【カフェ巡り☕️ vol.4】 ignis@千駄木 #3

のらりくらり👫

2021年3月21日 14:09

#1と#2で「こだわり」と「生い立ち」について聞いてきたけど、今回で最後。この”地域”を選んだ理由や”地域”とコーヒーの相性など、「地域」にフォーカスを当ててお話を聞いていくよ。

1記事目と2記事目を読んでいない人はこちらから読んでね！

#1 「こだわり」について

#2 「生い立ち」について

この街らしいお店をこの街でできる気がした

−−谷中銀座を選んだ理由はなんでしょうか？
自分がずっとお店で立っていたいと思える人情味のある街でやりたいと思っていたんです。古き良き日本の面影が残りつつ、新しいお店ができて、今まさに新たな文化が創られている感じも良かった。

−−実際、オープンしてから2ヶ月ほどですがどうでしょうか？
家族でも友達でもないんだけど親しくしてくれる街のコミュニティがとにかくあったかいです。とある忙しい日の話なんですが、いつもお店の前まで来て、でも、お店には入らないおばあちゃんがいて、そのおばあちゃんがその忙しい日だけなぜか入店してきて、「いや、今日かよぉぉ」と内心思っていたら、カウンターにりんごを丸々一つ"ドンッ！"と置いて「頑張れよ！」と一言だけ残して去って行ったんです（笑）。それがこの街を象徴していると思うのですが、ここまでラフに知り合いでお互いのお店に行くような文化がある街ってなかなか無いですよね。

お洒落な人が入ってくるのは特別なことではないですけど、当たり前のようにご年配の方がコーヒーを楽しんでくれるのもこの街の良さですよね。

この街らしいお店をこの街でできる気がしたんです。

コーヒーと谷根千の相性

−−谷根千と呼ばれるこのエリアですが、このエリアとコーヒーの相性をどう感じますか？
古くからの喫茶店が多く並んでいるのでコーヒー好きが多いと思いますね。

その中でも、僕が提供する独特なコーヒーや、スタンドなお店であるところ、メニューもコーヒーのみ、といった点が古くからある喫茶店とは違って、楽しんでもらえているのかなと思います。

ignisが見据えるignisの未来

−−今後、お店をどのようにしていきたいですか？
もっとこのお店を飲食店として次のステージに持っていきたいと思いますね。この前クラブハウスで、一流のシェフ達の話を聞いていたのですが、その中でシェフ達が普段意識していることを話していて、ご飯を食べにきたことで季節感を伝えていきたいだとか、街歩きの中で季節を読みディナーに盛り込んでいるなど、自分の料理が美味いとかそういう次元の話をしていなくて。

昔ミシュランのグランドシェフとお仕事をする機会があったのですが、その人の話や仕事っぷりを見ていると、まだまだ未熟なところがあるなと気付かされたんです。その方は、お客さんがどうやってこの扉を開けて入ってくるのか、扉はお客さんが開けるの？それとも誰かが開けるの？とか、全席に座ってお客さんのお店でのストーリーを想像してチェックを行っていたんです。

そういう姿を見て、僕もそうありたいと思いましたし、そういう方が認めてくれるお店にしたいなと思っています。

コーヒー屋がおすすめするコーヒー屋

−−地域とは関係ないのですが、エイジさんがおすすめするコーヒー屋さんをお聞きしたいです。
超正統派に対して、独自の世界観を持ったバリスタさんがいて、その人のお店の『コーヒーバーガレッジ』（東中野）がおすすめですね。グリッチの立ち上げた当時から一緒に働いていまして、やたら個性の強いボスって感じです（笑）。

スペシャルティコーヒーの間口を独自に開拓している方で、僕には表現できないコーヒーを提供しているので、楽しめると思いますよ！

あとはもう1人の師匠がいる『パッセージコーヒー』（三田）ですかね。祖師谷大塚に焙煎所ができて、そっちにいることが多いかもしれないですが。エアロプレスの世界チャンピオンなので、何飲んでも美味しいと思います（笑）。ぜひ訪れてみてください。

コーヒーを楽しみに、人生を愉しむ場所

この取材の最後の質問として、お客さんにお店をどう楽しんでほしいかを聞いてみた。

「コーヒーを楽しんで、人生を愉しんでほしいですね。これにつきます。」

1つひとつの質問に長くお話してくれたけど、最後の質問はすごく短くまとめられていた。

だけど、この言葉にエイジさんのこれまでの歩みが凝縮されている、それこそ何年も丁寧に育てられた豆から抽出されたコーヒーのような、深い言葉のように感じた。

誰よりもコーヒーを中心に人生を楽しんでいるからこその言葉、そんな気がした。

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