この星の終わりに

思い出は訪れる場所であって、住む場所ではない。あなたがまだ好きとかじゃなくて、この手にないあなたとの日々が愛おしさとやるせなさの間に蒼色に染まっているだけ。

この街に居ようとは思わないが、たまに来るのはちょうどいい。友人が運転する助手席でそんなことをふと思った。オレンジ色の街路灯が真っ直ぐな田舎道を照らす。その光景を助手席で窓に後頭部をつけ、下から見ていた。街灯と街灯の間で訪れる暗闇の中でふと窓に私が映る。少しばかり老けていた。

本当のことを知るのが、なんでも正解ではないのだろう。

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