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アフリカンリズムを恩送りで♪ペイ・フォワード記事Vol.21

ムジカトゥッティが東北に吹かせるアフリカの風

心のケアはアフリカンリズムで

2021年10月、私は友人に誘われ、宮城県仙台市にあるせんだい3.11メモリアル交流館を訪れました。

その目的は、アフリカンドラムのイベントに参加するため。私は根っからの音楽好きで、高校時代は友人と路上で歌っていました。(友人がギター担当で私は歌担当)ライブに行くのも好きだし、踊るのも好き。そこに来て、アフリカの音楽と言われたら行かないわけにはいきません。それが、音楽療法NPOムジカトゥッティさん(以下、ムジカトゥッティ)との出会いでした。

ムジカトゥッティはコンゴ民主共和国出身のB.B.モフランさんと、多田羅さん(ステージネームアンジェラさん)のユニットです。東日本大震災後、宮城県と福島県に毎月来て心のケアを続けてくださっています。モフランさんは千葉県から、アンジェラさんに至っては香川県から飛行機で!想いを馳せるだけではなく、行動に移してくださっているとても想いの深い方たちなのです。

ムジカトゥッティのHPはこちら↓

ムジカトゥッティの宮城県や福島県での活動の様子が分かるブログはこちら↓

心のケアはアフリカンリズムで

私が2021年にムジカトゥッティのコンサートを聴いたとき、息子はまだ4ヶ月でした。スリングに入れてアフリカンリズムに合わせておしりをトントンとたたいてあげると喜び、いつのまにか揺られながら眠ってしまうのでした。これは、アフリカンリズムが母親の鼓動と同じような響きをするからだそうです。娘も、私を誘ってくれた友人の娘ちゃんと手を取り合ってダンスに夢中です。私自身、魂が喜んで、どんどんのめり込んでいくのが分かりました。

そしてムジカトゥッティにもっと宮城県に来てもらいたい、福島の大事な友人にもこの素晴らしい体験をしてもらいたい、という気持ちを伝えたところ、彼らのサポートをさせていただけることになりました。

ムジカトゥッティの、音楽による心の解放と自己表現、言葉によらない他者とのコミュニケーション、音楽を通した支え合いのコミュニティの構築という理念にとても共感できたのです。なぜならこれらは、私がマレーシアでの青年海外協力隊の活動を経て学んだことと同じだったのです。

私は帰国後、マレーシア人とともだち・カワン・コミュニティという市民団体を立ち上げました。私たちも、自分自身の気持ちや存在を大切にし、他の人との違いも楽しみ尊重する、またお互いの良さを持ち寄って助け合うという想いで活動しています。だから、ムジカトゥッティの行っていることをサポートさせていただくことで、ともだち・カワン・コミュニティが目指す社会を共に実現していくことになると確信したのです。

ともだち・カワン・コミュニティのコンセプトはこちら↓

試行錯誤の一年と新たな出会い

それまでムジカトゥッティの震災支援は、アンジェラさんが訪問先を全てインターネットで調べ上げて行って下さっていました。地元ではない場所で訪問先を決めるのは難儀だったと思います。そこで、私が宮城県や福島県でのつながりからいくつか提案させていただき、ムジカトゥッティに訪問していただきました。音楽療法は言葉で説明するよりも、体験してもらうことが一番です。参加していただいた方は、アフリカンリズムのパワフルさ、平和なコミュニケーションを楽しむと同時に、モフランさんとアンジェラさんの人の良さと想いの深さに癒されていました。

私にとってもムジカトゥッティの新しい訪問先を探す上でたくさんの学びがありました。ムジカトゥッティの想いを多くの人に伝えるために、たくさんムジカトゥッティと対話し、想いを汲み取って訪問先にも伝えるという経験を繰り返しました。その過程は全てがスムーズに進んだわけではありませんでした。しかし、かえってその経験から、何かを実現するには想いを定めてあきらめずに様々な方向から取り組んでみるということを学びました。コミュニティ作りとはまさしく、対話を通して互いの想いを共有し、目指す場所を共に思い描くということの繰り返しなのではないでしょうか。

その思いに共感する仲間たちがどんどん増えて、定期的に手伝ってくれたり、参加してくれたりするようになりコミュニティが拡大していきました。

恩送りが音楽の世界でも

ムジカトゥッティさんの想いを多くの人に伝えて、アフリカンリズムを体験してもらうお手伝いをさせていただく一方で、ムジカトゥッティにもともだち・カワン・コミュニティの想いを伝える機会がたくさんありました。そのなかで、私たちが「ペイ・フォワード」を広げようとしていることをお話してきました。

そこで、私が2022年にインドネシア人の友人が震災の被害にあったときにも、ムジカトゥッティのコンサートの終了時に福島から恩送りをしませんかということで、寄付の時間を設けさせていただきました。その結果、東日本大震災で被災した福島の方々が、ムジカトゥッティのアフリカンリズムで癒され、その元気をインドネシアに送ることができました。

インドネシア震災支援の記事はこちらから↓

ムジカトゥッティ 恩送り開始!

そしてなんと2023年4月25日には、ムジカトゥッティがコンサートに恩送りの仕組みを取り入れてくださったのです。

イベントの告知ページにはこのように書いてくださいました。

このコンサートでは、受けた恩をその人に返すのではなく、誰かに贈る「ペイ・フォワード」のシステムを用います。ご自分の状況に合った参加費をお選びください。
1,000円
2,000円
3,000円
心に余裕がない、お財布がピンチ…でも、分け隔てのないアフリカンリズムに触れてみたい、音楽で元気になりたい、解放され自由になりたい…そんな、あなたをお待ちしています。あなたが次回参加する時に、誰かからの善意を感じながら参加でき、思いやりが循環していく仕組みです。

アフリカンリズムによる癒しと、恩送りやお互い様のつながりによる癒しを味わってください――♪

ムジカトゥッティイベントの告知ページより

これまでムジカトゥッティの想いを味わわせていただいてきた私ですが、アンジェラさんが私の想いも汲み取って活動に取り込んでくださったことはこの上ない喜びでした。


この日の参加費が、また次回誰かがムジカトゥッティの音楽を楽しんでもらうための糧になると思うと、アフリカンリズムに自分も癒され誰かも癒されて、平和のリズムが福島から世界に広がっていくようです。

次回の福島でのムジカトゥッティのイベントも楽しみにして下さいね!

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