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暗黒の乃木神社と暗黒の二百三高地vol.4

🌟『いよいよ第二次総攻撃へ。強力兵器28センチ砲の登場』
第一次総攻撃の失敗に懲りた乃木将軍は塹壕を掘って少しずつ前進するという当時、正攻法と呼ばれた作戦で攻略する事に方針転換します。
ただ、この正攻法には前線の部隊長から弾薬不足を理由に強襲策やむなしとの反対意見も出されたそうです。しかし、6時間に及ぶ議論の末、結局、正攻法に決しました。
部隊長が何故、強襲策にこだわったのか、その辺の資料がないので分かりません。乃木将軍の失敗を糊塗する為の作り話かもしれません。
或いは第一次総攻撃で盤龍山堡塁という要塞の一部を占領できた事はできたので、その戦果を評価した故の反対意見であったのかもしれません。また、塹壕を掘るというのは著しく時間もかかるので、その辺を考慮した反対意見かもしれないのですが、今となっては真相は藪の中です。

いずれにせよ第二次総攻撃は正攻法と決し、第一次総攻撃のほぼ一ヶ月後、9月19日に開始されました。この総攻撃にはそれまで使用されていた15センチ砲の他に28センチ榴弾砲も18門、最終的に投入されました。この28センチ榴弾砲は海軍の要請による旅順艦隊殲滅の為に投入されたのですが、これが要塞攻略の上でも大きな威力を発揮します。
この総攻撃の四日間で二百三高地占領は出来なかったのものの、南山坡山⛰️の占領には成功し、戦死者を924名、第一次総攻撃の5分の1にまで抑える事に成功しました。
この総攻撃で28センチ榴弾砲が大いに効果的であるという事が分かったので、乃木将軍は砲弾の補給(一門につき300発)を大本営に要求したのですが、その補給は中々受けられませんでした。
しかしながら、日本軍にはいつバルチック艦隊が日本に現れるかという不安もあり、補給を待っている時間はありません。故に第二次総攻撃の後半は砲弾不足という不安要素を抱えた状態で10月26日に開始されたのです。
この総攻撃の後半戦で一戸少将のP堡塁占領という戦果はあったものの前半戦で取り損ねた二百三高地を占領する事は出来ず、結果的に第二次総攻撃は失敗と位置づけられました。

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