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100ドル獲得徒競走レースと世の中の格差に思うこと

昨日、一般財団法人リープ共創基金(REEP)の取材記事が公開されました。REEPさんは、資産運用とNPOへの資金提供を両方おこなう財団法人。資産家から資金を預かってその資産を運用し、得られた運用益を社会課題解決に取り組むNPOに提供しています。

資産の運用益、つまり、増えた分だけを寄付するので継続的に寄付し続けられます。画期的。

仕事柄、「今年度の助成金がとれるかどうかで、もう一人採用できるかどうか決まります」という場面にたびたび出会うのですが、継続的な寄付の仕組み、現場はありがたいだろうなと想像します。

もう一つ惹かれたのは「奨学金」の話。

普通、奨学金を受ける生徒は成績だったり、課題の評価だったりで評価されて選抜されます。

一方、REEPの奨学金は、選考過程そのものが「学びの機会」になっています。応募した子どもたち向けに、ワークショップやプログラムが行われ、その過程で生まれる子どもの成長も奨学金の評価対象になります。

申し込んだ時点では劣後にある子も、プログラムを経た「伸びしろ」を評価してもらえる。奨学金選考の合否に関わらず、応募した子どもたちすべてに「学びの機会」が提供されるところが、"新しい”なと。

見えない特権に気づけるか

奨学金で思い出すのは、メルカリ共同創業者・山田進太郎さんが個人で設立した「山田進太郎D&I財団」の理系女子のための奨学金。

この奨学金は、能力による選抜ではなく抽選制になっています。能力での選考をはさむと裕福な家庭の子どもたちが優利になりがち。生まれた環境に拠らず、平等にチャンスが与えられるよう抽選制を取り入れています。

生まれた環境による格差は、この動画を見ると痛いほど伝わります。
徒競走に勝った一人が、100ドルを手に入れられるというゲーム。最初は横一列に並んでいる生徒たちですが、監督(?)が出す条件によって、一歩ずつ前に進むことができます。

私立学校に進んだことがある。
携帯電話を止められる心配をしたことがない。
家計を助ける必要がなかった。
食べ物の心配をしたことがなかった。

8つの条件を出されたあと、白人の生徒は黒人の生徒よりもだいぶ前へ進んでいます。

成功は、自分だけの力じゃないのです。
だから、運よく成功に恵まれたのならば、少しでも世の中の不公平が是正されるように働きかけたい。成功を手にした方から歩み寄らなければ、分断は開いていくばかりです。

REEPさんの「社会をよくしたい資産家」と「社会をよくしたいNPO」をつなげる試み。この動画を見ることでさらにその貴重さを思うのでした。

REEPさんは、ただいま求人中です。関心ある方はこちらからどうぞ。

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(おまけ)先日、ひな人形を出しました。今年で10回目。早いなぁ。

サポートしていただいたら、「社会を変える、未来をつくる」仕事をしている皆さまのnoteを探して”サポート送り”しようと思います。