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奈良がスキ

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大好きな奈良に行きたくなる、知りたくなる、そして語りたくなる
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ピアノ de なら<柳本駅> はじまりの前奏曲

このたび、街角ピアノデビューしました。 大好きな地、奈良で。 「指の不調によりピアノは休眠中」のはずだったのに、なぜそんなことに?! ことの発端はたしか・・・ そう、4月に投稿した記事に寄せられた奈良友「kumokichi」さんからのコメント。 >やっぱりストリートピアノツアーやっちゃう? >まずは京終駅でデビューかしら? by kumokichiさん 奈良にはストリートピアノが設置されている駅があると知り、それもおもしろそうだなぁと思いながらも、でもまだ弾ける段階じ

奈良で写仏をしませんか?② 東大寺編

「茶粥茶論月日星」でランチを楽しんだあと、カイトノォトさんとふたりで向かった先は、THE・奈良の東大寺! この日のプランと道案内はすべてわたしに任せてもらっていたのですが、おしゃべりが楽しすぎて浮かれていたのか、右へ行くべきところを左へ進んでしまい、、、 あろうことか、南大門が見える正面参道に来てしまいました。 観光客と修学旅行生で、恐ろしいほどに混雑しています。 うわ、すごい人! どうします?ここ歩いていきます? とカイトさんに問われ、 ・・・無理です!ここは歩け

初夏の奈良を訪ねて④ 春日大社~木漏れ日ランチ

奈良旅3日目 きょうは、「大好きなnoterさんと会う」という重大イベントがあります。 とはいえ約束は11時。 時間はたっぷりあるので、 それまで春日大社をぐるっとお参りでもしてこようかな? せっかくだから、近ごろ再開された朝のお参り(朝拝)に参加しようかな? そう思っていたのですが。 居心地のよいホテルの部屋、朝日を浴びながらのんびり支度していると、 あれ?もうこんな時間? ・・・ まったく間に合いませんでした。 朝が苦手なわたしにはよくあること。 気を取り

初夏の奈良を訪ねて③ 奈良市写真美術館~春日若宮十五社めぐり

ウグイスの声が響く高畑町、 新薬師寺のお参りを終えてさてどうしようかと考える間もなく、自然と足が西方向に向かいました。 新薬師寺へ来たのなら、ここに寄らないわけにはいかない。 大好きな入江泰吉の写真が待っている! 奈良市写真美術館生涯、愛する奈良を撮りつづけた写真家・入江泰吉の作品を主に展示している美術館。訪れるのは2度目。 今回とくに事前リサーチはしていなかったけれど、ちょうど「塔のある風景」という展覧会が開催されていました。 この方の作品は本当に美しく、空気の質感

初夏の奈良を訪ねて② 志賀直哉旧居~新薬師寺

奈良市、春日大社の南に位置する高畑町は、かつて春日大社の神職や神社関係者が住まう「社家町」でした。現在もその名残で分厚い土塀が多く残り、風情ある街並みを堪能することができます。 ただ歩いているだけで、幸せ。 この日はさらに、可愛らしいウグイスの声も聞こえてきました。 きっと近くに住処があるのでしょう。 瑜伽神社からおよそ10分、 よく響く囀りを聴きながらご機嫌で歩いた先、お目当ての場所へ到着です。 志賀直哉旧居 言わずと知れた文豪・志賀直哉(1883-1971) こ

初夏の奈良を訪ねて① 奈良ホテル~瑜伽神社

當麻寺を後にして近鉄奈良駅へ着いたのは、夕方5時半近く。 写仏の余韻に浸ってぼーっとしていたのか、地上へ出て見るといつもと違う景色・・ あれれ? どうやら出口を間違えたみたい。 近鉄奈良駅の全体が見える。 でも、それがまた新鮮! いつもは外国人観光客でごった返している東向き商店街も、この時間なら空いていて自分のペースで歩けます。そうそう、ひと昔前の奈良はこういう感じだった。 そのままもちいどのセンター街へ進み、閉店間際のお店で少しだけお買いもの。 このお店は半年前

奈良で写仏をしませんか?① 當麻寺編

奈良へ行って参りました。 「好きなことに集中するために、noteをしばらくお休みします」 と宣言して取り組んでいたことは、奈良でした! お付き合いが長い方はよくご存じかと思いますが、 わたし、奈良が大好きなんです。 ちょっとしたマニアレベルの自覚があります。 年に2度は行かないと、エネルギーが枯渇しそうになります。 そんな事態は極力避けたいので、 花粉や黄砂や行楽が落ち着いたGW明け、半年ぶりに奈良の地を訪れました。 🚃 🚃 🚃 いつものように名古屋から近鉄特急

万葉集に誘われて 新しき年の初め

新しい年を迎えると、口ずさみたくなる万葉集の歌があります。 新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ 吉事 訳: 新しい年のはじめに立春が重なった 今日降る雪のように、いっぱいいいことがあって欲しいなぁ 万葉集全20巻4516首のさいごを締めくくる、大伴家持の歌です。 何がきっかけだったのかは覚えていませんが、20歳を過ぎて、ふと万葉集に興味をもちました。なんだかかっこいいなと。そして買い求めたのは恋の歌を集めた写真つきの歌集。 さらっと読み、あっけなくマ

奈良紀行 2023秋~④ 春日大社とシルクロードの終着点

旅三日目 朝6時、きょうも興福寺の鐘の音で目が覚めた。 最高だな。この環境ごっそり持ち帰りたい! 今回の宿ホテル天平ならまちは、奈良墨や奈良筆といった歴史がある奈良にふさわしく、『書』をコンセプトにしたホテルです。客室には奈良にゆかりの書家・僧侶・落語家などが揮毫した作品が飾られ(壁に直接書かれた部屋もあるそうです)、水筆の書道セットも備え付けられていました。 夜、間接照明のおだやかな灯りのなかで硯へ向かいました。筆ペンは時々使うことがあっても、筆は高校以来。水筆とはいえ

奈良紀行 2023秋~③ あをによし ならの麗し大仏殿

夜中、 ビイーッともギイーッとも聞こえる動物の鳴き声で目がさめた。 あぁ、鹿か。 とだけ思ってふたたび眠った。 朝6時、 カーンという、時をしらせる興福寺の鐘(と後から知った)の音で目がさめた。 ん?鐘? 朝陽でうっすら明るくなった部屋のなか、寝ぼけまなこでベッドから這いだし、障子をあけてから再びベッドへもどった。 ここは猿沢池ほとりに建つ宿。 窓からどんな景色がみえると思いますか? こんな景色です! 興福寺の鐘は、奈良太郎さんよりも高くて明るい響き。無意識のうちに

奈良紀行 2023秋~② 東大寺さんぽ

入江泰吉旧居まえの通りをまっすぐ進み現れた階段をのぼると、そこは戒壇院戒壇堂。日本に戒律をつたえた唐の高僧鑑真に由来する建物です。 もちろんここも東大寺の一角ですが、そもそもどこからが東大寺の境内なのか?よくわかりません。塀で囲われているわけでも門があるわけでもないので、歩いているうちにいつの間にか東大寺に入っていた、という感じです。いつでも自由に歩ける敷居の低さも、東大寺の魅力のひとつです。 このエリアは、観光客もちらほらていど。歩き疲れたのか外国人の方々が座り込んでい

奈良紀行 2023秋~① 入江泰吉旧居の風情

ーはじめにー 奈良へ行ってまいりました。 え?このあいだ行ったばかりでは?と思われた方、この間ではありません。もう11カ月も前です。こんなにもあいだを空けてしまったことは、奈良マニアとして痛恨の極みですが、諸事情により仕方ありません。 前回の反省から、今回は極めてフレッシュな記憶状態で奈良紀行をつづります。奈良が嫌いでないかたは、どうぞゆるりとお付き合いいただけると嬉しいです。 それでは!さっそく行きましょう~。 大和西大寺から奈良駅へむかう近鉄電車の窓のむこう、広大

奈良旅 2022秋~⑤ 錦秋の大和路

~はじめに~ この記事は、2022年秋に奈良へ旅した際の記録です。今年ではありませんのでお気をつけください。 奈良旅2日目、この日は雨。 「花嫁」にあいさつしてから奈良ホテルをチェックアウトし、小さな折りたたみ傘をさして向かった先は瑜伽神社。 前夜のまったりラウンジタイムに眺めていた本で偶然みつけたこの神社、これまで聞いたこともありませんでしたが、紅葉が美しいという文言と、奈良ホテルから極めて近いという条件でピン!ときて、行ってみることにしました。 細い道を3分も歩かな

奈良旅 2022秋~④ 奈良ホテルの魅力

奈良市写真美術館をあとにして、夕暮れどきの奈良のまちを眺めながら10分ほど歩くと、今回の宿『奈良ホテル』へ到着しました。 関西の迎賓館として、鹿鳴館の2倍の建設費用をかけ明治42年に開業。この麗しい建物の設計は、東京駅や日本銀行本店も手がけた辰野金吾氏が担当したそうです。 これまで6回こちらのホテルに宿泊していますが、初めて訪れたのは32歳のとき、宿泊ではなくティールームの利用でした。 それまで何度も奈良を訪問していましたが、さすがに奈良ホテルはハードルが高く、宿泊先の