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【NAIST院試】文系から9割弱得点した話 面接内容・対策【バイオサイエンス】【合格体験記】

はじめに

初めまして。この記事では奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域に合格した経験を綴ります。当記事では面接内容・回答・対策方法などを書きます。
特にバイオサイエンス領域について詳細に書かれている記事があまりありませんでしたので、参考になれば幸いです。

筆者の成績・レベル

ど田舎地方国立大学教育学部出身
GPA 3.8/4.0 (半数以上は文系科目)
TOEIC 710
院試開示結果 176点/200点
学生寮優先権獲得・研究室優先配属権獲得
東京工業大学 生命理工学院 A日程合格
学部で2度学会発表を経験(NAIST合格の鍵)

面接前に

NAISTでは近年はオンラインでの面接が行われています。接続を確認するために面接時間の数十分前に入室するように指示があります。
確か助教の先生だったかと思いますが、フレンドリーに話して下さり、緊張がほぐれたことを覚えています。接続確認担当の先生の手元にも受験者の情報があるようで、なんと出身高校が同じでしたw 大変会話が弾んで、勉強内容まで弾んでどっか飛んでいきそうでした(汗)

面接試験内容

面接時間はおよそ25分程度だったかと思います。構成は予告通り冒頭数分で基礎知識の確認。次に3分間で研究内容の説明を述べたのち、卒論研究について質問攻めを食らいます。終盤数分で志望理由の確認です。マジで一瞬で終わりました。

1. 基礎知識

Essential細胞生物学の1章~10章と指定されていたと思いますが、1問目から範囲外からの出題で冷や汗かきました
Q1「あなたは実験でがん細胞を扱っていますが、細胞分裂について説明してください」
内心(微生物メインだし、知るかよ)
奇跡的に面接の前日に塾生と生物基礎の教科書を読んでいまして、ごまかしながら答えました。
A「G1, G2, S, M期があります」
日本語で言いたかったのですが、頭が混乱していたので思い出しながら適当に答えました。時間を稼いで正式名称と順番を思い出します。

面接官「それぞれ日本語に直して順番に並べられますか?」
はいキタ。なんとか順番通りに答えることができました。

続いて、細胞周期に関して、細胞周期をコントロールするメカニズムについて訊かれました。
G1チェックポイントやサイクリン依存性キナーゼ(CDK)と答えたかったのですが、何を血迷ったのか「カドヘリンです」、ってアホか。。。それ細胞結合やないかい!CDKの字面に引っ張られてクソみたいなミスをしました。不合格を確信しましたが、そのまま流されました。

このように、試験範囲外からも問われますので、研究のおまけ的な内容でもしっかり押さえておきましょう。

2. 研究内容

20問くらい問われたと思います。詳細な内容までは書きませんが、例えば
Q「イオン交換クロマトグラフィーをしていますが、原理はわかりますか?」
A「アミノ酸の電荷で分けています」
Q「電荷を持つアミノ酸を言えますか?」
20種類全てのアミノ酸の属性をつらつらと喋りました。。。多分2個くらい間違えた。

私はがん細胞を殺す微生物について研究していたのですが、それに関連して
面接官「それってLPSじゃないの?」
私「すみません存じません」
面接官「リポポリサッカライド(グラム陰性菌に多い)といって、細胞毒性があるんだよ」
私「私はグラム陽性菌を扱っているので、リポポリサッカライドというよりはペプチドグリカンが該当する可能性があります。しかし同種の近縁株を用いた実験では抗がん作用がありませんので、可能性は低いかと考えています。」
面接官「なるほど。」

といったように、関連した質問がつらつらと来る感じです。学会の質問対応のような感じで楽しかったです。研究内容は大変好評でした。

3. 面接終盤

ここでは志望理由が問われます。私の時は第一志望の研究室の先生が面接にいませんでしたので、専門外の先生にも伝わるように説明しなければなりません。
その分野に関連していくつか質問されます。
Q「miRNAはどのように作用するか知っていますか?」
A「miRNA遺伝子がpol Ⅱによって転写され、ヘアピンになって、その後Droshaによってステムループをもつpre-miRNAになり、Dicerによって1本鎖になり、AgoやRISCに取り込まれます、、、」
と流れを全て話します。面接官の先生は頷いていたように思います。

意外な質問もありました。
面接官「せっかく面白い研究なのに、なぜ今の大学を辞めてうちへ?」
私「直属のコースの院が廃止されたからです」
面接官「それは大変ですねぇ…」

と、このような感じで25分が一瞬で終わります。これだけでどうやって合否を左右するのか疑問でした。何なら合格発表の日はガチで体調崩しました(同日に東工大へ直行したけど)。

最初にも少し書きましたが、NAISTへの合格のカギは「学会発表をしておけ」です。面接というよりは質疑応答のイメージですので、予め質問を想定しておき、対策をして下さい。当然、自分が関わっていない研究背景や先行研究などまで把握する必要があります。面接官は、誰がその実験をしたのかはあまり興味がありません。

おわりに

NAISTには入試で成績優秀者となると様々な特典があります。
・全領域の上位50%が学生寮の優先入寮権
・各領域の上位50%が研究室優先配属権

補足ですが、仮に研究室配属権を得たとしても、この権利を持つ学生同士が同じ研究室内で重複するとややこしいです。合格後の面談でこの件について問い合わせましたが、後で個別にメールすると言われました。そして以下の回答を頂きました。

おそらく各受験生の点数がPIにも共有されているのだと思います。

さて、NAISTは他の大学より試験日が早いので、緊張し始める頃合いではないでしょうか。私はちょうど1年前はひたすら合格体験記を読み漁っていました。そんな経験がありましたので今回当ブログを執筆する運びとなりました。
上述したように別にべらぼうにTOEICが高いわけでもなければ、割とへんな回答もしています。しかしそれでも9割近く得点しました。大事なのは2番目の卒論研究です。

頑張ってください。

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