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ワクチンは本当に感染を抑えているのか?【アメリカのコロナ事情Vol.18】

操作されてないデータで考えることが重要

”オミクロンが来る!ワクチン打て!”と、バイデン政権やメディアが騒いでいます。一方で、ワクチンが新しい変異であるオミクロンに効果があるかどうかは、現在調査中ということです。この時点で、「ん?」なのですが、そもそもデルタ株の時に、すでにワクチンの効果があったのか、なかったのかは疑問が生じていました。
アメリカのCDCが出しているデータは、かなり眉唾ものです。注意書きをよく読むと、新規感染者数の統計の中では、”ワクチン未接種者”のデータの中に、”接種状況が不明”や”接種後2週間経っていない人”が含まれていたりします。そんなデータを使って「ワクチン未接種者の中で感染者が広まっている」と、言ってみたり、「ある地域での感染者の7割がワクチン完了者だった(だから、マスク着用が必要だ)」と言った数週間後、「感染者の7割がワクチン未接種者だ」と、自分たちの政策に適した局地的なデータを使ってみたりしています。

「科学を代表する私への批判は、科学への冒涜だ!」

偽証罪で捕まらないのが不思議なファウチ博士は相変わらず、吠えていますが、超文系の私にでも、そのおかしさが気がついてしまうほどのインチキぶりです。今のアメリカは共産党独裁国家のあるくにと同じです。そういう国の状況を把握するためには、”知りたいことがわかる、操作されにくいデータ”を見つけてくることが大切です。

例えば、昨年、中国のコロナ死亡者数の概算を知るのに、携帯電話の解約者数や、火葬場の稼働状況で判断している人がいました。

そこまで捻ったデータではないのですが、連邦政府の損得が最もない州であるテキサス州のデータで、以前から気になっているものがあります。本当はあと3週間待って、”15週間のデータ”として比較したかったのですが、オミクロン騒ぎが始まってしまいましたので、ワクチン接種の必要性を個人的に考えるために(私はワクチン様子見派です)、検証してみたいと思います。

テキサス州の感染拡大・縮小とワクチン接種の関係

上記画像の、上段が新規感染者数、下がワクチン接種率です。テキサス州では、今年の3月以降、一切のコロナによる制限が設けられていません。

便宜上、昨年末から今年の初めまでの感染者数の高波(A波)と、今年9月がピークとなった高波(B波)とします。

A波の減少理由

A波が抑制された理由を、ファウチ博士やCDCはワクチンの効果としています。感覚としては、確かにワクチン接種が始まってから、感染者数が減ったような印象がありました。しかし、実際にA波のピークを見てみると、2月1日。これ以降、減少傾向にあったのですが、2月1日時点でのワクチン接種率はわずか1.7%です。ここから2月20日までが一気に下降しますが、20日での接種率は4.7%と、3%増加したにすぎません。

もちろん、この段階では、ワクチンの効果が抜群で、5%未満の接種でも感染をかなり押さえ込むことができるという可能性もあります。実際、5月31日には新規の感染者数を、A波の最低値となる153人にまで抑え込みます。ワクチンは2回接種後2週間経って”完了”とされます。5月31日にワクチン完了者になっているのは、5月15日までに接種した方ですので、この日のワクチン接種率をみると32.0%。人口約3千万人中のテキサスで感染者153人ですので、接種率32%でかなり抑え込めているのではないでしょうか。
ところが、5月31日から感染者は少しずつ上昇し、6月20日頃から一気に上昇してしまいます。

B波の始まり

A波の新規感染者数が最低となった5月31日からほぼ横ばいだった感染者数ですが、6月20日から一気に上昇し、A波と同様の感染拡大が起こりました。コロコロ変わるCDCやファウチ博士の説明ですが、一番強調されていた感染拡大の原因は、”未接種者の間でデルタ株感染が広がったため、ブレイクスルー感染が起こった”というものでした。他にワクチンの効果が薄れてきたためではないか?ということから、6カ月に一度のブースター接種の必要性が唱えられ始めます。
しかし、ここでまず初めに疑問に思ったのは・・・

テキサス州でのワクチン接種率は鈍化しているとはいえ、日々増加しているにもかかわらず、なぜ感染者が増えているのか?

ということでした。
6月20日の接種率は39.7%ですから、5月31日の32.0%から、7.7%増えています。A波の感染者を最高値から最低値にまで押さえ込んだ時には、接種者は3%増加しただけでした。鈍化したと言っても、A波の減少期よりも速いスピードで接種が行われていたにもかかわらず、B波が始まったということになります
ただし、ここは感染力が従来型よりも強力な”デルタ株”の出現により、ワクチンでは抑えきれなかったという説明がつきますので、一旦置いておきます。

では、ワクチン接種の効果が薄れてきた説はどうでしょうか?

Googleの掲載しているコロナデータでは、テキサス州のワクチン接種率として、初めて登場するのが1月13日の0.4%です。この日から感染が拡大し始めた5月31日まで4カ月半しか経っていません。FDAが承認したブースター接種は、2回目の接種から6カ月経っていることが条件になっています。
”接種間隔”はアメリカの医療界ではとても重視されます。他の予防接種でも、定められた接種間隔で摂取していない場合には、”接種ずみ”と認められないことになっているようです。つまり何らかの”科学的なデータ”に基づいて、接種間隔は6カ月と決められたはずですから、たった4カ月半の経過で効果が薄れたということは、FDAのデータと整合性がありません。
さらに5月31日時点での接種率は32%に過ぎず、そのうちの一体どれくらいの割合の人のワクチン効果が薄れたら、こんなに感染拡大につながるのでしょうか?ちなみに、10%を超えたのが3月15日、20%超えが4月13日、30%を超えたのが5月8日になってからです。この説でいくならば、”良くて2カ月程度効果があるワクチン”ということになってしまいます。

B波のピークから現在まで

B波のピークは9月15日で、この日から現在に至るまで、新規感染者は減少傾向にあります。では、9月15日の2週間前のワクチン接種率をみると47.3%(8月30日時点)です。テキサス州の現在の接種率は54.1%(11月30日時点)と、この減少期に増えたワクチン接種率はわずか6.8%です。B波の開始から感染ピーク時までに増加したワクチン接種率は15.3%です。接種スピードが半分以下になったにもかかわらず、感染者数は大きく抑制されたことになります。

いやいや、接種スピードは関係なく、結局は接種数(接種率)が重要なんだよ。

ということであれば、そもそも2月1日以来、接種数(接種率)は増加する一方だったにもかかわらず、感染者数が増えたことが説明できなくなります。9月15日ということで、接種開始から半年以上経過していますから、”6カ月経過で効果が薄れた”説をチェックしてみると、3月15日時点での接種率は10%。9月15日時点の接種者うちの21%のワクチン効果が薄れてきているわけですが、6カ月経過した途端に突然効果がゼロになるわけでも、反対に感染しやすくなるわけでもありませんから、この21%が感染爆発に大きな影響があったとは考えられません。

ワクチンは効果があるのか?

今回の検証でCDCやファウチ博士が発言してきた”ワクチンの効果”は、テキサス州のデータではそれをサポートするようなものが見つかりませんでした。だからと言って、”ワクチンは効果がない”と言い切れるだけのデータもありません。

ある一面では効果があるように見える、別のデータではないように見えるということは、どういうことなのか?

感染の抑制は、何か1つの特効薬があるというわけではなく、さまざまな要因・対策が奏功していることに他ならないのではないでしょうか。

連邦政府の実施する対策に疑問を持つ科学者・医師が言うように、彼らが対策を検討する上で、(治癒による)獲得免疫だけではなく、(本来持ち合わせた)自然免疫、交差免疫等の存在、そして、その力が一切無視されています。ワクチン接種の進まないテキサス州であるにもかかわらず、感染者数が他州と同じようなスピードで減少していると言うことは、少なくとも獲得免疫は、ワクチンと同じような効果があるのではないか?と推測できないでしょうか。

さらに、変異を繰り返す中で弱毒化するというコロナウイルスの特徴も、感染力が強まったことしか強調されていませんが、実際には弱毒化して、日常的に存在する他のウイルスと同じくらいの存在になりつつあるのではないか?とも考えられます。つまり、人間が特別なことをしなくても、ウイルスが自身の生き残り戦略に基づいた変異を繰り返す限り、宿主を殺さないような弱い毒性になっていくということです。世の中では、”コロナとの共生”というようなことが言われていますが、実際、共生しようとするのは、人間よりもむしろコロナウイルスの方ではないでしょうか?

ワクチンの効果については、2023年に治験が終わるまでは、わからないことかと思います。ただ、テキサス州のデータから、1つ断言できるのは、ワクチンをパンデミック収束のための唯一の解決法とするのは、適切な方法ではないということです。

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