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乳がん記録 #09 部分切除か全摘か


病院からの連絡

2023年5月16日。病院から帰った日の夕方、先ほどまで病院で話していた主治医から電話。
「29日の形成外科の予約の件ですが、明後日18日に、形成外科の先生が時間を取ってくれることになりました。手術まであまり日もないので早い方が良いと思いますが、来られますか?」とのこと。
仕事のミーティングの予定が入っていたが、そっちは私がいなくてもなんとかなる内容だったため、迷わず行くことに。
「私ももう一度お話ししたいことがありますので、乳腺外科に寄ってください」と言われる。

部分切除か、全摘か

電話のあと、今度はきちんと決断できるよう、夫とあらゆる想定をし、その想定ごとの結論を準備しよう、ということになった。

まず、「部分切除と全摘どちらにするか」については、全摘にしようと決めた。
術後の生活の中で、再発の不安は少しでも取り除きたい、というのが一番の理由。乳がんの治療を最優先に考えた場合、全摘が一番良いだろう、という結論になった。
全摘をするもう一つの理由は、広範囲の部分切除で乳房の形が著しく変わってしまった場合、変形してしまった乳房を見るのは、それはそれでダメージが大きいだろうし、それならば全摘して再建を目指した方が良いのではないか、と考えたからだ。
更に、「全摘の再建」は保険適用なのに対し、「部分切除の再建」は保険適用外だったことも、「全摘」への後押しになった。

再建するか、しないか

次に再建について。
ここではまず、自分にとって「乳房」というのがどのくらい大切なのか、ということに自分自身がしっかりと向き合う必要があった。

向き合った結果、「再建できる道があるなら進んでみよう」と思った。
52歳にもなって、乳房がそんなに必要なのか?というツッコミは、誰からされるまでもなく自分でも十分に思った。
ただ、それでも自分にとっての乳房は、人から見える見えない、機能としているいらないに関わらず、長年自分の体の一部だった大切なもの。
乳房は目に入りやすい場所にあるし、喪失感も大きいだろう。
そんな喪失感を抱えながら、術後のホルモン治療を乗り越えられるのか自信もなかったため、再建する方向で検討することにした。

一次再建(同時再建)か、二次再建か

そうなると、次に考えなければならないのは再建のタイミングについて。
(再建を検討する場合は選択肢が多すぎるので、診察前に熟考し、頭を整理しておくことをおすすめします!)

まず、二次再建のメリットは、乳がんの治療に専念することができ、再建については後からゆっくり時間をかけて検討できるところだと思う。
先生からも「後から再建することもできますよ」とは言われていたし、確かにそれもアリかな、とは思った。
乳がん手術後に、再建のみ「再建を得意とする病院」ですることだってできる。
が、しかし、恐らく乳房の喪失感が強いのは術後の数ヶ月で、そこを乗り越えれば、年齢的に「もう一度手術してまで再建しなくていいかな」と思うようになる気がした。
乳房が無いからと言って、自分らしく生きられないわけではない。
だったら少しの間、辛さと向き合う覚悟をすれば再建しなくてもいいのではないか、と思ったりもした。

次に一次再建のメリットは、なんといっても術後の喪失感がないことと、手術と入院が一度で済むこと。
そして、乳腺外科と形成外科が連携して治療にあたってくれる、ということも、自分にとっては大きな安心材料だった。
もちろん、手術には時間もかかるし、入院期間も長くなるけれど、有給休暇もたっぷりあるし、上司や同僚の理解や協力も得られているため、そこは自分にとってのデメリットにはならなかった。

ここまで考えた結果、「同時再建できるなら再建。2次再建しか出来ない場合は再建のことは一旦忘れる」ことにした。

人工物による再建か、自家組織による再建か

さて、再建を検討するにあたって、もう一つ考えておかなければならないのが再建方法だ。
再建方法の詳しい内容はネット検索でいくらでも出てくるが、M病院で実施しているのは、

・人工物による再建
・自家組織(背中のお肉)による再建
・自家組織(お腹のお肉)による再建

の3通り。
私の中で、人工物による再建には少し抵抗があった。
多分、あと10歳若ければ人工物の再建も選択肢に入ったと思うが、52歳ともなると、すでに下垂してきた左胸に合わせて人工物で再建したとて、これから年々左右のバランスが悪くなっていくことは明らか。
再建して数年後にはもうメンテナンス(シリコンなどの入れ替え)が必要、となると、それは現実的ではないなと思った。

そうなると自家組織による再建を希望することになるが、こればかりは、お肉の量にもよるし、ネットの情報だけでは判断できないので、形成外科の先生と相談してからしか決められない。

というわけで自分の中での検討はここまで。
あとは18日の形成外科の先生の診察を受けて決断しよう。


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