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日々の息継ぎ(詩集)

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眠りにつくための、毎日の詩作
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#写真

我が名は愚者

我が名は愚者 以後、お見知りおきを 愚者の振りをした賢者などと 買いかぶってはいけません …

神深き夜に

神深き夜に さまよう 君を探しに 見つけた 絶望に似た 朝焼けに 一羽の鳥を いつから羽ばた…

2

緑の創傷

森をさまよう 革張りのシート のめり込む創傷 緑色をしている 曇り空のシャツを着せる 焦げ付…

4

青い朝

朝の光は青すぎて 駆け出す新聞屋の車輪まで それを見逃せば 風に乗り遅れる 二度寝する目覚…

4

さぼてんの写真

さぼてんの写真がある 50mm, f1.8のレンズで撮ったのだろう 一点にだけピントが合って まわり…

3

われわれは家畜である

われわれは家畜である かつて誰にも飼われず 自由に暮らしていた先祖は あるとき安定した食糧…

2

同時にいること

遠い国の言葉の通じない友達のことを思う 僕らは同時にいる 気温も天気も違ってはいるが それはどうにかこうにかつながっていて 僕らは同時にいる 遠い国のまだ会ったことのない恋人のことを思う 僕らは同時にいる 過去にはお互い色々な人と付き合ったが これから何が二人を結びつけるのか分からないが 僕らは同時にいる 遠い国の仮想敵国の住民のことを思う 僕らは同時にいる いつかは奴らが攻めてくるとこちらは思い 挑発しているのはどちらだとあちらは言うが 僕らは同時にいる 僕らは同時に