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香りの記憶 香りのレシピ

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2017~2021年に山陽新聞で連載していたエッセイに加筆訂正したものです。
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記事一覧

風穴

あの日開けたのは、”風穴”だった。 耳たぶを氷で冷やして機材を当てる。低く小さな声で、「…

みずいろ、雪の匂い

その人の手は淡い水色をしていた。ごくごく透明に近いつめたい色なのに、綿毛のようなあたたか…

ラベンダーの香りで思い出すこと、天職の話

「天職と思ったらそれが天職。」その人は言い放った。そのときわたしはまだ20代も半ば、会社勤…

孤高の薔薇

たまたま開いた画集の中に、懐かしい風景を見た。グスタフ・クリムトの「樹木の下の薔薇」。ク…

クローブの重厚さ

はじめて彼女がお店にきたときのことを覚えている。冬にはまだ早く、テラスには犬の散歩をする…

お土産の焼き菓子さえパクチーの香りがした

何日も雨が続いている。都会の雨と違って田舎の雨は、しとしととやさしく木々を濡らし、憂鬱よ…