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認知症にもいろいろあってな

ブルース・ウィリスさんの家族が、彼が前頭側頭型認知症を患っていると公表しました。
昨年亡くなった夫が最初に診断された病気です。
Yahoo!ニュースでも簡単に触れているけれど、このタイプの認知症は
人格が変わるなどの症状がみられます。
でも、記憶などに症状が出ないので、診断が遅れることが多いし、
側からは病気とわかりにくい。
家族にとっては、これが一番厄介で辛かった。

たくさんの友人・知人に嫌な思いをさせて、そのために多くの人たちと疎遠になり、それが病気のせいだったとわかってもらえないまま、申し訳なかったと謝ることもできないままに亡くなった夫はかわいそうだったと思います。
でも、家族さえも離れてしまう前に病気だとわかった彼はラッキーでした。
家族にも病気だとわかってもらえないまま、一人になってしまう患者さんも多いのではないかと思うからです。

病気のせいだったとはいえ、私も未だに話したくないこと、思い出したくないようなことがたくさんあります。
周りの方々にかけたご迷惑も、病気だったから仕方ないではすまされないことが多く、現にうちの家族は夫がやらかしたことの後始末を未だに続けています。
私や子供たちの友人の中にも、夫のせいでそれまでのような付き合いが出来なくなってしまった人もいます。

最初の診断から半年ほど経ったのち、夫は身体の動きにも異変が見られるようになりました。
さらに詳しく検査をした結果、進行性核上性麻痺と診断された時、私は「良かった、この人だんだん動けなくなるんだ。」と思ったのでした。
「ひどい!」と思われるでしょうが、それが素直な気持ちでした。
一人で出歩くことが難しくなれば、勝手に出かけてあちこちでトラブルを起こしてくることはなくなるだろうと、ほっとしたのです。

病気といえば一般的に「一番辛いのは本人」なのですが、この認知症は本人の病識が薄いと言われており、うちの場合も夫は自覚がないように見えました。
もちろんそれは周りから見てのことで、本当は夫がどう思っていたのかはわからないのですが。

ブルース・ウィリスさんのご家族も、人には話したくない気持ちと病気のせいだとわかってほしいという気持ちのせめぎ合いだと思います。
それでも公表に踏み切ったのは、この認知症を多くの人に知ってもらうことによって、苦しむ家族が少しでも救われるようにとの思いからでしょう。
彼のような有名人によって、この病気のことをたくさんの人に知ってもらいたいと心から願っています。

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