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短歌・ことば・写仏

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万葉集や短歌、大和言葉にまつわる記事をまとめています
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記事一覧

短歌 夏の音楽

立秋を過ぎ処暑が近づいてもなお、暑い日が続いています。 天気予報に並ぶ最高気温の数字をみるたびに、「あつい・・」という言葉がこぼれますが、それでも吹く風は大暑のころにくらべると明らかにカラリと爽やかで、強烈な西日があたる時間も短くなりました。 少しずつ、秋の気配を感じます。 42. しとしとと 雨降るおとに 涼む朝 蝉の音はきょう 夏休みかも こんな日があるとホッとする。 たまには暑さも夏休みしてほしいな。 43. 隔てなく 平らにひびく うぐいすと ニイ蝉の声

短歌 愛のことのは(令和版百人一首)

数日前、生まれて初めて恋の短歌をつくりました。 そんなの無理 恥ずかしい 応援団長の激励に背中を押されて、ようやく投稿ボタンをポチッ ついに一歩ふみ出してしまった! すると、 ・・・ ・・・ ・・・ あれ? なんだか、心身が軽くなった気がする。 あんなに恥ずかしがっていた自分が、すでに過去の人になってしまった! どうやら、『恋歌なんてムリ』ブロックがはずれたようです。 ときには人のおだてに乗ってみるのも大切ですね。 よい経験ができました、ありがとうございます

短歌 鳥になれたら(令和版百人一首)

現在、noteクリエイターの三羽烏さんが『令和版百人一首』という企画を開催中です。 noteの街で短歌を投稿して百人一首を創り上げようという面白い企画で、以前からお誘いをいただいていました。 が、参加にはいたりませんでした。 なぜならば、 テーマは恋(または愛)のうた だからです。 万葉集で好きなのは、相聞歌(恋の歌ね)。 でも作るとなると・・・ 恋愛下手なわたしにはハードルが高すぎる。 ムリムリむりむり! でも、 食わず嫌いはよくないよね。 挑戦してみよう

短歌 梅雨の終わりに

梅雨が明け、一気に真夏になりました。 梅雨の重い空気と湿度が苦手です。 青空と爽やかな風が恋しくなります。 けれどいざ梅雨が明けると、こんどは暑すぎて・・・ 35度ってなんですか?? そんななか外で仕事をされている人たちを見ると、頭が下がる思いです。 どうか熱中症などにはくれぐれもお気をつけください。 あ、それから夏休みで信州へ遊びに来られるかたは、日焼け対策を万全にどうぞ。 長野県の紫外線の強さは、沖縄に次いで2番目だそうです。 澄んだ空気と標高の高さであっという

note写仏部活動中! 魅惑のアルカイックスマイル、斑鳩の菩薩さまを描く

こんにちは! 「note写仏部」古参部員のわりに写仏枚数は極めて少ない、手先が不器用なつきふねです。 先日、写仏部の最高顧問にして絵描きのあやのんさんが、「写仏部通信」で部員紹介記事を投稿されました。 この記事で初めて知ったのですが、note写仏部には現在17名の部員がいるようなのです。 あらびっくり、 いつの間にそんな大所帯に?! メンバーの記事を追いかけてマガジンにまとめたり、部員紹介記事を書いて下さっているあやのんさん、いつもありがとうございます。 「みんな

短歌 初夏の安らぎと万葉集

お出かけしたり、某感染症に罹患したりで、気付けばもう6月もおわり。 しばらくお休みしていましたが、久しぶりの短歌投稿です。 もっとぴったりな表現ないかな? 相変わらず言葉探しに四苦八苦していますが、そんなとき手元にある万葉集のページを捲ると意外にも、これいい!という言葉に出会えることがあります。 万葉集に収められた歌はおよそ4500首。 とても全部は覚えられませんし、覚えるつもりもありません。 ですが、その折々でピンとくる歌というのはあって、何度か声に出して詠んでいる

短歌 春を見送る

立夏を迎えました。 慌ただしく過ぎた春、 ちょっと季節がずれてしまいましたが、投稿しそびれていた短歌があったのでこちらに載せます。 30. 舞い落ちる 花びらを手に 閉じ込めて 願いをかけた 遠きあの春 花びらキャッチ、したことありますか? 舞い落ちる桜の花びらを掴んで(これ、けっこう難しいんですよ)、それに願い事をすると叶うかも・・というものです。 はらはらと舞い落ちる様子をみていたら、友達と手のひらパチパチさせて掴もうと挑んだ高校時代を思い出しました。遠き春の

短歌 初音聴く桜のみち

春が満ちてきました。 薄茶色だった景色に、 みどり、きいろ、しろ、あか、色が溢れます。 春生まれのわたしは、この季節が大好き。 花や草木から生きる力を分けてもらいながら、 またここから一年が始まるんだ、そう思えるから。 自分にとって、新しい年のスタート。 わくわくしますね! では、短歌へいきましょう。 25. 春香る みそらに浮かぶ 鼓星 別れを惜しみ 夜毎眺める 鼓星とは、オリオン座の和名。 オリオン座の明るい星を線で結ぶと和楽器の「鼓」のように見えるから、

短歌 春を知らせる音

きょうは、和歌を詠う日。 4月になり、信州も一気に春めいてきました。 心配していた「4月の雪」にも見舞われることなく、春の花々が一斉に顔を出し始めています。 この季節が、大好き。 皆さん、春だなぁって、どんな時に感じるでしょうか? 花が咲き始めたとき フキノトウを見つけたとき 生暖かく強い風が吹いたとき 雨後、湿った草木の香りがしたとき いろいろありますね。 今回の短歌は、まだ花が咲き始める前に作ったものです。 それでは、どうぞお付き合いください。 #22 神

み仏のエネルギーを描く note写仏部活動中!

きょうは、写仏の日。 み仏のエネルギーを描く! を目標にしている、note写仏部”癒し系担当”部員のつきふねです☺ 🌙 前回の写仏を投稿したあと、 note写仏部員兼最高顧問(勝手に命名)のあやのんさんからアドバイスをいただきました。 おぉ~、なるほど! さすが元美術教師のあやのんさん、的確なアドバイスです。 前回の写仏は小さくて動きが出しにくかったこともあり、確かにのっぺりとしていました。 そうか、ひゅっと書けばいいのね、ひゅっと。 ところがです ひゅっと書くに

待つ花咲く花 春分の短歌

きょうは、短歌の日。 春分の日を過ぎ、そろそろ雪ネタは卒業したいところですが、なかなかそうさせてくれません。 はやく、梅の香りだの桜だのを詠めるような暖かさになってほしいものですが・・・こればかりはお天気次第ですね。 ☆ ところで、春分の日について、学びがありました。 ー春分の日とは、昼と夜が同じ長さになる日ー という認識はありましたが、それをなぜ「春分」というのかは?? その謎がきょう解けました。 暦のうえでは、「立春 2/4」から「立夏 5/5」までを春とし

好きなのは、まろやかに響く『大和言葉』

きょうは、国語の日。 前々から気にはなっていたけれど、和歌を作るようになっていよいよ本格的に知りたくなった大和言葉。 やまとことば それだけ聞くと、 なんだか古典の授業で出てきそうな、よくわからない昔のことば? と思いそうですが、そんなことはありません。 たとえば、 やま(山)、かわ(川)、つち(土)、うみ(海)、そら(空) これらは全て大和言葉です。 なにか気付いたことはありませんか? ⌛ ⌛ ⌛ ⌛ そう、どれも訓読みですね。 最近読んでいる本、

写仏のススメと(え)の短歌

今日は写仏の日。 前回「万治の石仏」を写仏したあと、つぎはなぞり描きの仏さまにしよう!(ラクだし)と思っていたのですが、肝心の素材がないのでひとまず断念。 さてどうしようかと部屋をぐるりと見回してみると、 ん? あれに仏像いっぱいのってたよな・・ 2年前発刊の「古寺行こう」シリーズ 全40巻のうち、奈良のお寺が取り上げられた12冊を集めました。(しかもバックナンバー取り寄せまでして笑) で、こちらの本をパラパラしていたら、いましたよ~ 可愛らしい仏さまが。 これ

あ・い・う 早春の短歌

わたしは音楽が好きです。 と同時に、音に敏感です。 先日とある方と話をしていて、日本語の母音が話題にあがりました。 あ・い・う・え・お どれもよく響きますが、「あ」は特に力があるね。何と言っても50音の始まりだからね、そんなことを話しました。 たしかに、「あ」の響きはなにか特別な力がある。短歌を作るようになってから、それはうっすらと感じていました。 「あ」と和歌かぁ・・・ そういえば、百人一首の歌はどうだったかな? ふと思い立って、「あ」から始まる歌が何首あるのか