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世界の「水素ブーム」とその実態

ほんの数年前まで、「水素」と言えば日本とドイツと米カリフォルニア州などの限られた地域で行われている燃料電池車(FCV)のための補助金プロジェクトの事を指していたが、今や世界中の政府が競うように水素戦略を打ち出す時代となった。まさに世界的な「水素ブーム」の様相を呈している。

そのきっかけでもあり、そして象徴でもあるのが、2020年7月に欧州委員会から発表された「欧州気候中立のための水素戦略」である。同戦略発表に前後して、韓国、オーストラリア、ドイツ、ノルウェー、フランス、スペイン、ロシア、南アフリカ、チリ、カナダ、など31カ国が国家レベルの水素戦略を発表した。そして、英国やサウジアラビアなど6カ国は、現在水素戦略の策定中である。因みに、日本は2017年に世界で初めて水素基本戦略を策定した国である。

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