市井の博士

博士号持ちの市井人。非常勤講師で食いつなぐ毎日、 安定した仕事がほしい。専門は文学、マ…

市井の博士

博士号持ちの市井人。非常勤講師で食いつなぐ毎日、 安定した仕事がほしい。専門は文学、マイノリティー研究。

最近の記事

女性差別について思うこと:女性登用促進にまつわる平等/不平等

 これまでの日本社会が圧倒的に男性優位な社会であった事を否定する人はいないだろう。  しかし、現在の積極的な女性採用/登用を推進する事によって、偏った犠牲が一定の世代やグループにおしつけられていないだろうか?  この疑問について考えるためにも、日本社会における男性と女性の現状について確認するところから話をはじめていきたい。 既存のジェンダーロールはいつ一般化したのか 一部上場企業の取締役数、大学の正規教員数、国会議員数など総じて男性が占める割合が圧倒的に高い。これらの事

    • ぼんやりとした差別意識―個別性を剥奪されたマイノリティ―

       マイノリティについて考えてみたい。とはいえ、BLMやハンセン病家族訴訟、政治家のLGBTQへの差別発言など個別具体的な政治問題やマイノリティ運動について述べるわけではない。  私が考えたいのはマジョリティ側がマイノリティに対して持つぼんやりとした差別意識についてである。  マイノリティという言葉を字義通りに取るなら少数者ということになる。しかし、マイノリティの語には、マジョリティ(多数派)から圧迫され、抑圧され、マジョリティと同様には権利・義務を行使できない少数者という表

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