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女性スポーツを破壊する過激派と、権利放棄した女性団体に、生物学的男性が切り込む

コリーナ・コーンさんの意見表明

ものすごくいいお話でした。生物学的男性のトランスジェンダーが女性スポーツへ参加することの是非だけでなく、人種間の対立、民族の対立・・・いろいろな対立を解決する上で必要な視点を与えてくれる・・・そんな意見表明でした。

何の話かと言えば、HB1041(生物学的男性が女性スポーツに参加することを禁止する法案)をめぐり、インディアナ州議会が1月24日に行ったヒアリングで、コリーナ・コーンさんが表明された、法案に対する賛成意見です。男性として生まれた彼女ですが、自覚する性別が女性であったため、性転換をし、女性になったという方です。HB1041法案では、権利を制限される側である彼女が、「スポーツで競う少女や若い女性の権利を強化することを目的としたHB 1041の支持する」と、表明したことで、彼女の動画が注目されています。

自らの体験を元にした、生物学男性が女性スポーツに参加するべきではない理由

まず初めに、彼女は自分の政治的な立場を説明します。右でも左でもなく、「私は無党派であり、各党の原則的なメンバーに投票してきた」と言います。この問題が、女性スポーツに生物学的男性の参加を認め、促進させようとするリベラル(左)派と、女性スポーツは生物学的女子のみが参加できるという保守(右)派で対立している問題だからです。彼女は政治的な問題として意見を表明するのではなく、自分の実体験、そして、学童期の女子を育てている親として意見を表明します。

「ホルモン剤の投与と、女性らしい体になるような整形手術を受けました。だから、女性らしく見えます。これらの手術を受けても、私の性別は男性であり、科学も医学もそれを変えることはできません」。

その理由として、彼女があげたのが次の点です。

  • トランスジェンダーのプロセスを開始したのは10代のとき。テストステロンのレベルは30年近く女性の範囲にあったが、”男性としての思春期”は、身長、骨格、肺活量等、(女性に比べて)優位な身体を与えてくれた。

  • 平均的な男性の身長は、平均的な女性より5インチ高い。私の身長は、女性の身長の(高い方から)99パーセントにあたる。WNBAのエリート女性アスリートと比べても、1インチ低いだけ。

  • 生物学的男性が女性や女子のスポーツに参加するのを禁止することは、この点だけでも正当化される。

「こうした身体的優位が現実の世界でどのように作用するかについて、自分の目で観察すれば、誰もがわかることです」

コリーナ・コーンさんは、具体例として、生物学的には男性であるトランスジェンダーの水泳選手が、女性が作った数々の学校記録や国内記録を破った例を挙げ、「彼女(実際には水泳選手の名前を挙げて)のような男性が女性と競うことが許されるようになれば、女性が”女性競技”のカテゴリーで疎外されることは普通になってくるでしょう」。

「私の家族には、学齢期の女の子がいます。彼女たちが競技に打ち込むためには、サポートや励ましを必要とする場面が多いものです。男子が女性の競技で女子と競うことが許されたら、女子が競技への参加を思いとどまる理由がまたひとつ増えてしまいます」。

トランスジェンダーとして、権利に対して思うこと

「私はトランスとして平和に暮らし、幅広い市民権を享受できる特権を有しています」と、コーンさん。彼女が体験したように、自覚する性と生まれたときの性が異なる人にはサポートが必要であることには変わりません。しかし、それと女子競技への参加は別問題です。彼女の意見は、トランスジェンダーの権利を制限しようというものではありません。女性から権利を奪ってはいけないというものです。

「女性が苦労して勝ち取った権利について、それを譲り渡すことを期待するのは不公平です」。

「トランスは私たちらしく生きるための特権を享受しているが、女性の権利を食い荒らすようなことをし続ければ、その反動は深刻になるでしょう。私たち全員がトライバル・メンタリティ(tribal mentality:部族主義、自分の所属するグループのことしか考えられないメンタリティ)から脱却できればと思います 」。

私は女性とLGBTQに関係するプロジェクトに携わったことがあります。その時にぶつかった問題がまさにこの部分です。彼女のこれらの言葉は、改めて別のコラムで掘り下げたいと思います。

演説では、彼女はこの後、女性スポーツを保護する法案を本来支持するべき女性擁護団が意見表明のためにその場にいないことに対し、「女性の権利を売り渡したのですか?」と、激しく批判しました。また、本来、女性の権利を守るのは、リベラル派の役割であったはずなのに、今は女性の権利を制限する動きをしていることも非難。

証言に続き、コーンさんはThe Daily Signalの取材にも応じ、 「トランス活動家はゼロサム・ゲームになってしまった」と不満を露わにしたと言います。

トランスの権利運動は、伝統的に女性の権利を支持してきた組織を取り込んでしまいましたこれらの団体は、今や事実上、男性の権利のための団体なのです」。

アメリカ人のコメント

ざっとみた感じ、ポジティブなコメントが多く、そのほとんどが「私たちのために立ち上がってくれてありがとうございます」「あなたのような人がもっと必要です」「勇気ある発言を尊敬します」というようなことでした。

  • あなたの意見に圧倒的に賛同しながらも、無関係なガスライティング(*精神的DVの手法の1つ)や侮辱で黙らされることを恐れ、立ち上がることができない女性たちのために、本当にありがとうございました。

  • コリンナは自身が男性であると信じていますが、社会的な場では喜んで「彼女」の好ましい代名詞を使いたいと思います。彼女は一人の人間として尊敬に値するし、快適に過ごしてもらいたいと思うからです。しかし、女性代名詞を使う権利があると考える男性は、女性の権利を踏みにじろうとするミソジニスト(女性蔑視をする人)の一人に過ぎないのです。

  • 女性や少女のために立ち上がり、繊細さと知性を示してくれて本当にありがとう。女性たちは耳を傾けられるべきだし、主流の大きなフェミニスト団体や声が沈黙しているのはおかしいと思う。

  • この問題を解決する簡単な方法は、トランスを自分の性別として扱い始めることです。トイレ、スポーツ、刑務所、などなど。 私たちは女性の権利のために立ち上がる必要があります。例えば、スポーツを例にとると、女性は自分の道を切り開くために一生懸命努力してきましたし、その努力は今も続けられています。トランス・コミュニティは、女性がそうであったように、自分自身の道を切り開かなければならないのです。私は、男性、女性、トランスジェンダーという3つ目の別々の性別を提唱しています。彼らは独自の私立学校を作り、独自のプロスポーツ団体を作ることができます。もちろん、刑務所の建設や3つ目のトイレを追加するためのスペース確保など、税金はかさみますが、少なくとも彼らが女性であるというナンセンスとそれに伴う問題は解決されるはずです。

  • "真実を憎む人には真実が憎しみに聞こえる”時代に、現実的な治療をありがとう。

  • 女であることは、着る服ではない!女性は競技する場のために戦ってきたのに、それすらも奪われようとしている。個人の体格に依存するスポーツで、女性が生物学的な男性と競争させられているのはおかしな話。 彼らの身体はより強く、より速い。これは単なる事実。だから、男女別のリーグがあるのよ。私は、”女性であること”に対し、定義できてしまうほど、取るに足らないものとして扱う人々にとてもうんざりしています。”女性であること”の葛藤を抱えて生きてこなかった人が、ドレスを着たからといって、今さらそれ(女性である)を主張することはできない。” 女性であること”は、着る服のようなものではない。”女性であること”は、私たちの体の細胞やDNAの一本一本に至るまで、あらゆる繊維の中にあり、私たちに生命を与えることができるのです。 それはとてもパワフルなことであるのに、あまりにも矮小化されています。反フェミニストにはもううんざり。 コリーナ、その事実を尊重してくれてありがとう。どんなに嫌われても、あなたには2倍のサポートと科学的事実があることを知っておいてね。

  • 私はトランスジェンダー・トランスセクシュアルFTM(*生物学的女性で男性に)で、18歳です。奨学金や実際の報酬のようなものを求めた競争であれば、それぞれの男性ホルモンチームと女性ホルモンチームに所属すべきです。しかし、もし全員が参加賞のトロフィーと、優勝者には金の星のステッカーをもらえるような競争であれば、好きなチームに入ることができるはずです。もしあなたが男性として生まれたのなら、あるいは女性として生まれたのなら、奨学金を得るためには、その(生物学的な)グループに属するのが公平なことです。

☘この記事の続き☘
■アメリカの二極化を止めよ!:トライバル・メンタリティから脱却

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