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ヴィーガン子育て<水族館と動物園>

ヴィーガンという言葉が知られるようになってきた今「ヴィーガン=植物性の食べ物」のイメージが強いのではないだろうか?実はライフスタイル全般において「動物に優しく」あろうとする生き方である。

ヴィーガンとは?

イギリスで始まった社会運動である「ヴィーガニズム」。ヴィーガンの定義とは「可能な限り、動物の搾取をしない生活を送ること」である。

私たちが生活をするために彼らの命を奪わない(肉や魚を食べない、毛皮や革製品を使わない)のもそうだが、彼らの労力で成り立つもの(卵、乳製品、蜂蜜、動物実験された化粧品など)も避ける。

しかし、あまりピンとこないかもれしないのが以下のことではないか:

  • 動物園・水族館を避ける

  • 行楽地での動物を含むエンタメを避ける(トラと写真を撮る、馬に乗る、など)

  • サーカスに行かない

これらは、ごく一部の施設や団体を除けば、動物の自由や幸せを奪った上で成り立っていることが多いからである。

水族館や動物園を避ける理由

人間の都合で他の動物を捕獲し、自由を奪うのはいかなる理由も許せないという人もいれば、状況によっては許されるという意見の方もいると思う。

また、生きとし生けるものをどこまで考慮すべきかで意見が分かれることもあるだろう。ヴィーガンは、一般的には全ての動物、虫、魚を考慮するが、アメーバなどの単細胞は除外していることが多い印象だ。アメーバも生きている、と私は思うが、それはさておき。

どこかで線引きをしないと呼吸することすら許されない気になる。

多くのヴィーガンが水族館や動物園を避ける理由を少しだけ簡単に説明する:

  • 魚や動物にも自由に生きる権利がある

  • イルカ、アザラシ、シャチなどの大型生物にとって、狭いところでの生活及びショーのトレーニングは多大なストレスとなる(イルカの自殺例もあるほど)

  • ショーに出ない大型生物(ジンベイザメ)などにとっても、本来の生息している自然界より遥かに狭いタンクでの生活はストレスがかかる

  • 多くの人の目に晒されるだけでもストレスが貯まるのは動物も一緒である

  • 自然界の家族と引き離されるストレスと、残酷さ(特にイルカやゾウなど群れでの絆が強いにとっては酷)

  • これらの苦しみや犠牲の上に人間の利益が成り立っているので貢献しないために水族館・動物園に行かない

ヴィーガン子育てと水族館

本題に入ろう。
我が家はヴィーガン一家だが、8月に初めて水族館に行った。
行くまでには多くの葛藤があった。

厳密にヴィーガンとして生活をし、それを模範として子供に見せたいなら、水族館は行かない。迷う必要もないはずだ。

私は海やスキューバダイビングが大好きだ。そのきっかけは紛れもなく水族館で出会った魚や「海」に見立てた水槽の中の空間や生き物たちだ。

海の生物や動物に私が興味・関心をもったそもそものきっかけは水族館や動物園で間近に本物の動物の生きた姿を見たからであった。

『生き物地球奇行(NHK)』やBBCの動物ドキュメンタリーを見漁ったり、動物図鑑を読み潰したのはその後の話だ。さらに、私は9歳の頃、動物を食べたくないと初めて言い始めた。これも、動物や生き物への関心が高かったからである。繰り返すが、最初のきっかけは水族館や動物園だった。

さて、ヴィーガン子育てにおいて、水族館や動物園は行くべきではないのか?

ヴィーガン子育てと動物園

水族館と同じ理由や背景から、動物園に行くかも迷った。こちらに関してはいまだに行っていない。今後もおそらく動物園には行くことはないだろう。

その違いは?

我が家の結論

子育てをする前の私は「いかなる理由でも水族館や動物園へは連れて行かない」と迷いがなかった。ただ、先に述べたように、私の動物への愛は水族館や動物園で始まった。

生きている動物や、海洋生物に触れる機会をどうにか作りたい

と考えた。
陸の動物は色々方法がある。

  1. 我が家には保護犬がいるので、家族として動物の存在がある。

  2. 家畜産業からレスキューされた動物だけを保護・飼育しているサンクチュアリーという存在が(多くはないが)各国に存在する。今年の5月、イスラエル訪問時に訪れたが、長女には1トン近くの豚が大ヒットだった。

  3. ちょっと先になるが、家族でアフリカのサファリに行く夢があるので、サバンナの動物はそこで会える。

しかし、海の動物は難しい。

  1. 我が家に魚がいないしペットショップで買う気はない。保護犬ならぬ「保護魚」は聞いたことがないので、この先もペットの魚はいないと思う。

  2. 海で魚に出会うにはシュノーケリングかスキューバダイビングだが、どちらもいくつかの身体的スキルを身につける必要があるのでだいぶ先になる。

  3. 身近に出会う可能性のある魚は、スーパーや魚屋に並ぶ魚になりがち。我が家で買わなくても、結構目に入る+保育園や絵本では食べ物として取り扱う歌や本が多い。

断っておくが、どれをとっても私の主観だ。我が家の結論としては、水族館はきっかけ作りのためにOKということになった。ちなみにこの場合、少しでも動物に負荷を少なくしたいと思い、動物ショーが無い水族館を選ぶことにした。東京であれば隅田水族館かサンシャイン水族館がショーが無い・またはかなり限定的な方だと思う。(8月時点)

余談:世界の動き

近年では海外のいくつかの国で、大型動物やショーの無い水族館が増え始めている。日本でもしながわ水族館が2027年のリニューアルを機にイルカショーを中止することにしている。理由として(一部抜粋):

動物保護を取り巻く世界情勢などから総合的に廃止を判断した

こういうニュースを見ると、ヴィーガン子育てがマイノリティでなくなる日は来るな、と確信が持てる。


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