見出し画像

不動産ライターの、のりべぇ。第25回です。

もはや「ぶち抜き」とはいえないけど、企画第2弾、まだまだ進行中です!

本当にごめんなさい!3月真ん中まで、特に忙しいの…

 年度末だから、というわけではありませんが、3月中旬まで物理的に時間が取れず、途切れ途切れにお送りいたします。引き続きお楽しみいただければ幸いです。

今回は、「一戸建ての選び方、建物編〜設備のお話その1」

 住宅設備といえば、皆様は何を思い出されますか?大抵の方は水回りを連想されるのではないでしょうか?この「不動産ライターの…」の第5回第6回でも、水栓についてお話をさせていただきました。
 今回は一戸建ての選び方という、大きなテーマに沿ったお話になりますので、以前書かせていただいたものとは多少異なった視点で進めさせていただきます。

その1は「キッチン」のお話です。

 設備のお話は「少し細かく刻んで」いこうと思います。水回りで一括りしても良かったのですが、意外とキッチンを取り上げるだけでも奥が深〜い(笑)。わかっていたこととはいえ、書けば書くほど、ボリュームが増えそうな気がします。覚悟の上でお話を進めて参ります。

まずは、キッチンを「分解」してみます。

 いや、本当に分解するわけじゃないんですけどね(笑)。ですが、キッチンをいくつかのパーツに「分解して」みます。
 
 ・コンロ
 ・シンク
 ・水栓
 ・収納
 ・食器洗い乾燥機
 ・その他(ディスポーザなど)

 ざっとこんな感じかと思います。最近では「システムキッチン」と呼ばれることが多いのですが、これはコンロ(ガス台)とシンクが一緒になっていることが由来の一つと考えて差し支えないと思います。実際、海外のキッチンを見ますと、コンロ(大きなオーブンもついているアレ)は別になっていることがあります。洋画を見るとよく出てきますよね。日本の建物でも、ビルトイン式コンロが一般に普及する前は、賃貸住宅でなくてもガス台を買い、決められたスペースに設置していました。
 最近では分譲タイプの一戸建て・マンション双方に「システムキッチン」が導入されています。一部単身者向けマンションではビルトイン式コンロの数が2ツ口という場合もありますが、基本的には3ツ口コンロと呼ばれるタイプが設置されています。また、ガス台だけでなく、IH(電磁誘導加熱、Induction Heating)調理器を設置しているケースもありますが、ここでは「コンロ」として一緒に扱わせていただこうと思います。

キッチンを分解してみたら…「コンロ編」

 前述の通り、ビルトイン式ガスコンロ、ビルトイン式IHクッキングヒーターについてここではお話しさせていただきます。
 注文住宅やマンションのセレクトプランでない限り、ガスか電気かという選択は難しいのですが、結論を先に申し上げますと、どちらがいい・悪いということはありません。それぞれに特徴があり、弱点もあるからです。
 しかし、どちらにも言えることは、「キッチン本体より先に買い替えタイミングが来る」ということ。標準的な使い方であれば、個体差もありますが、概ね10年から15年くらいで買い替えとなるようです。買い替え目安は、ガスであれば炎の色が黄色くなってきた頃(いわゆる不完全燃焼の始まり)。IHであれば、火力に相当する加熱の力が弱まった頃です(お湯を沸かす際、以前より時間がかかるな、と思ったらこれに該当する可能性があります)。IHについてもう一つお話ししますと、保守部品の提供が生産終了後10年程度といわれ、保守部品がなくなることで買い替え、というケースも多いそうです。

 次に、ガスからIH(電気)、あるいはIH(電気)からガスへの変更ですが、これは一戸建てであっても大掛かりな工事が必要となる場合があります。前者のケースはよく見かけるのですが、IHクッキングヒーターは200V電源なので、専用の工事が必要となります。逆に、IHからガスとなりますと、配管の必要がありますし、そもそもオール電化住宅の場合、建物への配管から始めなければなりません。乱暴な言い方で申し訳ありませんが、あまり現実的とはいえません(例外的に、プロパンガスの場合、キッチン近くにガス容器(ガスボンベ)を設置すれば比較的容易に変更できますが…)。

 さて、使用期間がだいたい10年から15年と申し上げたコンロですが、不調が生じたら、できる限りお早めの買い替えをお勧めします。ガスコンロの場合、一酸化炭素中毒の危険があり、IHの場合、保守部品がなくなる恐れがあるからです。別にメーカーの回し者ではありませんが、火災の原因として上位に挙げられる設備のため、消耗品とまで言わないまでも、寿命はほぼ、「干支一周分」くらいにお考えいただければ安心です。

キッチンを分解してみたら…「シンク・水栓編」

 シンク、つまり流し台ですが、大きく分けて「ステンレス」「人造大理石」に分かれます(注)。これもまた、それぞれに長所と短所があります。
(注)上記以外にも、天然水晶(石英)と樹脂を圧縮して作られる「クォーツシンク」や「ホーローシンク」などもありますが、これらは割愛します。

 ステンレスシンクの場合、錆びにくく熱に強い、臭いが残りにくいなど、ステンレスの特徴を活かしたシンクではありますが、「もらいサビ」と呼ばれる、他の鉄製品の錆が付着し、それが原因で腐食してしまうということがありますので注意が必要です。また、薄い板であるため、水の音が気になる方にはあまり好まれないかと思います(最近では静音タイプのステンレスシンクもありますけどね)。
 人造大理石シンクの場合、無塗装金属のステンレスに対し、シンクのカラーが選べ、特に白色シンクの場合であれば水垢が気にならないというメリットがあります。ただ、熱や使い続ける(経年変化)ことで変色するため、見た目を気にする方は変色が交換のタイミングとなります。
 基本的にシンクはキッチンと同じタイミングでの交換が多いです。と申しますのも、シンクを交換できるキッチンとできないキッチンが存在するためです。近年は継ぎ目のほとんどない「シームレス」タイプのキッチンが増えていますので、シンク交換はほぼイコールでキッチン交換と言っても言い過ぎではないと思います。どうしてもシンクが気になるなぁ…となったら、思い切ってキッチンの交換をご検討される必要があるかもしれません。
 そのキッチンの交換ですが、交換される際に、ぜひ合わせてご検討いただきたいことがあります。それは、キッチンの高さ。注文住宅やマンションのセレクトプランでは、キッチンの高さを選べるというケースがあります。最近では男性がキッチンに立つことも多く、また身長の高い女性も増えていることが理由ですが、お住まいの方で不便だとお感じなのが、「キッチンが低い、あるいは高い」という問題。施工会社さんもメーカーさんも、日本人の平均身長を元に、キッチンの高さ(この場合、主にワークトップと呼ばれる天板の高さ)を割り出してはいるのですが、思い切って交換!と決められた際は、ぜひ最も使いやすい高さを計測し、調整してみるのをお勧めします。

 次に水栓ですが、最近の主流は、ビルトイン浄水器付シングルレバーシャワー水栓と呼ばれるもの。言葉を分解して説明しますと、
 ビルトイン浄水器付:水が出てくる所の近くに、筒状の浄水器をセットできる機能
 シングルレバー:水・お湯の出し締めから、その混合割合、吐水量の調節が1本のレバーで可能な機能
 シャワー水栓:切り替えスイッチでストレート・シャワーの吐水切り替えができる機能
 というわけです。ふぅ〜(笑)。
 水栓は本当に使い方次第ではありますが、10年も使えば次第に漏水が始まります。使っているとシンクに少しずつ漏れ出てきます。そうなったら交換をお勧めします。水栓はあまり高価なものではありません(以前お話しした、グローエなどは別ですよ)ので、できればお早めの交換を。ただし、一部例外がありますので、工事業者さんとご相談の上、交換してくださいね。

とはいえ、分譲住宅の場合は「選択不可能」なんですけどね…

 いわゆる建売住宅の場合、すでに設置されているキッチンをわざわざ交換することはないと思います。そのため、キッチンが家を選ぶ要素とはなりにくいのが本音です。ただ、複数の候補がある場合には、選ぶ基準の一つにはなり得ると思います。また、住宅の寿命に対し、キッチンの寿命のほうが短く、さらにガス機器などはさらに交換サイクルは短いです。住宅購入時には妥協した、という場合であれば、ご予算を確保し、思い切って早めに交換、というのも一つかもしれません。その際はぜひ、施工会社、ご家族でのご相談をしてみてくださいね。

あと「残り半分」は、次回に…

 ほらね、結構なボリュームになったでしょ?これでも結構端折ってるんですけどね(笑)。さらにまだキッチンの話だけでも半分残ってるし…。ということで、続きは次回に。なるべく早めに配信できるようにしますので、乞うご期待!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?