見出し画像

将来NPOで働きたい。どんな事を意識してキャリアを進めていけばいい?

この記事は、NPOマネジメントvol.71(IIHOE発行)の誌上マネジメント相談の内容と日々のご相談で感じていることをベースに執筆しています。

NPOに新卒で入るのは、なかなか難しいことが多いです。
小さな組織が多く、即戦力を求める傾向にあるから。金銭的にもスタッフのキャパシティ的にも、ゆっくり人を育てる余裕がないところが多いです。

では、新卒ではなく、将来力をつけてからNPOに転職するキャリアを思い描いた時、どんなことを意識してキャリア選択すると良いのでしょうか?

3つまとめてみました。

自分が興味ある分野の専門知識を身に着けること

広報、人事、経理、財務・・など株式会社で必要とされる業務はNPOでも必要とされます。「社会の中で自分はどんな役割をとっていきたいのか」を考えて、その分野の業務経験が積めそうなところを選ぶのは1つの手です。

ただ、まだ働いてもいないのに自分に向いている役割を考えるのは難しいかもしれません。「職種 一覧」で検索すると色んなサイトで各職種の詳しい仕事内容を説明しているので、自分が好きで得意なこととマッチしそうなものを探してみてください。

勉強会やボランティアなどで人脈を構築すること

求人の機会は、必ずしも分かりやすい形でオープンになっている訳ではありません。勉強会、プロボノ、ボランティア、などを通じて団体の内部の人とつながりが出来て、声がかかるケースも多いです。

入社してしばらくは仕事に慣れるので手一杯かもしれませんが、少し余裕が出てきたらこれらへの参加を検討してみてはどうでしょうか?

転職のチャンスをつかむ、という以外にもセクター(※1 末尾に説明記載)を超えて会話ができることはNPOでは重宝されると思います。

NPOマネジメントvol.71の中ではこんな記述が登場します。

NPOは単体での団体だけでは、適切に広がりをつくりだせず、社会を動かすことができません。(略)そのため、さまざまなセクターの言語を理解し、使いこなし、そそのかし、異なる文化をすり合わせながら、活動を組み立てていく仕事がNPO職員には求められます。

この「さまざまなセクターの言語を理解」という文章を本当の意味で納得できたのは、NPOに入職して3年たった今かもしれません。
職場ごとに異なる文化があり、使い慣れている言葉があります。セクターが変わると、最優先の目的(利益or公益)も変わるので、もっと文化も言葉も変わります。

例えば、「この事業のインパクトを高めるにはどうしたらいいんだろうね」
と、言ったとき、ソーシャルセクターの人は社会的インパクト(社会課題解決事業が社会に及ぼす影響力のこと)を想像し、そうでない人は消費者が事業から受ける印象や意外性のことを想像しているかもしれません。

同じ業界の人とばかり話していると、どの言葉が業界特有でそうでないのかに気づきづらくなるので、勉強会やボランティアなどに参加して異文化でも柔軟に受け入れられる素地を自分の中につくっておくことは、将来の転職にプラスになるのではないかな、と思います。

自分で自分を育てる意識をもつこと

NPOの多くが人事部を持っていません。大企業のように、研修を用意したり、ジョブローテーションを組んで人材育成のシステムを整えたりすることは難しいことが多いです。また、少数のメンバーで複数の業務を遂行せねばならず、多様な仕事能力が求められます。

要するに「育ててもらえないけど、覚えなきゃいけないことは多い」のです。整った職場環境で、誰かがやってくれる、という待ちの姿勢に慣れていると、NPOへの転職時に「え!?こんな体制も整ってないの?」と不満が爆発するかもしれません。

雇用する団体側に人材育成のシステムを整備していく責任はありますが、即戦力が求められるNPOの現場では、そうしたシステムだけに依存することなく、積極的に自らの強みと課題を踏まえて、自分で自分を育てていく「自己成長装置」を備えておく必要があります。(NPOマネジメントvol.71

色々な方の履歴書を見たり面談したりする中で、その人が自分で自分を育てていける人なのか、は転職理由や仕事への向き合い方ににじみ出てくるように思います。

過去にDRIVEキャリア経由で転職された方にインタビューして記事を書いたのですが、上記の3つの観点で次の記事を読むと「なるほどなぁ」と感じられるところがあると思うので、よろしければご参照ください。

※1 セクターとは、経済の担い手の分類のこと。第1セクター(公共部門)、第2セクター(民間部門)、第3セクター(非営利部門)と別れています。ビジネスセクター、ソーシャルセクター、と言われることもあります。こちらの記事が詳しいのでご参照ください。

*************
ETIC.では「NPOなどのソーシャルセクターへの転職を考えている」「起業か転職かで悩んでいる」そんな方々のご相談にのっています。お申込みは下記のバナーからどうぞ。

画像1

NPO・ソーシャルベンチャーに特化した求人サイト「DRIVEキャリア」も運営しています。

画像2


サポートしていただいたら、「社会を変える、未来をつくる」仕事をしている皆さまのnoteを探して”サポート送り”しようと思います。