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お宅、殺し屋ですか?

 いつ、どこで自分の命を狙われても不思議じゃない。そんな世の中でマフィア『アルバトラズ』に所属するアスラはボスロマネは、敵組織『リベリオ』のボスのボジョレー暗殺を命じられる。
 警戒心の強いボジョレーは暗殺は毎回失敗。ロマネは伝説の殺し屋キラに依頼、アスラはコンビを組まされる。
 闇夜の中、ボジョレーのマンションの向かいのビルからアスラとキラは油断しきっているボジョレーを見ている。キラはライフルの銃口をボジョレーの眉間を狙う。
 突然キラのケータイからアニメソングが流れる。キラは電話に出るや否や、突然暗殺を中止して走り出す。アスラは必死にキラを追いかけると、着いた場所はオタクの聖地秋葉原。アスラはアニメグッズ店から袋いっぱいにグッズを抱えるキラを発見。暗殺中止の理由をキラに問いただすと、予約していたDVDが入荷したからと答えた。アスラはキラの正体を探るために奴の家を訪ねると、部屋には漫画やDVD、フィギュアが飾られていた。伝説の殺し屋キラは生粋のオタクであった。
 ボジョレー暗殺を行う日に限って、いつもキラのオタク行事と重なって機会を逃してしまう。痺れを切らしたロマネはアスラに明日には暗殺しろと、キラに最終通告するよに指示する。キラに伝えると大好きな声優のイベントがあるので無理と断られる。アスラは我慢の限界に達し、「仕事と声優、どっちが大事だ?」とキラに問いかける。キラは何の迷いもなく「声優」と答えてその場を後にする。
 キラの代わりにアスラが暗殺に向かうと、ボジョレーはマンションにいなかった。ボジョレーの足取りを追うと、なぜかアスラは秋葉原に辿り着いた。秋葉原では人気声優のイベントがやっているために大勢の人間が押し寄せ、ボジョレーの特定が出来ない。アスラはビルの屋上から捜索すると、声優イベントに来たオタクの中にキラとボジョレーが一緒に盛り上がっているのを発見。 
 アスラが最悪の状況に頭を悩ませていると、ボジョレーが人気声優を拉致しようとしていた。それを阻むように突然弾丸が飛び、ボジョレーの腕に命中。キラが銃を構えていた。負傷したボジョレーに近づき、額に銃口を向けたが「彼女のステージを血で染めることはできない」と告げて、その場を去った。
 キラの男気に惚れたボジョレーがうちのファミリーと同盟が結ぶことにより結果、二つのマフィアは一つになった。キラは報酬も受け取らずに風のように姿を消してしまった。
きっと、どこか……いや、秋葉原で声優を追いかけながら、闇夜からターゲットを狙っているに違いない。