見出し画像

ラジエターを感じる季節

オートバイにいい季節、というのはいろいろある。冬も夏も、雨でも風でも悪くはない。 自分ひとりで、行きたい方に行きたいスピードで走るだけだから、自分とうまくやってくことができれば、まあ、それぞれに楽しみが生まれる。

桜は散った。八重も無い。春はもう終わっていて、じきに梅雨がやってくる。
その隙間を縫うように、快晴の週末があった。不要不急の自粛で、道路はなんとなく空いていて、でも、土日特有の少し落ち着きのない車が多い道。

バイクの整備士さんと、そろそろオイルを変えておくべきだろう、という話になったので、お店までバイクを走らせた。

タイヤが道を辿り、タイヤのフェンダーと、2本のフォークの間を抜けた風は、ラジエターを抜けて脚にあたる。

スピードを上げればシャープに、かすめるように。ブレーキをかければ、ボリュームを持って、すねを包むように、エンジンの熱を奪った空気が抜けていく。

夏になるとまあ、なにをしなくても脚と言わず身体中熱い。冬はそれなりの格好で走るのでエンジンからの熱を感じることは少ない。

ハイカットのスニーカーにジーンズで走れる、今くらいが、ラジエターからエンジンの熱を感じる一番いい季節だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?