空蝉

明け方、雷の音で目が覚めた。その後、ざ～と激しい雨の音。


きょうも雨かと溜息一つ！


雨の朝は体が重い。月曜日というのもある。
ぐっすり眠っている人を横目に
よっこらしょ！と起き上がり、朝ご飯の支度

食事の時くらい、少し会話が欲しいと思うのはわたしだけらしい。
夫は食卓に座ると、必ずテレビをつけるが、
なぜだがスマホばかりを見ている。
「テレビ観てないんなら消せば」と言うと、機嫌が悪い。
「聞いてるから、ちゃんと！」だと・・・

実をいうと、わたしは怖いのだ
テレビから急に鳴り響くあの緊急速報の音が・・・

今朝は大分県と福岡県に大雨の特別警報が出されている。
ここのところ、毎年のようにどこかの地域で何十年に１度の大雨が降る。
愛媛でも５年前、記録的な大雨でダムを一気に放流し、
河が氾濫し、下流の町は濁流にのみ込まれた。

この辺りの雨は、8時過ぎに止んだ。

洗濯はどうしようかなあと、外に出たとき
日よけシートにセミの抜け殻がをみつけた💛
昨日の夕方にはなかったから、昨夜か今朝羽化したのだろう
今年になってはじめての空蝉だ

メスなのか、雨が降って羽が濡れたのか、
一向に鳴き声はきこえない

幼いころ祖母から、昔の人の言い伝えをよく聞いたものだ。
「雷が鳴ってたくさん雨が降ったら、次の日梅雨が明ける」
「蝉が鳴いたら、梅雨明けの合図」等々・・・
その頃は、本当にそうだな～と納得していたけれど
半世紀経った今は違うんだよ！

もう何度も雷が鳴ってたくさん雨が降ったのに、
今朝蝉の抜け殻を見つけたのに、まだ梅雨明けには少しかかるみたい
そう言ったら、祖母は何と答えるだろう？
たぶん
「そりゃ～えらい時代になったもんよなあ」
と、眉を顰めるかもしれない。

作家灰谷健次郎さん言葉の中に
神様が、人間に授けてくれた記憶という宝物は、つまらんことを覚えるためにあるわけじゃない。自分につながった人間の魂を、いついつまでも覚えていて、その人を生かしておくためにある。死んだ人を生かし続けるのは、たぶん人間だけじゃろ。

読んだ頃はまだ若く、ピンと来なかったが、今なら良くわかる。
祖母が亡くなってもう35年も経つが、その魂は私の中にあり、時々思い出したように顔出す。

一旦止んだ雨が昼前からまた本降りになった
部屋干ししてあった洗濯ものを仕方なく乾燥機に入れた

梅雨が明ければ、
今日一番気温の高かった場所がニュースで流れるようになる
そのうだるような暑さの中で、
わたしは何を見つけるのだろう

#日記 #心が動いたこと #大雨特別警報 ＃もうすぐ梅雨明け