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学校教育の共産化ーアメリカ版文革

最初の疑問:歴史のノートの謎(テキサス)

最初に、おかしいなと思ったのは、テスト勉強をしていた子どものノートを覗き込んだときでした。科目は歴史。ちょうど第二次世界大戦という、日本とアメリカの両方の国籍を持つ子には微妙なトピックでした。

”WW2”というタイトルの下、最初の1行目に書いてあったのは、"パールハーバー、1941年12月7日"、続いて、”1939年、ドイツのポーランド侵攻”と続きます。

え?順番がおかしくない?

アメリカ人にとって、第二次世界大戦といえば、パールハーバなのはわかりますが、歴史は各出来事が孤立して存在するわけではなく、1つの出来事が原因となって、次の出来事が起きる・・・という繰り返しかと思います。時系列のおかしさを指摘すると、「先生のパワポ通りだよ」と。とはいえ、年号を見て「確かにパールハーバーの方が後だ」、とも。

日米が戦った部分は、アメリカ人の先生と日本人の私とでは意見の違うこともあるでしょうから、とりあえず、置いておきます。

理由がわからなかったのが、ポーランド侵攻を行なったのがドイツのみになっていたことです。日米の歴史は、下手なツッコミを入れると、両方のアイデンティティを持つ子どもを苦しい立場に追い込んでしまう可能性もありますが、第3国の歴史は間違いの指摘がしやすいものです。

「ポーランドに侵攻したのは、ドイツだけじゃないでしょ?ソ連もでしょ?」

しかし、学校で習ったのはドイツだけと。後日、確認してみたようなのですが、やはりドイツのみがポーランドに侵攻したことになっていたようです。ここまでくると、あまり突っ込んでは、テストで混乱しても・・と思い、いったん”ノート通りに”ということにしました。

もちろん、ネット上で確認し、ソ連がポーランドに侵攻したのは確かというのもわかっています。それでも、あまりにも断定的に言われると、最近、新説でも出たのかな?と不安になります。

もしかして、子どもの先生がうっかりソ連のポーランド侵攻のこと忘れちゃった?

他の州も同じかとは思いますが、テキサス州では、授業に教科書を使いません。ですから、この可能性もゼロではありません。この時は”引っかかった出来事”として脳裏の片隅に置いておくことにしました。

コロナで”おうち時間”ができたことで、これまでいろいろ引っかかっていたことを調べてきたのですが、その結果、たどり着いた仮説が、テキサスの教育もかなり赤化されているということです。

”白人であるあなたは、白人というだけで罪人”(コケージャンの子どもの前で)  ”(教室に飾られた「アンティファの旗が不快」と言う生徒に対し)まあ、これはファシストを不快にさせるためのものなので、もし君が不快に感じるのであれば、君はこれに反した価値観ってことだよね(それはお前がファシストだからだ)”。

これは現在、学校教育が問題となっているリベラル州で、実際に教師が生徒に向かって放った言葉です。かなりひどい話ですが、ここまであからさまだと、”学校が危ない”ということに気がつきます。ところが、もし、先ほどの仮説が正しくて、”じんわりと赤く染められている”のだとすれば、その方がむしろ高い浸透力を発揮するかもしれません。

とはいえ、テキサスのケースは”じんわり”だけに、説明がしにくく、まだまだ、リサーチ中の部分もあります。まずは、明らかに”危ない”とわかるリベラル州で起こっている事例をシェアさせていただきたいと思います。

アンティファ教師、キッパリ宣言:「半年あれば、革命家に洗脳できる」

プロジェクト・ヴェリタスで、今年8月31日に公開された動画『カリフォルニア州の高校教師、共産主義者による生徒への教化を認める:彼らを革命家にする』。サクラメントにある公立高校の教師との会話をこっそりと録画したものですが、音声を消して動画を見ると、フレンドリーで、気の良さそうな先生に見えます。タトゥーが結構賑やかですが、これによってどう・・・というのは、アメリカではありませんし、これくらい派手にしている人も普通に?いるにはいます。私はいまだに見慣れないのですが。

この先生、自らアンティファの活動家を名乗っています。

アンティファの起源は、ヒットラーに対抗するためにできた”アンチ・ファシスト”ですが、各国にアンティファを名乗る組織があります。それぞれの関係性はよくわかりません。アメリカのアンティファは、いろいろな思想グループが一緒になっているようなのですが、とりあえず、昨今の暴動の裏には、このグループの名前が出てきます。同様に名前が出てくる活動グループに、BMLがありますが、こちらは組織のトップが不動産愛が止まらない(活動を続ける中で、豪邸が増えていっている・・)噂も出ていますし、暴動を起こすグループもいるようですが、純粋にアフリカ系アメリカ人の人権問題のために活動している人もいるようです。比べると、アンティファの方がもっと過激な印象があります。資本的なつながりを含めて、共産党の影響が小さくないと考えられています。

180日あれば、生徒を革命家に育て上げることができるよ。

と、アンティファ先生は、語ります。その方法とは、”飴と鞭”です。

生徒を積極的に”アンティファのイベント”に誘い出します。参加者は授業のクレジットがもらえるそうです。写真を撮り、反省文を書くと、追加のクレジットがもらえるそうです。こちらが飴。鞭は?と言うと、脅しです。

学校で行われたアンケート調査(無記名)で、「部屋に貼ってあるアンティファの旗が不愉快」と言うコメントを書いた生徒がいました。動画の中で、彼の教室が映し出されますが、アメリカの国旗の代わりに、アンティファの旗が飾られ、毛沢東のポスターも貼っていました。単純にこの掲示物だけということではなく、これらはアンティファ先生の象徴で、おそらく日頃の言動もあって、生徒はアンケートで「不快」と描いたのではないかと思います。

”まあ、これはファシストを不快にさせるためのものなので、もし君が不快に感じるのであれば、君はこれに反した価値観ってことだよね(それはお前がファシストだからだ)”。

このようにして、活動家を育てていくのだと言います。イデオロギーテストを行い、顔写真とともに、生徒がどの辺にいるのか貼り出す・・・と言うこともやったようです。こうすると、毎年、どんどん子どもたちは左に左に進んでいくそうです。

ここでこの章の最初の話に戻ります。このアンティファ先生は、話している内容を聞かなければ、ごく普通のフレンドリーな感じの先生です。合コン成功術をシェアするような雰囲気で、子どもたちをどうやって革命家に洗脳していくのか?のノウハウを語っています。これがものすごく不気味です。

アンティファ先生・後日談

学校は一体何しているんだ!って思いますよね。PVは学校にインタビューを申し込みますが、「カメラを回しながらここにいるなら、警察呼ぶわよ」と言うことで、受付で追い出されてしまします。

■アンティファ先生は9月1日付けで解雇されています。(動画の公開は8月31日)

■アンティファ先生のいた学区の教育委員会で、保護者が次々にスピーチを行いました。

■PVが入手したアンティファ先生の、PVに暴露された動画に対する応答ビデオ  過去の生徒や同僚、友達に感謝した後、自分の身が危険に晒されている状態であること、天職である教師を辞めさせられそうになっていることを訴えています。これだけ見ると、アンティファ先生の方が被害者です。この時点で、彼が一番恐れているのは、教師を辞めさせられることよりも、お仲間からの”お叱り”のような気もしますが。

対立する保護者と教育委員会ーー保護者=テロリスト?

上記の動画”アンティファ先生のいた学区の教育委員会で、保護者が次々にスピーチを行いました。”のように、教育委員会で保護者が深刻な訴えを行なっている動画は、私が観ただけでも、他に2、3本あります。訴えている内容は様々ですし、スピーチ以上の混乱が起こったこともあったようです。この1つ一つは1つの学区、1つの学校で起こったことです。これらをもって、アメリカの全てを語ることはできませんし、最初に騒動を知ったときには、正直なところ、「あー、テキサスでよかった」とも思いました。

ところが、そんな呑気なことを言っている場合でもないようです。全米教育委員会協会(NSBA)とバイデン政権は、これらの保護者を”国内テロリスト”扱いしていたことが判明したからです。バイデン政権がFBIを使って、教育委員会に物申す保護者の取締りを開始していました。政権側はもちろん否定していますが、FBIの内部告発者により情報提供を受けた下院司法委員会により、FBIを含む政権側が否定できない事態になっています。ただし、すべての教育委員会がこれに従っているわけではなく、NSBAからの”保護者に注意”通達を受け、NSBAから距離をおくことを決めた各地の教育委員会も多数ありました。

陰謀論っぽく聞こえるかもしれませんが、実際にアメリカで起こっていることです。キャンセルカルチャーや、クリティカル・レイス・セオリー、対立の煽り、親と子どもの切り離し等、いろいろな点で、文革?と思えるようなことが起きています。それも、ここ数年で突然赤くなったわけではなく、もっとずっと前から種まきされていたのではないかと思います。アンティファ先生も、この文革の”成果物”で、ソ連のポーランド侵攻が消された理由も、ここにあるのではないかと思っています。

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