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初めてのパニック発作で僕がとっさにやったこと。

それは湯上がりに突然ドカンと来ました。今からおよそ10年前のことです。前日にひどく腹の立つことがあって入浴中にふとそのことを思い返して、腹立ちがぶり返したのですが、それが引き金になりました。パニック発作はいわば脳の熱暴走のようなものです(だから入浴中になりやすい)。脳が一時的に制御不能になるのです。

でも幸い僕は当時臨床心理士を目指して心理学の勉強をしていたので、自分に起きたことがすぐに理解できました。心臓がものすごい勢いでバクバクして、息がちゃんとできないし吐き気もするし滝のように汗が流れ、両手が先から腕にかけてビリビリしびれるといったありさまでしたが、その症状があまりにも教科書通りなので笑っちゃう余裕が心の隅にはありました。

当時僕が一番興味があったのが、カラダからココロにアプローチしてココロを変えることでした。笑顔を作ればココロが明るくなる。ガッツポーズをするとココロが晴れる。といったことです。それでその時とっさに思い浮かんだのが、セロトニン体操と念仏でした。セロトニン体操とはうつ病の対策として腰をリズミカルに左右にふって脳内のセロトニン(これが少ないとうつになる)の分泌を促そうというものです。その時はとっさに、セロトニンならパニック発作にもきっと効くに違いないと思ったのでした。念仏はナンマンダブです。当時親鸞に関するものを手当たり次第に読んでいて、念仏の何が心に効くのかあれこれ考えている最中でした。僕はとっさにこのふたつを組み合わせてみました。

「ナンマンダーナンマンダー」そう唱えながらフルチンでツイストを踊りました。するとなんとスッと、本当にすっと一瞬でパニック発作が治まったのです。

今思えば言葉は何でもよかったので、念仏である必要はまったくありません。大事なのは口を大きく開けることです。ただし何か唱えた方が無意識を抑え込めるので、何も思い浮かなければ「ダー!」って何度も言うのがいいかもしれません。

では実験です。肩にぐっと力を入れて緊張させてから、「ダー」って大きく口を開けて言ってみましょう。肩の力が抜けてしまいますね。意識的にやっても力が抜けるのだから無意識の緊張など簡単に打ち払うことができます。

脳は意識的に行う動作を無意識に行う動作より優先させます。両方同時にやるだけのスペックがないので、無意識の方はキャンセルするのです。だから無意識の暴走をとめるのに、ダンスも理にかなっていたわけです。でもセロトニンうんぬんに関しては、この場合は的外れでした。まあ結果オーライですね。

もう一度まとめると

念仏を唱えながらツイストを踊ったら、なぜか一瞬でパニック発作が治まった。

その後心理学の勉強は続けていますが、臨床心理士の方は当時社会人が資格を取れる大学院は関東には一校しかなく、そこを二次面接で落ちてしまってそれっきりになっています。だから科学的実証の機会が得られないままなのですが、理屈はどうあれ、実際に自分が体験したことをつづってみました。パニック発作はありがちな病ですから、何かの参考になったら幸いです。

ちなみにこの挫折がきっかけで僕は完全に方向転換して、作曲にのめりこんでしまい、今日に至ってます。それがよかったのかどうかはぜひ試しに何か一曲お聞きになって、ご自分の耳で確かめてください。💛(宣伝かよ)



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