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ゾウリムシになってプールで泳ぐ - 脳と体について思う

▼モンステラらしいフォルムが消えて、「ひょろちゃん」と呼ばれている我が家のモンステラ。晴天だった昨日の朝、12年ぶりに植え替えと切り戻しをした。
生きて。ひょろちゃん。

▼雨の金曜、ランチは鍋を仕込む。ひとり鍋だけど料亭仕様。

▼コロナで休んでいたプール、再開してからは週3のペースで通って30分だけ休まず泳ぐ。
その時に思い出しているのは、ゾウリムシ。

単細胞生物のゾウリムシは、1つのシナプスも持ち合わせていないにもかかわらず、優雅に泳ぎ、天敵を避け、餌を見つけ、パートナーを探して交尾をする。
原生生物がこのように複雑な行動をすることについてC.S.シェリントンは、「神経と呼べるものは影も形もないが、細胞という枠組みの中には細胞骨格がある」と言っている。
原生生物の細胞骨格がそれほど活躍しているなら、ニューロンの中にびっしりと並んだ細胞骨格はどれほどの働きをしているのだろうか。ニューロンは原生生物よりも無能なのだろうか。
(ハマーロフを引用したジェームズ・オシュマン『エネルギー療法と潜在能力』より)

▼動きや代謝、コミュニケーション、生殖といった営みは、脳脊髄系よりも、より原生生物的な部分に、本来はひもづいているのだろう。
脳脊髄系は、後からやってきて管理をかって出た支配者のようなものだ。

脳という知的な活動をする肉体を過大評価し、心や精神、または随意運動をコントロールさせようととし過ぎた結果、体の原始的な働きも、脳の潜在的な能力も、逆に置き去りにしてきた期間が長いのではないだろうか。

▼ニューロパチーとは末梢神経障害で、しびれや痛み、麻痺が起こる。
筋力の低下や萎縮、感覚の過敏や鈍麻、手足の位置関係がわからなくなったり、バランスを崩したり。
自律神経系では、めまい、立ちくらみ、排尿トラブル、発汗異常、消化器異常、生殖機能異常などが起こる。

原因は、機械的な神経圧迫、代謝、感染、血管炎症(アレルギー)、尿毒症、鉛や水銀中毒、ヒ素、かっけ、腫瘍、遺伝。
末端の四肢、指や手首には慢性症状が出やすい。

原因不明の神経障害について、病理では、神経炎や神経細胞の変性を引き起こすたんぱく質を同定して対策を練るのかもしれない。
けれども、ゾウリムシになってプールで泳いでみると、知性だけでは窮屈で、水の中でゴボゴボと沈んでいく気持ちがする。
世界中の科学者がどれほど詳細にたんぱく質を突き止めたとしても、肉体、心、精神の再構築や、自分の動き、働き、心の営み、力の源泉がどこからくるのかを、一人ひとりが突き止めないかぎり、脳と体のボタンは掛け違えたままだろう。

脳は、支配者ではなく、あらゆるホログラムを映せるとてつもないプロジェクターのように扱ってあげたい。

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