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在外選挙人のまま、参院選に行ってみた

我が家の周りは何故か、走り回る選挙カーは日本共産党ばかり。
選挙ポスターもあちらこちらに。昨今はお顔のお写真じゃなくても許容されるのね。
しかし、待てど暮らせど、お手紙が来ない。所謂、投票所入場券、もしくは投票のご案内というお手紙が。

いろいろググったところ、帰国後転入届を出して3ヶ月経たないと国内の選挙人名簿に登録されないそうな。

(12)帰国後3か月以内の投票
在外選挙人の方が、日本に帰国し国内の市区町村において転入届を提出(住民票を新たに作成)すると、3か月後に国内の選挙人名簿に登録されます

上記、外務省HPより引用

本来なら14日以内に届出る必要があるけども、日本入国後COVID-19による待機期間を鑑みて14日以内じゃなくてもOKという特別措置に甘え、5月の初旬に出したんやっけな…
それだと3ヶ月未満なので、国内の選挙人名簿に載らずお手紙来ないのね。
でもさ、日本国籍を有している訳だし、投票する権利あるよね?

もうちょい調べると、在外選挙人証を提示すれば日本国内でも投票できるらしい。外務省だけでなく、今住んでる市区町村のHPも確認し、OKぽいので行ってみましたYo!




いつもの投票所へ行ってみる

近くの小学校が投票所だったよなと思い出し、更に我が市区町村の投票所一覧も確認した上で、その小学校へGo!
入口に立ってた誘導係のおばさんに、海外から帰国したばっかりでお手紙がないことを伝えると、相談係なるブースへ連れていかれた。そこで、若手のお兄さんに名前と生年月日を聞かれ、手元のパソコンで調べてくれるもヒットしない様子。中堅どころのお姉さんが支援に駆けつけ、転入後住所も聞かれつつ何度かトライするもダメ。

てゆーかそれ、日本国内の選挙人名簿じゃね…?

困り果てたおふたりの様子を見てもう1度同じ説明を、在外選挙人証現物を添えて。

「あ!存外選挙人なんですね!存外選挙人証お借りしてもいいですか?」
お渡ししたところ、一旦そこの投票所の上役っぽい人に相談されてた模様。結局本部にお伺いを立てる、とのこと。

やたらと
「お待たせしてすみません、今本部からの返答待ちで」
とか謝られたけど、マレーシアに行ってから待つのはずぇんずぇん苦になりませんからお構いなく。
むしろ、選挙に来た人たちをポケーと観察してるのがおもしろかった。投票に行ったとて、こんな長時間居座ることないもんね普通。

時間は午後3時ごろ、この時間帯でもぞくぞくとやってくる日本国民。

そうそう、おこちゃま連れ多いよね。お父さんお母さん有権者ですから連れてくるしかないし。私も朧気に記憶ある。

お手紙持ってませんって相談係に駆け込む人もそれなりにいるんやね…
しかし若手のお兄さんも中堅どころのお姉さんもうちの対応にかかりきり…いやいや、ふたりがかりでなくていいから、この人優先してあげて…

おや、投票所入口で選挙公報見てる人が。今この瞬間に決めるんかい。
まぁうちも大した選定基準はないけども。所謂majorityである「昭和おじさん」以外に入れる、くらいしか。


「お待たせしていてすみません!」
ぼんやりしてたから声かけられてびっくりした。
「本部から折返しあったんですが、在外選挙人の方はここの投票所ではなく、区役所でのみ投票できるとのことで…」
お、おう、了解。しかしその確認取るのにえらい時間かかったな。それだけレアキャラってことかー。



区役所へ行ってみる

転入届やらマイナンバーやら、この数ヶ月で何度足を運んだか知れない区役所。いざゆかん。

で、また同じ説明を。在外選挙人証現物を添えて。

「選挙管理委員会の者が来ますので、あちらで椅子に掛けてお待ちください」
をを、スムーズじゃ。
「在外選挙人の方の場合、少々お時間かかるのですが…」
ハイハイ、お構いなく。
近くにあった選挙公報に手を伸ばす。(お前もやんけ)

「お待たせしてすみません、もう少しで選挙管理委員会の者が来ますので」
ハイハイ、お構いなく。
手元にあった選挙公報を広げる。

「お待たせしてすみません、在外選挙人証を見せていただけますか?」
ハイハイ、お構いなく
って別に全くお待たせされてないけど…

選管の人らしい、若手のお姉さんが在外選挙人リストを抱えてやってきた。そのリストと私の在外選挙人証を照合している。い、今時、目検なのかい?!
個人情報のカタマリだろうから視線はそらしてはいたけども、見えるとはなしに見えるリスト。思ったよりも在外選挙人登録をしている人が多い印象。少なくとも10人20人の世界ちゃうで。何百人の世界。うーむなんともアナログ…
マレーシアで衆議院の存外選挙に行ったときもそのアナログさに驚愕したが、その上を行っている。在外選挙人が日本国内で投票するケースなんて、滅多に起こらんからってことでこの扱い?

照合が終わり、存外選挙人名簿に載っていることが確認取れたので、選管のお姉さんに付き添われて投票したのでありました。
投票用紙を渡す人が、いつもと手順が違うのか戸惑い気味だったのが若干ウケた。



投票率

投票所で観察していた限りだと、割とひっきりなしに投票に来てた人がいたように見えたのだが、午後7時半時点で投票率はたったの30.61%らしい。

そこで思い出すのは、同期の言葉。なんでこんな話になったか前後関係すっかり抜け落ちているけれど。

「投票したってなんも変わらんし」


まぁそうかも知らんけど。
それと同時に思い出すのは、中学校、社会科恩師の言葉。

「選挙には行ってください。
入れたい人がいなくてもいい。白票を投じてもいい。
投票率を上げて、国民の意思を示すことが重要」

また同時に、2018年5月の総選挙で、建国以来初の政権交代を起こしたマレーシアの、同僚たちの顔も目に浮かぶ。
細かい制度はわからないが、不正防止のため人差し指だったか、この時期みんな爪が茶色かったんである。そこだけマニキュア塗ったみたいに。なんでか聞いたら


「選挙に行ってきたんだよ!」


と、何故か誇らしげ。その姿にも衝撃を受けた。

うん…やっぱみんな、選挙に行こう。(事後)





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