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ジャン・へリオン展 デ・キリコもいた



Jean Hélion ( ジャン・へリオン。1904ー1987 )。抽象と具象を統合した、非常に自由な作品を描いた画家。パリ近代美術館 ( Musée d’art moderne de Paris )で、2024年8月18日までジャン・ヘリオン展が開催されている。ヘリオンがどんな画家かの全くの知識がないまま、パリの大好きな美術館へ。大抵混んでないけれど程よく人もいて、展示はいつだって素晴らしい。今夏も任された仕事でパリに来ているので、休みの日に広々した空間でくつろぎたく、パリ近代美術館をめがけて行った。

ヘリオンの絵は見ていると作風の変遷があり、抽象的なイメージを様々に組み立て、スタイル、テーマや技術を探求し続けているのがよくわかる。デザイン的な絵、裸の絵、風景、静物画、寓話、歴史画などインスピレーションに溢れている。私生活では4回結婚をしたそうで、晩年は徐々に視力を失っていったが、最期の方の3年間くらいは、はっきりと見るために絵を描いたという。目が見えなくなること、また死を意識して、自分の顔を鏡に映して描いた自画像もあった(シリーズになっているらしい)。ヘリオンのエネルギーとインスピレーションを大いに感じて、心が揺さぶられる刺激を受けた。

Défense d' ( 〜の防御)
          ↑直訳したタイトル
Composition orthogonale ( 直交のコンポジション)
Composition abstraite ( 抽象的なコンポジション )


Homme à la joue rouge ( 頬が赤い男 )
Homme à la face rouge ( 赤い顔の男 )
L'Escalier ( 階段 )
À rebours ( 後方へ )
Nature morte à la citrouille ( カボチャのある静物 )
Chrysantheme ( 菊 )


Festival d'automne à l'atelier ( アトリエの秋祭り )
Jugement dernier des choses ( 物事の最後の判断 )
Grand autoportrait ( 大きな自画像 )


パリ近代美術館に来たら常設展も見たくなる。20世紀以降の近代画、フジタもマティスもピカソもシャガールもデュフィもモディリアーニもボナールもその為たくさん見ることができる。作品多し。5月の東京上野のデ・キリコ展で見た、デ・キリコの作品が幾つもある(晩年のもの)。不調和で居心地の悪く、キッチュでシュールで不条理なデ・キリコの絵。すっかりファンになってしまった。デ・キリコの緑に特に心を奪われてしまった。

Le retour d'Ulysse ( ユリシーズの帰還 )
Intérieur métaphysique avec biscuits
( ビスケットのある形而上学的な室内)
Intérieur métaphysique avec paysage, villa avec fontaine
( 風景のある形而上学的な室内、噴水のあるヴィラ ) 
Offrande à Jupiter ( ジュピターへの捧げ物 )
Place d'Italie avec statue ( 銅像のあるイタリア広場 )
Idylle antique ( 古代の牧歌 )
Composition métaphysique avec tête de Jupiter
( 木星の頭を持つ形而上学的なコンポジション )
Tête d'animal mystérieux ( 謎の動物の頭 )
Les Masques ( 仮面 )
Combattants du Marathon ( マラソンファイターズ )
Mélancolie hermétique ( 密封されたメランコリー )


パリ近代美術館に常設展示されている、ソニア・ドロネー
( Sonia Delaunay ) の絵、Rythme ( リズム )が修復をされている真っ最中だった。


エッフェル塔近し
Musée d’art moderne de Paris パリ近代美術館

オリンピックムード満載のパリ。セーヌ川沿いに続々作られている会場。まだ工事中!?みたいで、開会式までに終わるのか!?なんて感じるけれど、途中経過はともあれ、時に仕上がりに驚かされることもままあるフランスなので、きっと大丈夫なのでしょう。

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