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うえやまみほこ

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フィンランド語翻訳者 上山美保子が執筆した記事です。
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#児童書

『フーさん』シリーズと作者ハンヌ・マケラ氏のこと

今年も暑い夏になっております。みなさまいかがお過ごしでしょうか。 今回は、私、上山美保子(うえやまみほこ・フィンランド語⇒日本語翻訳)の初めての翻訳出版となった児童書シリーズ『フーさん』(国書刊行会)と原作者ハンヌ・マケラ氏(1943-)についてご紹介します。夏休み時期でもありますので、この記事をきっかけに『フーさん』シリーズを手にしていただけると嬉しいです。 『フーさん』との出会い 日本語版の『フーさん』シリーズが出版されたのは、2007年から2008年にかけてのことで

イラストレーターの起用も戦略!?

 いうまでもなく書籍の<命>はその中身です。あらかじめ書評や広告、あるいは知人・友人や図書館司書の紹介などで、その書籍のことを事前に知っている場合は別として、書店などで初めてその書籍のことを知った人たちに手にしてもらうには、タイトルや装丁が鍵になる、と思っています。 そこで今回は、フィンランドの児童書で、戦略的に挿絵を使っているに違いない、と思われるティモ・パルヴェラ(フィンランディア・ジュニア賞なども受賞している、フィンランドの代表的な現代児童文学者)の作品『エッラと友だ