「猫を棄てる」感想文
もし、村上春樹が私よりずっと若い作家だったのなら、多分愛読者になってはいなかっただろう。同年代(学年は春樹氏は早生まれなので1年上)ということで、どのような内容、文章で書かれていても、きっと相通じるものはあるだろうと、思ってきた。年齢だけが同じでも、育った地域、学んだ内容、環境は悉く異なる処が、又魅力でもあった。そんな村上春樹としては久しぶりのエッセイを手にした。ある夏の日に、父と一緒に自転車に乗って孕んだ雌猫を棄てにいったところから、父との関係、父の物語が語られる。
導入