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不動産ライターの、のりべぇ。第12回です。

「転居シーズン間近!集中企画!甘口系・賃貸物件の選び方」(4回目だよ〜ん)

今週はぶち抜き企画が進行中。今日のお題は…?

 どうも。王様のブランチ(TBS系列、毎週土曜日放映)の賃貸コーナーの賃料クイズを一度も当てたことがありません。ですが不動産ライターやってます、のりべぇです(笑)。
 賃貸物件の選び方もいよいよ第4回。明日でおしまいにしようと思います。あっ、繰り返しで恐縮ですが、「のりべぇの言う通りに選んだけど、全然いい物件じゃなかったぞ!」というのだけはどうかご勘弁を。あくまでも選択権は皆様にありますので、ここでのお話は、本当にご参考程度で…。
 でもって、今日はいよいよ建物に関するお話。と申しましても、細々した部分まで書いちゃうと本当に長くなってしまうので、なんとか、適宜かいつまんでお話しさせていただきます。

いきなり結論から書いちゃいます。充実の設備・間取りが良ければ…

 ずばり「分譲タイプのマンションで貸し出されている部屋を探すべし」、です。これも多分、物件探しのサイトなどでは有名なお話。
 ですが、これはあくまでも「多少家賃が高くてもいいから、お部屋が広くて、水回りの設備が充実してないと絶対にイヤ!」という方限定。さすがに3ッ口コンロに食洗機、浄水器付きのシャワー水栓までついたコンロって、一人暮らしの方に必要?って話になるからです。でも、(借り物といっても)我が家での暮らしを重視したい、という方にオススメではあります。

賃貸物件向けの水回りは、やっぱりそれなりなんですよねぇ…

 これはやむを得ません。限られた室内空間を駆使し、ユニットバスやキッチンを入れますからね。お風呂・シャワー、トイレが一緒になったものや、1ッ口コンロが組み込まれたミニキッチンというのは、まさに賃貸向けの住宅設備です(ミニキッチンは小さなオフィスにも使われます)。
 そうしますと、入浴時に水しぶきで濡れてしまうのがイヤだということで、バス・トイレ別じゃないとダメという方もいると思います。一時期、トイレもついたユニットバスが普及したんですけど、最近ではバス・トイレ別の物件も増えています。実際、不動産サイトを見ますと、検索項目に「バス・トイレ別」ってありますよね。

流石にエアコン別という物件は少なくなってきましたが…

 特にワンルーム物件。あらかじめエアコンが設置されていることが多いので、入居時に取り付けるという手間がない分、便利かもしれません。ただ、これが案外とクセモノでして、古いエアコンなんてついている日には、電気代がバカ高、というトホホな結果になりかねません。内見の際、明らかに古そうなエアコンを発見した際は、不動産屋さんや家主さんとご相談ください。意外とかかりますよ、電気代。長めにお住まいになるつもりなら、自腹を切ってでも入れ替え、くらいの勢いで(本当に買うのか、あるいは替えるかどうかは必ずご相談の上で、ね)。
 ついでに申しますと、冷蔵庫もそうなんですよね。前述のミニキッチンには、コンロの下にミニ冷蔵庫が設置されている場合があります。これ、実は結構電気代がかかります(コンプレッサー式の場合。音がしない、ペルチェ素子式の場合は異なります)。もっとも、冷蔵庫と電気代の関係を比較しますと、ワンルームには明らかに設置困難な、400リットル超えのタイプが電気を消費しないんですが、これは極端な話にしても、冷蔵庫選びも、年間を通じて電気代のかかる家電製品ですから、特に新規で購入される方は、「年間電気代目安」をお調べいただくと有効です(家電量販店サイトで掲載されていることが多いです。メーカーサイトだと、消費電力量が表示されていて、面倒な計算をしなければ算出できません)。どれも、物件探しから考えると、些細なことかもしれませんが、家賃5万円のワンルームアパートなのに、電気代は1万円をはるかに超えた、なんていう悲しい話も決してレアなケースでではなくなっています。

あればうれしい「洗濯機置き場」。でも、稼働日数との相談。

 私が住んでいたワンルームマンションは、洗濯機置き場がない代わりに、入居者専用のコインランドリーがありました。そのため、洗濯を週1回にまとめ、洗濯・乾燥を行っていました。当時は営業職で、毎日洗濯する時間などなく、結果、週1回だったと記憶しています。
 工場勤務や飲食店勤務の方で、毎日洗濯物が出る、という方は別として、いわゆるサラリーマンの方で、とりわけ一人暮らしの方であれば、ある程度まとめてするのが洗濯。となりますと、せっかく洗濯機を買ったはいいけど、あまり出番がない、となれば、少々もったいない話になります。特に単身者向けの賃貸は、洗濯機の音が響きやすく、夜間・早朝は周囲への騒音が気になります。そう考えますと、近隣にコインランドリーがある場合に限ってですが、洗濯機を買わない、洗濯機置き場の有無にこだわらない、ということも可能となります。

いっそ「一戸建て」を借りてしまう、という奥の手も…

 近年、空き家問題がよく報道されます。特にかつて「ベッドタウン」と称された、大都市近郊の大規模団地がそれに相当します。集合住宅はまだしも、特に一戸建ての空き家が問題化されています。その解消策として、「代執行の見直し」による、行政判断の住居取り壊しも挙げられますが、せっかくのお家を活用しましょう、ということで、一戸建ての賃貸化も進んでいます。従来であれば家族向けとされていた一戸建て物件も、幾らか緩和され、条件が緩くなってきました。中には、若い単身者でも借りられる物件が増えています。これは案外と「奥の手」です。
 設備は当然、分譲マンションタイプと同等か、それ以上(例えばキッチンの場合、マンションタイプより一戸建てタイプの方が全長を長く取れるタイプが多い、など)。浴室も広目が多く、なにより室内空間が広いのが特徴。さらには、敷地内に駐車場(屋外駐車が大半ですけどね)があり、駐車場代が賃料に含まれている場合が大半です。
 さらに、ご近所との「お約束」は必要でしょうが、友人を呼んでバーベキュー、なんて場合、一戸建てなら比較的やりやすいです(もう一回書きますけど、ご近所迷惑にならないようにしてくださいね〜)。
 メリットも結構ある代わり、家の周囲の掃除に始まり、敷地周りの草むしりや木のお手入れは借り主負担、ということもありますので、面倒くさがり屋さんはご注意を(笑)。また、分譲系(マンション・一戸建て)の賃貸物件にありがちなことですが、「エアコンと照明が入っていない(撤去しちゃった)」物件があり、これが結構痛い初期投資になります。内見の際、ご確認を。併せてご相談もお忘れなく。

小難しい話なので、最後にまとめて書きますと…(構造・階数のお話)

 賃貸物件は、木造から軽量鉄骨、鉄筋コンクリートまで、それぞれあります。重い構造を使っていれば、おのずと隣の部屋の騒音が漏れにくいだろうと思いきや、案外そうでもありません。最近では木造のアパートだとしても、壁材の品質が向上し、防音性に優れたものも出てきましたし、古いマンションだと、やや隣室騒音に難あり、ということもあります。私個人としては、あまり構造にこだわる必要はないかなぁ、と思ってはおりますが、ここはご希望の物件の築年数なども考慮してお選びいただくことをオススメします。
 構造に類似したお話ですが、うっかり、タウンハウスの話を書き忘れておりました。最近、タウンハウスってあまりないんですよね。少々乱暴な言い方ですが、「一戸建ての集合住宅」です。これはアパートに準じると解釈していただければと思います。
 次に階数ですが、1階の防犯性に難がありましたら、女性の一人暮らしはお控えください(少なくても1階限定の話)。具体的には、掃き出しサッシ(足元から天井付近まで高さのあるサッシ)が外から丸見えで容易に出入りできそうなケース、あるいは浴室の小窓を開けちゃうと、浴室内が見えちゃうようなケースです。郊外の物件にはこういうケースがまだあります。
 一方で、5階建まではエレベータの設置義務がありませんので、比較的低層の建物だから、といっても、5階建の4・5階でエレベータなしともなれば、ご高齢の方には上り下り自体が難儀です。もちろん、日常から鍛えたいという方は、賃料が割安な上に、しっかり足腰が鍛えられますよ〜(爆)。ちなみに、UR(独立行政法人都市再生機構)の古めの集合住宅は、5階建が多く、当然エレベータがありません(後付のケースは時々見受けられます)。そのため、家賃設定も5階<4階<3階<2階<1階となり、5階が一番安いです。体力に自信がある方には朗報です。

網羅しきれてないよなぁ。でも、この辺にしておきます。

 ほらね、結構長い文章になったでしょ?これでもまだ網羅しきれてないんですよね。でも、ここから先はどんどんマニアックな方向に行きそうなので、この辺にしときます(笑)。
 明日はもっとマニアックな方向に行くかも?マニア垂涎のネタ、っていうことはないんですが、ぜひ明日もお楽しみに!


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