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福井から世界へ発信する黒龍酒造のESHIKOTOプロジェクト

創業1804年、200年以上続く老舗酒蔵、
日本酒「黒龍」「九頭龍」でお馴染みの黒龍酒造ってご存じですか?

本日は日本酒に興味がなくとも、美味しいものや旅好き、アート好きにおススメの新しい施設をご紹介します!


黒龍酒造の親会社である石田屋二左衛門株式会社が、福井の食や文化を楽しむ酒蔵観光施設を2022年6月17日(金)に福井県の永平寺町にオープンしました!

実は… オープン前のメディアツアーの添乗員兼ガイドを担当しましたのでリポートします!

福井並びに北陸の豊かなフードエクスペリエンスを通じて人生の愉しみ、自然の雄大さ、文化の素晴らしさを発信する場になるESHIKOTOって?

黒龍酒造の新たな新ブランドと観光施設の名前は「ESHIKOTO(えしこと)」

古語で「えし=善し」なので、つまり「良いこと」
実は「えしこと」は「とこしえ(永)=永遠、永久」を逆さ読みしたWミーニング。

「ESHIKOTO」プロジェクトとは、自社の日本酒だけでなく食や伝統工芸などの文化を通じて、福井の「良いこと」を「永遠に」発信する場になっています。


福井駅からは車で約30分。
通称「鮎街道」沿いに突如と現れる現代的でシックな建物が2つ。

約3万坪に及ぶ広大な敷地の目の前には福井県最大の河川「九頭竜川」が流れ、豊かな自然の里山の絶景を眺めることができます。

日本酒造りに欠かせない仕込み水の水源でもあるこの九頭竜川の昔の名前が、代表銘柄の黒龍と同じ「黒龍川」なんですね。

敢えて不便な場所でありながらも来てもらう特別な価値を創り出しています。福井県吉田郡永平寺(えいへいじ)町にある蔵は、曹洞宗の仏教寺院「永平寺」のお膝元でもあるのです。

恐竜博物館も永平寺も近いので、ゆったりと日常を忘れた観光地としてもちょうど良いエリアになります。


ESHIKOTO見どころは3つ

黒龍酒造と言ったら日本酒ビギナーから外国人、マニアやプロまでを唸らせる日本を代表する銘酒として高い人気を誇っています。

高級吟醸酒のイメージが強いですが、スパークリング日本酒の「awa酒協会」や熟成酒の協会の「刻酒協会」の認定蔵として、新たな日本酒の価値や魅力を世界に発信している酒蔵のひとつでもあります。

そんな黒龍酒造の新しい施設!
期待に胸が膨らみながらメディアツアースタートです!


①臥龍棟の貯蔵セラー「臥龍房」


 ■臥龍棟(がりゅうとう)

イギリスの著名な建築家のサイモン・コンドル氏が設計した日本と西洋の融合を感じさせるウオークインセラーを中心とした建築物。

天井がなんと約11メートルもある、まるで壮大な大聖堂のような空間は、通常は入ることはできませんが今後イベントや交流スペースとしても使われる予定です。

水野直人社長が探し当てた巨大な地元の杉の丸太2本!迫力あります!
樹齢が2年後に創業220年を迎える黒龍酒造とほぼ同じと言うとこにロマンを感じますね!


 ■一般非公開の貯蔵庫「臥龍房」(がりゅうぼう)

臥龍棟のメインはESHIKOTOブランドの瓶内二次発酵スパークリング日本酒約8000本を貯蔵する巨大なセラー。

このセラーの前で俳優の斎藤工さんがテレビ番組の収録も最近行いました。
内部は会員のみで通常は撮影禁止です!


瓶内での2回目の発酵によりきめ細かな泡を発生させ、低温にて15ヵ月以上の熟成経て出荷される「スパークリング日本酒「ESHIKOTO AWA」


ワイン好きには、高級スパークリングワインの代名詞のシャンパーニュの最低瓶内熟成期間の最低15ヶ月を思い出す人も多いはず。

シャンパーニュのような乾杯酒として広く普及させることを目的に活動している一般社団法人awa酒協会の認定酒でもあります。

セラーに眠るスパークリング日本酒たち。今後はヴィンテージawa酒として発売されていきます。


世界のワイン銘醸地を訪れたことがきっかけで水野社長は構想10年かけてこの「ESHIKOTOプロジェクト」を考案しました。
世界のワイン生産地のツーリズムような文化のある観光体験と日本酒の価値向上を目指しています。

左:八代目蔵元の水野直人社長 右:醸造部部長で杜氏の畑山浩氏
福井の希少な石「笏谷石」(通称:青石)を使用した厳かな空間ながらも地元の木の温もりを感じる空間です。
「臥龍房」や「地下蔵」では歴史ある地元の古民家の柱を使用しています。福井県では木造の建物を大切にするそうですよ。


②「酒樂棟(しゅらくとう)」のレストランとショップ

2階にショップとパティスリー(菓子店)を併設したレストランがある酒楽棟は、スタイリッシュなガラス張りで、まるで現代美術館のような建物。

ほんとに至る所に美術作品や工芸品があるんです!


 ■Apero&Patisserie acoya(アペロ&パティスリー アコヤ)

福井をはじめとした北陸がコンセプトのフレンチベース創作料理のモーニングやランチを楽しめるレストランです。

そして名前の通り「Apero」=アペリティフや軽くおつまみと飲むことや、「Patisserie」=酒粕や梅酒を使用したスイーツがいただけたり購入することが出来る2つのエリアがあります。


乾杯はこちらで。
スパークリング日本酒「ESHIKOTO AWA 2019 Exrta Dry」

先ほど「臥龍棟」の中の貯蔵庫「臥龍房」を案内された後だと、15か月と言う熟成期間からの眠りから覚めてご対面した気分になりました。
やはりスパークリングというのはワインにしろ、日本酒にしろ立ち上る泡を見たりその食感にワクワクするものです。


実は気取った高級フレンチとのペアリングコースみたいのを勝手に想像していたのですが、お料理はフランスの郷土料理をベースに、地元永平寺の精進料理にちなんだお膳立てで構成されていました。


食材と調味料、そして越前焼きや越前漆器などの食器にまで福井産を使用していて、至る所に温かみと発見があります。

個人的に、優しい味わいとしっかりとした旨味がとっても気に入りました。
手にすることのできる工芸品の食器などを使用できるのがとても嬉しく、実際に手触りや唇に触れる感覚を体験できるところがすごく良かったです!

目の前の九頭竜川などの自然に癒されながら食事を楽しめます。最高でしょ?
地元のフレッシュでミネラリーなベビーリーフとクレソン、食用花のシンプルなサラダ。どんぶり大盛で食べたいくらいおいしかった!醤油かすパウダーと白板昆布を甘酢で炊いたソースと。
福井の郷土料理の魚の発酵食品「へしこ」がアクセントの、福井の打ち豆が入ったフランスの田舎風の煮込みの「ガルビュール」
へしこのアラと糠のお出汁とお野菜の優しい旨味たっぷりで旅先でほっと癒される味わい!
黒龍吟醸の酒粕を食べて育った「黒龍吟醸豚」のバラ肉と永平寺町産五領玉葱のシェリービネガー煮込み。奥の春巻きにも具だくさん野菜と「黒龍吟醸豚」の豚足の耳も。
お酒もう1杯飲みたくなりました。。。
黒龍酒造の酒粕から種をおこした粗挽きの蕎麦粉を使った自家製カンパーニュは香りも高くしっかりとした味わい。パティスリーだけでなくベーカリーもあればいいのに!と思うくらい気に入りました。
梅酒に使われる県産「黄金の梅」を使ったパウンドケーキ「ESHIKOTO 黄金梅酒」。
酒粕や梅酒の梅を使用することでフードロスをなくすためのSDGsの取組みもあります。


 ■石田屋ESHIKOTO店

同じ酒樂棟2階のレストラン向いにある黒龍酒造の商品と地元の伝統工芸品を扱うショップです。

入手困難な高級酒がずらり!特に入手困難銘柄な「石田屋」「二左衛門(にざえもん)」「しずく」「八十八号」は”黒龍限定四天王酒”としてスーパープレミアムで憧れの銘柄となってます!


テイスティングスペースもあり、ここでしか購入することができない特別なお酒も取扱います。


 ■地下蔵

臥龍棟とは別に、これまた非公開のアーチ型をしたトンネルのような地下蔵では10万本の酒が貯蔵可能もあります。

やはり黒龍さんっていうときちんと管理された綺麗な味わいの長期熟成の日本酒ですね。



③福井の「えしこと=良いこと」発信の場

 ■さまざまなアーティストやクリエーターの関わり

施設内を歩いているとたくさんの美術作品や工芸品を見ることが出来るのでまるで美術館に来たような気分になります。

地元の木や古民家の古材。そして福井で採石される、水に濡れると深い青色に変化す希少な笏谷石(しゃくだにいし)もふんだんに使用されています。

レストランのメインのテーブルには県産の杉の一枚板を贅沢に使用していますし、壁には越前和紙を取り入れた空間となっています。

ショップには越前箪笥、地元のアーティストの伝統工芸品が展示されているギャラリーとしての役割も兼ね備えています。



料理人やパティシエ、ソムリエをはじめとしたスタッフの中にはUターンで都心から戻ったことでより福井の良さに気付いたとお話を聞かせて頂きました。

福井の職人やアーティスト、そして料理人などの様々なクリエイティブな発想と、地元を想う心と伝統が混ざり合うエネルギーも感じ取れました。

女優であり陶芸家である結城美栄子さんの龍や火の精、水の精の作品は臥龍棟やレストランやショップだけでなくちょっとしたところにもひょっこりいるのでぜひ探して頂きたい!
越前箪笥
地元の職人の酒器や食器
地元の工芸品
贅沢に使用した壁の越前和紙が温かみがあります。


 ■伝統を継承し発展させる場として

都心から離れた静かな里山の一角にいると、本当に素晴らしい自然を感じることが出来ます。


施設も目の前を流れる川を見ていると、思い出したのは「方丈記」の冒頭

【ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。】

変わるものと変わらないもの、そして守るもの。
伝統や自然の姿。

シックでモダンな雰囲気でありながら、この自然と調和するように建設されたESHIKOTOの施設。

大切に守っていく伝統文化と同時に、革新的に日本酒の魅力を世界に向けて牽引する存在でもある黒龍酒造の姿と重なります。

そうそう、変わるものと言えば!
1804年の創業からちょうど220年となる2024年が北陸新幹線が福井県敦賀まで延長になることで、これから北陸エリアは注目すべき観光エリアになります!

現在ESHIKOTOは約3万坪の広大な敷地のうちまだ1/3が開発したばかりの壮大なプロジェクト!
今後はオーベルジュや蒸留所や醸造ラボなども計画しているそう!

2年後にちょうど創業220周年を迎えて北陸新幹線が開通!
海外にもファンが多い黒龍の日本酒ですが、観光化が進むことによって日本酒をあまり飲んだことがないもっとたくさんの人にも、福井のESHIKOTO(えしこと=良いもの)を知ってもらうきっかけになりそうですね!

施設の目の前を流れる九頭竜川周辺は、春は桜、夏は鮎釣り、秋は紅葉、冬は雪景色と、それぞれの四季の美しい景観を楽しめるそうです。癒される。。。


 ■追記:臥龍とともに動き出したプロジェクト「ESHIKOTO」

この度、個人的に印象的だったのは「臥龍」という言葉

九頭竜川→黒龍→龍の繋がりくらいにしか思っていなかったのですが

「臥龍」と言うのは「天にものぼる勢いや能力をもちながら、じっと横になって寝ている龍のこと」「龍が臥(伏)せた状態」だそうです。

臥龍棟の貯蔵セラー「臥龍房」や地下セラーに眠るたくさんの日本酒たちはまるで眠れる獅子ならぬ、まさに「臥龍」

福井が世界に誇る壮大な一大プロジェクト「ESHIKOTO」も長い構想期間を経て少しずつ動き出したと感じました!


約10年の構想を経て国内外に福井の食や文化を発信していく拠点のESHIKOTO。
これからが楽しみですね!


Infomation

 20歳以下の入場、ペットを連れての入場は不可
 営業時間などは変更する場合もあるため事前にお問合せください。

■ESHIKOTO (えしこと)

福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17
公式サイト:https://eshikoto.com

■レストラン:Apero&Patisserie acoya(アペロ&パティスリー アコヤ)

福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17 酒楽棟2F-B
モーニング 8:00~11:00
ランチ 12:00~15:00
カフェ 15:00~18:00

■ショップ:石田屋ESHIKOTO店

福井県吉田郡永平寺町下浄法寺12-17 酒楽棟2F
0776-63-1030
10:00~17:00
水曜


■黒龍酒造株式会社

〒910-1133 福井県吉田郡永平寺町松岡春日1-38
https://www.kokuryu.co.jp/

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