またにわか雨。
市街地に向かうバスは、雨傘を持って行く手が惜しい。

今年も蒸し暑さに慣れる頃。
部屋の窓は閉め切りで冷房の設定温度さえ迷う。
洗濯物と回しっぱなしの扇風機、寝っ転がっては汗がにじむ。

やがて止む雨。
合間を縫って街へと出かけるタイミングを伺う。
今日はどうやら満月に近い月齢。
少々帰りが遅くなっても、朝方の赤く焼けた日を目にするだろう。

午前6時のアラームをオンにする。
その時間には家へとたどり着けるように。
すぐに忘れて、どこかで鳴らされるお気に入りを聞き直す。

ちょっと一息つく。
この閉め切りの部屋から。
いつもの店まで、いつかの店まで。

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