離婚することにしました。23

離婚に向けての話し合いは当初順調であった。
当初だけ順調だった。

親権はどちらが持つか、養育費のために離婚協議書を作成することや
公正証書に盛り込む事項などを毎週末に二時間ほど話し合った。
ようやく建設的に話し合いが出来ますね!なんて、少し笑ったりしながら。

私が家を出ていくことや配偶者が親権を持つことなどが決まっていく過程までは本当に順調だった。

ふと、本当になんとなくなのであるが。
いざ離婚したあとに話し合わなかった事を後悔する事項がないかの確認のため、無料相談に行ってみた。
既に合意した内容を全て伝え、他に話し合うべき事項は漏れていませんか?
そう尋ねた時に相談員から言われた。
『財産分与はどうするんですか?』

私の結婚生活は財布がまるで別々だったし、マンションは配偶者所有で住宅ローン返済も配偶者がしている。
だから分け合える財産なんてありませんよ。
そう思っていたのだが。
婚姻後の購入マンションは、ローンを配偶者が負担していようが財産分与対象ですよと。
えーーー!?そうなの???
老後が不安だし、住む場所がなくなる私はお金があるならあった方が良いに決まっている。
相談員との話し合いが終わった直後に配偶者に電話し、財産分与のためにマンション査定をお願いした。

そこからだ。
話合いは遅々として進まなくなった。
今の日本は不動産価格が高騰しており、査定は当初の購入金額をはるかに上回っていた。
そして、超が付くほど真面目な配偶者は常に繰上返済を行っていたらしく、
ローン残高はかなり減っていた。
(マンション査定価格ーローン残高)÷2=財産分与額
かなりの金額を私に支払わなければならない。
配偶者がその事態を把握した時点で話し合いは出来なくなった。

財産分与金額が確定した、同じテーブルに着いて話し合った最後の時、
配偶者からかなり罵られた。
私は、財産分与できるとは思っていなかったことも伝えた。
独身になるからお金は合った方が良いから貰えるものはいただくよ、
申し訳ないけれど権利は主張するよ。
私がそう言うと、配偶者は
「法律関係の仕事をしているんだから知らなかったと今さら嘘つかれても」
「大体最初にマンションに住み続けていいと言ったのはそっちじゃないか」
「ローンせっせと返済してきたのに何てことしやがる」
何分間か引きつった顔でひどいことを他にも散々言われたが、忘れた。

相手から見たらひどい女かもしれない。
離婚したいと言い出して財産分与も要求してきて、なんだコイツなのだから。
あーでも、夫婦関係再建に向けて何も動かなかったじゃんお前さんよ。
喚かれてもねぇ。
喚く配偶者をとにかく面倒な奴だなーと思ったので、文章を綴りながら一生懸命に頭を回転させても苦笑いしていたことだけの記憶。

心が離れてしまうと相手が発する言葉は空を切り、なんにも入ってこなかった。
もはや、相手に対して何の感情もないことがただただ実感できただけだった。

離婚協議書の記載内容は全て合意したため、そこからは配偶者を見ていない。
メールで書面確認のやり取りのみとなった。
家では会わないようにし、新たに住む場所も確保し引っ越した。




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