ガサ入れの思い出②
これはまだ俺が小学校六年生の時の話。
当時腹違いの妹が産まれたという事で、
親父と再婚相手と妹の住むマンションにばあちゃんと寝泊まりしていた。新生児の妹の面倒を見るためだった。
奴らは本当に朝6時が好きだ。
チャイムで起きたのは俺だけだった。
ドアスコープを覗くとお馴染みのマル暴。
とりあえずばあちゃんを起こし状況説明。
そっからのばあちゃんは早かった。
親父と再婚相手を起こし、俺をベッドに座らせズボンにネタを全部詰め込み、生まれたばかりの妹を何も言わずに抱っこさせた。
そうしてドアを開けると奴らはなだれ込む様に突入してきた。
親父は言葉を発さないままワッパをかけられ大人しく連れていかれた。
犬どもが部屋をひっくり返していた。
一匹のバカ犬が俺に声をかけたのを覚えている。
「お兄ちゃん偉いね〜赤ちゃん抱っこできるんだね〜怖くないからね〜」
奴らが一通りの押収を終えると再婚相手とばあちゃんは事情聴取に連れてかれた。
ばあちゃんは犬どもと家を出る時俺に目配せをした。
俺は全てが終わったことを確認した後、ひとりでネタを全てトイレに流した。ポンプは後で全部ばあちゃんに渡した。
親父の罪状は伏せるがシャブは出なかった。
小6にしてやられたバカ犬たちへ。
合掌
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