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「保険が利く・ドラッグストアで買える」で漢方薬を選んでいいのかな?

保険が利かない漢方薬屋をしています。
一部の漢方薬が4月から値上がりします。

メーカーのMRさんが来社されて、日本の医療についてたくさん話しました。

ここでも絶対的な考え方と相対的な考え方が出てきたので、とても興味深く聞かせてもらいました。

法律のこともあるので詳しくは書けないのと、医療用語を使うと難しいのでポテトチップスを例に書いてみます。

何か少しでも皆さまにとってもヒントになればいいなぁ。




物価が上がる理由

神戸市中央区の漢方薬店で、漢方カウンセラーとして診断して10年。
「本物の中医学」で薬膳を伝えて15年。
10000人以上に中医学で心を笑顔にしてきた池田のりこです。

薬膳のセミナー、講演、企業様での研修、漢方薬のカウンセリング、レストランの薬膳監修などをしています。

いろいろなものが値上がりしていますね。

先日、漢方薬メーカーの営業さんから「先生、直近で時間をいただけますか?」と電話がありまして…

「なんかえぇ話持ってきてくれんのぉ~?」と笑いながら言うと、「いや、実はその逆でして…」と言いづらそうなMRさん。

「分かってる。もう10年以上のお付き合いをしていたら、あなたの声を聞いたらすぐに分かる。この日に来て」ということに。

メーカーが値上がりするということは、うちの販売価格も4月から上がります。

まずは電卓を片手に提示された資料を見て、内容把握を…。

そりゃ、私も「高いなーーー!!!また値上げ?!」と嫌味のひとつも言いたくなるけど、目の前の営業さんはあっちこっちで言われているし、実際彼のせいでもなんでもない…。

ましてや、そんな愚痴を言って相手の辛そうな顔を見る時間がもったいないし、そんな暇もない。

ということで、「ちょっと薬と経済の話ししよか」と薬屋オーナーと生薬メーカーの担当者で小一時間盛り上がりました!

用語が難しくなるので、ここからはポテトチップスに例えてお話しますね。

国で「100g500円」と決められたポテチがあると思って下さい。
ここには意味はないですよ。
分かりやすい数字にしただけです。


高いポテチ

国が「100g500円」と決めたポテチは、70%が税金で賄われているとします。
税金を上げると国民から叩かれるから、国は「100g500円」を死守したいのです。

でも、「うちのポテチは100g1000円です!!」という一般小売もあります。

産地にこだわっていたり、人気があるブランドが作っていたり、付加価値があるんですよね。

それに価値があると思う「ポテチを品質で決める」人は、100g1000円のポテチを喜んで買います。

でも、「ポテチを価格で決める」人は「えーー!!ポテチで1000円?!ないわーー」となります。

今まで通りの価格のポテチ

国は税金でまかなっているので、簡単に価格や内容を変えることはできません…。

しかも、国が作っているのではなく、メーカーに「この範囲内で作りなさい!」と指示を出しています。

メーカーさんはどうでしょう?

「いやいや、原材料は上がっているし、送料もガス代も上がってるし、その価格で同じ品質のものなんて作れません…」
となりますよね?

そうなると、似たような材料でコストが安いものをこっそり探して来ます。でも、これはバレるとまずい…。

そこで、国に「そんなの無理ですぅ…助けて下さーい!!」と伝えます。

国は「そっかぁ…。じゃ、原材料費と送料の分だけ価格改定するね!100g510円にするよ!」となります。

メーカーは「いやいや、ちょっと待って!それじゃ利益(売上-経費)出ないんです!潰れちゃいます!!無理です!!もう作りません!!」とそのポテチの生産を止めてしまいます。

そして、コンビニから「国推奨のいつものポテチ」が消える…。


範囲を広げて解消する

国はとっても困ります。
「分かった!分かったよぉ!じゃあね、ポテチの原料のじゃがいもは北海道産ね!って言ってたけど、鹿児島産もOKにしてあげる!」とメーカーに言うのです。

(※ここでいう北海道や鹿児島には深い意味はないです)

するとメーカーは「ほんと?じゃ、鹿児島産のじゃがいもで作る~!」と無事にポテチは作れるのですが、同時に北海道でおいしいじゃがいもを作っていた農家さんは潰れてしまいます…。

そして、「国推奨のポテチ」はひとつのメーカーだけでなく、ポテチ業界ではいくつかのメーカーが作っているので、みんな鹿児島産のじゃがいもを使い始めます。

もちろん、それもいつか底をつく…。

ポテチに例えて書きましたが、これを「漢方薬」に置き換えてみて下さい。
国産ポテチ:医療用漢方薬(保険が利くもの)
ブランドポテチ:一般用漢方薬(保険が利かないもの)
じゃがいも:生薬

国が決める薬価ベースの漢方薬と、品質ベースの保険が利かない漢方薬…

食べ物や食品でも、同じようなことが起こっています。

どちらが良いとか悪いとかの問題ではないんです。
「知っていて選んでますか?」ということ。

安易にお店で「高いですね!」と言っていませんか?
値段で選ぶのであれば、その価格帯のお店に行きましょう。

うちもたまーに言われます。
そのときは「そうですか?価格相応の良いものを販売しています」と、笑顔でお見送りしています。

うちは安売り合戦はしません。
メーカーさんや取引企業さんががんばって作ってくれたものをその価値に見合った価格で販売します。

なので、取引先はめちゃくちゃ考えて選びます。


先生は大丈夫やわ

ここからは余談ですが…
漢方薬の業界は、男性は女性的な思考や口調で話す人、女性はビシッと診断して説明できる人が良いそうです。

攻撃的な言葉の男性の質問には、女性は答えにくいですもんね。

女性相談員で「え~!そうなの~?分かるぅ~」と共感ばかりしていては、カウンセリグは進まず延々と井戸端会議に…。

的確な診断をするために、ある程度論理的に考えないとできません…。
人の体を動かす薬を使うのに、感情で揺れていては事故が起きてしまうのです。

で、営業さんに言われました。
「先生は大丈夫やわ!女性っぽくないから!そのへんの男性の先生よりも強いから!」

どういうことやねん…。

10年ほどのお付き合いの中で、いろんなことがあって首の皮一枚になったこともあって、彼には何度も助けてもらいました。

どんなに辛くても、彼の前で泣いたことはない…。
今度、泣いたんねん…(笑)

そんなことはどうでもいいのですが…
もっと広い視野でものごとを見たいですね。

自分が見ている世界が「絶対」ではないのです。

薬膳のベースの中医学を伝えるときに、必ず伝えています。
「相対的にものごとを見て下さい」と。

これができないと、これからの時代はちょっと厳しいと思います。

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おしまい。



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