見出し画像

不動産ライターの、のりべぇ。第29回です。

住宅設備の中で一番お世話になってるのって…

やっぱりトイレ、ですよね?

 前回にも予告した通りなので、今更ではありますが、住宅設備の中で一番使用回数が多いのは、おそらくトイレ。まあ、外出が多いという方であっても、朝晩最低でも2回はお使いになりませんか?ということで今回は、一番お世話になっている、トイレのお話をさせていただきます。

まあほぼ洋式便器だよね〜。

 もちろん、「うちは和式じゃないとダメだから」という理由で選ばれるケースも、ないわけじゃありません。しかし、マンションや建売住宅の場合、ほぼ100%洋式の便器を採用しています。これは普及率の問題もさることながら、幅広い世代(特にお年寄り)にやさしい形状であるという点、そして意外にも、洋式の方が水の消費量が少ないという点が挙げられます。さらに近年ではシャワートイレの普及率も上昇中で、おしりにやさしいのは洋式トイレ、ということになります。

単に洋式と語るなかれ。それにも種類があるのよ〜。

 実は、主に便器のみという、シンプルな形状の和式トイレ(注)とは異なり、洋式トイレはいくつかの種類に分けることができます。また、大きく3つのパーツに分かれています。
(注)和式トイレの中にも、直接水栓とつながれている場合と、上部にタンクを備え、重力で水を落とす(というか流す)仕組みのものがありますので、便器のみとは言い難いケースもあります
 まずは便器。次に便座。そしてタンク。洋式トイレに関してはこれら3つのパーツがあります。そしてこれらの組み合わせで、洋式トイレに種類が存在するわけです。
 1. タンク式トイレ・組み合わせ型
  その名の通り、タンク・便器・便座が組み合わされたトイレです。メリットは、それぞれのパーツごとに交換ができる点。比較的価格も安く、マンションや一戸建ての2階用トイレに使われることが多いタイプです。
  ただ、デメリットもあり、お掃除がやや面倒、タンクに水が溜まらないと流せないという点が挙げられます。
 2. タンク式トイレ・一体型
  これもその名の通り、タンク・便器・便座があらかじめ一体化されたトイレです。組み合わせ型と比べ、すっきりしたデザインで見た目も良く、凹凸が少ないのでお掃除が楽というメリットがあります。比較的価格も安価です。
  代わりに、タンク・便器のどちらかが壊れた際、両方とも交換しなければならないのは経済的ではありません。また、組み合わせ型同様、タンクに水が溜まらないと流せないという点もデメリットです。
 3. タンクレストイレ
  最近増えているのがこのタイプ。タンクがない分、室内がスッキリとした印象になります。タンクって意外と圧迫感がありますよね。また、便器と便座のみで構成されていますから、お掃除が楽々。これは実際にお掃除をすればわかります。
 その代わり、複雑な構造のために高価である点、電気の力で水を流すため、停電時には手動で流す必要がある、水圧の低いエリア・高さでは使えないなど、まだ課題も少なくないトイレです。
 4. 収納一体型トイレ(システムトイレ)
  タンクレストイレは高価だけど、すっきりしたデザインがいい、という場合はこのシステムトイレを導入するのも一つの手段です。
  タンクは収納スペースに格納され、左右に収納を設けることで、トイレのお掃除グッズなどを収められて衛生的。トイレブラシやラバーカップが端っこに置かれたトイレは衛生面だけでなく、見た目も良くありませんよね。
  ただし、タンクレスというわけではありませんし、タンクを隠すためのスペースを確保するという意味で、トイレのスペースが広めである必要があります。また、一体型に近い構造のモデルもあり、故障時にコスト高になることもあります。

 また、上記分類では触れていませんが、タンク式の場合、手洗いの有無を選ぶことができる一方、タンクレストイレの場合は手洗いを別途設置する必要があります。

トイレ汚れの元凶、それは男性諸氏にあった!?

 これは体の構造上、やむを得ないと言ったら女性に怒られそうです。「それなら男の人も座って用を足せばいいじゃない!」ってね。
 トイレ洗剤や消臭剤のコマーシャルでもお馴染みですが、トイレの臭いの原因は主に「尿はね」。まあ、地球に重力が存在する以上、高いところから落とせばはねるわけです。
 この対策は主に3つ。トイレの壁、床を常に清潔にする。男性も腰掛けて用を足す(実はこういう男性、増えています)。そして男性用小便器を別途設置する。まあ、3つ目はその設置が大変ですから(特にマンションでは難しいだろうなぁ)、ぜひ家族会議で対策を考えましょう(笑)。
 おっと!実は4つ目の方法があるんですよ。便器の水面上に泡を張り、尿はねを抑えるというトイレがありまして、それに買い替えるという方法があります。パナソニック製のアラウーノシリーズに今回のタイプがありますので、どうしても尿はねが〜!と気になる方、ご検討のほど…。

全世界が感動した!洗浄便座のお話。

 何を今更な話ではありますが、私は苦手な洗浄便座のお話もしておきましょう(どうもお尻が濡れるというのが慣れず…)。
 いわゆる「お尻を洗ってくれる便座」ですが、ウォシュレットと書けるのはTOTO製のみ。その他の会社の製品は「シャワートイレ」とか「洗浄便座」などと書かねばなりません(他社製品の中でも独自に商品名をつけているケースもあります)。
 また、トイレの種類のところではあまり触れていませんが、便座を容易に交換できるタイプと、一体になっている交換不能なタイプがあるため、注意しましょう。もちろん便座のみ交換可能な製品もあり、外国人旅行客がホテルで使用した洗浄便座に感動し、帰国前、電気店でツーリストモデルを買って帰るケースがあるそうな(ツーリストモデルは、家電量販店の外国人向けコーナーで扱っている、現地の電圧でも使える家電製品のこと)。まぁ、交換可能ではありますが、当然水栓工事が必要になりますので、基本的には業者さんにお願いしてくださいね。

和式トイレに罪はない!むしろ…。

 今は少数派となった和式トイレですが、掃除がしやすいというメリットにとどまりません。排便時の姿勢が、実はお腹にとってよい(排便を促しやすい)んだそうです。特に日本人には腸の構造上、いいのだとか。今回調べてみて意外な話を見つけました。
 また、足の筋肉を、否が応でも鍛えられる(早い話が、排便のたびにスクワットを強いられる)というのもメリットなんだそうな。まあ、いわゆるヤンキー座りのできない人、増えてるらしいですから(私もその1人)。
 ただ、痔になりやすい、転倒の危険があるなど、前述の通り、特にお年寄りには優しくないトイレとも言えますので、お年寄りがいる家庭ではリフォームを検討される必要があるかもしれません。

トイレの話って本当に奥が深いんですよ。

 今回、またも文字数が膨大になるため、これでも減らしました(爆)。なので、「アノ話が書いてない!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。何卒ご容赦のほど…。
 さて、水回りの話まで終わりましたので、次はどんな住宅設備の話をご紹介しようかなぁ…って思ったんですが、このところ住宅設備の話が多かったので、少し違った話題にも触れようと思います。ということで、次回もお楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?