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(論文初心者必見) 論文をサクッと感想文から学術的文章へ底上げする

■はじめに

当記事では、主に、大学・会社などで論文(卒論)を書くことになった際に、

そもそも、どうやって書いて良いのか分からな~い

という論文作成の初心者に対して、これまでの私の経験を踏まえて、ポイントをお伝えできればと思います。(なお、当記事は、適宜、表現の見直し・間違い発見や、より有益な情報追加などにより、都度、更新していく予定です)

私は、直近の10年、社会人学生という立場を通して、修論・博論に加え、学会への査読論文投稿、また、ゼミ生への卒業論文作成支援を実施してきました(現在も実施中)。

このように、長年、論文に向き合ってみて、ようやく、書き方のコツというかポイントが分かってきた感じです。(というくらい、私は時間が掛かってしまいました。そういう点では、要領が悪いのかもしれません。💦)

実際、卒論のレビューを通して、作文・感想文となっているものが多いと実感しているのですが、これでは、あまりにも将来的に不幸です。

そのため、キッチリ指導されている方(論文の書き方を理解されている方)は対象外となり、どちらかといえば、学部・修士において、これまで、あまり指導もされず、とりあえず思った事を書いてみた(修士でも、学会へ論文投稿をしていない方の場合、酷い文章を目にすることがあります)、という方を対象としています。

また、キッチリとは指導されてはいないけれど、まだ、時間がある3年生などに対しては、以下のお奨めの図書(そもそも、研究へのアプローチなどが言及されているものなど)などを参照されると良いでしょう。

■お奨め図書

■学術的文章にするためのポイント

それでは、さっそく、そのポイントを伝えていきたいと思います。

・求められるのは学術的文章です(作文ではありませんよ!)

改めて、卒論のレビューを通して、よく感じるのが、作文・感想文となっているものが多いということです。

参考サイト(名桜大学)の資料から引用すると、作文とは、以下のように言及されています。

自分自身の経験したことや感じたことを書く、出来事や感想が中心の文章

そして、論文(学術的文章)については、以下のように言及されています。

あるテーマに関して、問いを立て、それについて客観的根拠をもとに主張を展開し、最終的に問いに対して答える文章

(参考)https://www.meio-u.ac.jp/support/assets/academicwriting01.pdf

ということで、求められる論文(学術的文章)は、1)問いを立てる2)客観的根拠(データ)を示しながら、主張を行う3)最終的に問いに対して答える文章にする必要があります。とくに、主観的な観点(自身の体験・経験などから)での考察・主張ではなく、実験結果などの分析結果などの客観的な根拠・データに基づく考察・主張が必要になります。

重要なので、繰り返しますが、問いを立て、客観的根拠(データ)を示しながら、主張を行う、のが、求められる論文です。

・論文の流れを知る(意外と知らない? 王道の型は存在しますよ! )

とりあえず、書けば良いというのではなく、学術的文章には、しっかりとした型が存在しており、IMRAD形式+C が一般的です。
ざっくりとした流れは、以下の①〜④となります。

①序論(Introduction)⇒ ②材料と方法(Materials and Methods)⇒③結果と考察(Results and Discussion)⇒④結論(Conclusion)

したがって、これから書く方、とりあえず、書いてしまった方は、このような型に配置する(しなおす)ことで、論文として、より分かりやすくなり、自身の研究(論文)も、よりハッキリと浮かび上がってくるかと思います。

以下に、配置しなおす際のポイントを整理します。

①序論には、背景、問い・関連する先行研究、研究目的(今回明らかにしたい問い)を記載する。

②材料と方法には、には、使用するデータや方法(データをどのように調査・取得したのか、どのように実験したのかなど、だれでも再現できるように記載することがマナー)などを記載する。

③結果には、研究(調査・実験などの)結果のみを記載する。さらに、調査や実験で得られたデータから、

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