つかまり立ちGlyphs (第-1回)

ご挨拶と概要

こんにちは。

この一連のテキストでは、フォント製作のド素人である筆者noraglyphs(以下、オレ)が武器も持たず筋トレもせずにいきなり和文フォント自作に挑む様子を、泥だらけの手でろくろを回しながら、目を泳がせつつ、しどろもどろに、つぎはぎして綴っていきます。
そんな体たらくですので、指南書や製作ガイドというよりは珍道中の顛末記みたいな、単なる読み物に近い感じでお読みください。このテキストの手順をそのままなぞって作ったフォントがいきなり商業印刷での使用に耐えるなどの奇跡は期待しないでください。
また、文中にはオレの無知や勘違いによる誤りも多く含まれるかと思います。発覚したら都度直します。すみません。

なお、

想定する読者層は
・フォント作成ソフト「Glyphs(グリフス)」を動かせる環境がある(2018年5月現在、OS X 10.9以上)
・とりあえず日本語が打てるフォントを作ってみたい
・日本語しかわかんない
・ドローソフト/ベジェ曲線の操作が苦手 or そもそも、それis何
・板タブとか液タブとか持ってない
・つまり、総合すると、オレ程度

目標は
・自作の和文フォントを自分のPCにインストールして、日本語を打って変換して喜ぶ

あった方がいい(と個人的に思う)ものは
・トラックパッド以外のポインティングデバイス
→マウスなど。製作中は画面上の点を画面上で2mmくらいジリッと動かすといった細かい作業が多くなるはずなので、トラックパッドだと少しイライラするかも。
もし持っていなければ、1000円程度の2ボタン+ホイールのもので十分です。

併せて眺めたい資料は
・Glyphsハンドブック日本語版(PDF)
https://glyphsapp.com/get-started からダウンロード
→必携です。
目次がちゃんとあって、内容の検索もきっちりできます。
とりあえず、このテキストの執筆時点では、Glyphsバージョン2.3用の日本語版を前提とします。
・Glyphsチュートリアル1〜12(YouTube)
https://www.youtube.com/user/Toschez/videos の中を探す感じで
→必見です。特に9と10。
観ていると、あれよあれよという間にフォント(の設計図)ができあがっていきます。これ観たら和文フォント作りたくなるはず。
・Glyphsでフォントを作ろう(note)
https://note.mu/sorasagano/m/m1c550357c869
→必読です。
このマガジンの中心はアルファベットですが、オレのこのテキストと共通する部分があるどころか、より専門的なテクニックや人間の視覚についても簡潔で明快な説明がなされています。
・他は都度紹介

あるとトラブル予防に役立つであろうものは
・Adobe製のグラフィックアプリケーション何か1つ
→動作確認が捗ります。
「そんなものを使ってるような人ならフォントくらい初めから楽勝で作れるだろ!いい加減にしろ!」という意見もあるかと思いますが、製作の作業に使うわけではないので必須ではありません。なければないで何とかなります。
Adobeアプリは、フォントの格納場所を自前で確保しています。このフォルダはOSが管理するフォントフォルダとは別で、中身が変更されるとアプリが起動中でもすぐにアプリの動作に反映されます(ただし、対象はAdobeアプリに限られます)。
このフォルダ内のフォントに不備があっても他のアプリやOSには影響が出にくいため、製作中のフォントは一旦ここに書き出しておいて、動作確認をAdobeアプリ内で行うと便利です。この方法はGlyphsハンドブックでも推奨されています。
この方法を取らない場合、オレ個人の印象では、やはり、トラブルの発生率が少し上がるような感じです。オレも何度かフォントキャッシュをぶっ壊しました。その場合、Glyphsハンドブック内や各種検索サイトで「セーフブート 方法」「フォントキャッシュ Onyx」「キャッシュ 削除 ターミナル」などと検索して乗り切ることになると思います。
この際ですし、せっかくなので、トラブル予防がてら、何か体験版を入れてみるのもいいかもしれません。もしそっちを触っててその方が面白くなったら、文字なんかほっといてそのまま遊べばいいですし。クソコラ作るの楽しいですよ。

……です。

何しろオレは難しいことはわからないので、素のまま子供っぽく派手に行儀悪くやります。目先の取っつきやすさ最優先です。

あと、オレは半ば冗談でnoraglyphsと名乗ってはいますが、アプリGlyphsやglyphsapp.comとは何の関係もありません。
グリフスで勝手に遊んでるんだからただの野良グリフだな、程度の勢いでつけた名前です。

ともあれ、ほぼ何もわからないままはじめます。

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