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チュルンチュルンの真っ白な世界と、誰かの足跡

先日facebookで、胎児の大脳皮質の写真を見かけた。
https://m.facebook.com/kenhubcom/posts/1832797710142275

大きさからして、まだ20週くらいだろうか。

チュルンチュルンの、真っ白な世界!

胎児のうちから五感は発達し、ここからどんどん灰白質のシワは増えてくる。


生まれてから、大人になってから、そして老いていく間に、脳はどんな発達をたどるのだろう。

わたしたちは何かを学ぼうとするが、
同じくらい大切なのは、忘れることだ。


どれだけ何を学んでも、セッションの前はいつも、真っ白な新雪のように頭を忘れさせる。

この「忘れさせる」ができるようになったのは、氣功術で得た収穫。

課題を持たず、前知識に引っ張られず、
できればこの脳のように、なんの汚れもない状態で。

しかし、真っ白というのは、毎回、どんな人に会っても途方に暮れるものだ。

特定の知識や技術や経験則や熟練の技で勝負できる人の、確かそうな態度が羨ましい時もある。
もしかしたら、わたしもそのように振舞っているように見えるかもしれない。

しかしそれはフェイクで、実のところ頭の中は、いつも真っ白。

今日、お客さまとこんなやりとりがあった。

「ずいぶん、体の緊張が抜けましたね」

「はい、ほんとに、おかげさまで」

「セッションのおかげかどうかは知らないですけど」

「そこはセッションのおかげって言っといてください、せっかくここの通ってるのに」

万事こんな具合なので、「頭を忘れさせる」というのは、まあ、人がいいというか、阿呆なのだろう。

けれど、確実に刻まれていく、足跡がある。

それは、人々の成長の足跡。

知り合った頃はまだ小学生だった男の子が、「大学に受かった」とお母さまからご連絡を受けた。

ひよひよの中学生だった女の子は、すっかり美人さんになり、難しい試験に受かって、業界最大手から内定をもらったと、LINEをくれた。

結婚した、
子供ができた、
仕事やめた、
旅行した、
別れた、
仕事変えた、

いろいろ、いろいろ。

他にも、
ストレス、
病気、
トラブル、

いろいろ、いろいろ。


足跡が、刻まれていく。

あえて忘れた状態をつくる、この仕事の流儀の不確かさ。

報われないなあと思うこともあるけれど、誰かの足跡が刻まれていくなら、毎回、真っ白な新雪でいるのも、悪くないかなあと思う。

さて、夕暮れからのセッション。真っ白をつくる時間。


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