して生活してみようと思う。
北原さん、ごめんなさい。
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