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削除された2010年の過去記事:宇のバイオラボ設立と米O政権

宇バイオラボと米O大との関係

はじめに:

  • AIのKENETSUシステムがどういう風にチェックするのかを知りたくて、今話題の国の名前を少し変えてみることで、記事上の”表示”が出るか出ないか検証しています。読みにくくなってしまい申し訳ありません。

  • 今回の記事に出てくる国で、略語を使っているのは、米露宇中の4つです。

  • 政権と国民とは別ものと考えています。途中、ある国に対する批判を述べていたら、それはあくまで政権に対してで、その国の国民をひとまとめにして批判しているわけではありません。

削除された過去記事

こういうご時世です。コロナにまつわる”おかしなこと”がいろいろを調べていると、過去の記事や論文が修正や削除されていて、悔しい思いをすることが多々ありました。しかし、世の中には、WayBack Machineなるサイトがあって、ページが変更された際に、ページを残してくれるという素晴らしいサービスがあることを最近、知りました。

それならば、それを逆手にとって、削除された記事を探せば、何かヒントとなるものがあるのではないか?と思って、探していたときに、”削除されたウェブページは、米O大統領が”特に危険な病原体”を扱うバイオラボを、宇に建設するプロジェクトを主導したことを示している”という記事を見つけました。

The National Pulseによって回収されたこの記事は、宇における米O政権の活動について、約20年前にさかのぼる深刻な疑問を投げかけているとのことで、同アプリによって、該当記事を辿ってみました。それが下記です。

記事の内容

宇にバイオラボを開設(2010年6月18日)
米のディック・ルーガー上院議員は、今週宇のオデッサに暫定中央リファレンス・ラボが開設され、バイオテロリストが使用する危険な病原体の研究に役立つと発表した。
このラボはBSL3(セキュリティーレベル、1〜4で4が最高。宇はBSL2までのレベルしかなかった)ので、ナン・ルーガーCTR(協働脅威削除)プログラムの拡大した権限の下で建設された最初のもので、炭疽病、野兎病、Q熱、その他の危険な病原体の研究に使用される予定という。
「”ナン・ルーガー”のパートナーとの継続的な協力は、パンデミックと公衆衛生上の影響の予防における進歩に加えて、大量破壊兵器と潜在的なテロリストの使用に対するすべての人々の安全を改善しました」(ルーガー上院議員)。
ルーガー議員によると、この施設の計画は2005年当時に上院議員だったO大統領とともに宇当局者と協力関係を結んだことから始まった(*1)。ルーガー議員とO大統領は同年、鳥インフルエンザの研究と予防のために、米と宇の研究者間の調整にも協力した。

この”ナン・ルーガー”の部分は、この法案を提案した、サム・ナン上院議員(民主党)とリチャード・ルーガー上院議員(共和党)の名前に因んでつけられたものです。ナン・ルーガーCTRプログラムについては別の章で紹介をシェアさせていただきます。

さらっと一文入っていますが、”*1”には、かなり重要な人物名が出ています。当時はまだ上院議員ですが、後の大統領です。この大統領の陣営というか、O政権ファミリーは、何かと”宇”絡みの疑惑の話が出てきます。昨日アップした、現役大統領息子の疑惑も、宇そして中におけるものです。

O政権は、国内で起きた”危険度の高い”ラボ事故への批判を受け、国内での”機能獲得実験”を一時中止していました。この”機能獲得実験”にはファウチ博士が深く関わっています。

記事掲載サイトについて

念のため、このサイトについてもみてみました。
”About US”のページは、よくあることしか書いていなかったのですが、”Contact US”の方がもう少しどのようなサイトかわかるように思いましたので、引用します。

BioPrepWatchは、最新のニュース、レビュー、ハウツーなどを紹介するサイトです。Googleニュースに認定され、いくつかのソースが私たちのウェブサイトをクロールし続けています。
その上、毎月約10万人の訪問者を得て、継続的に成長しています。

普通に商業活動をしているハイテク分野のサイトであるようです。ですから、掲載当時は、最新バイオテック情報として、普通に紹介されていたものだと思います。

URLで記事を検索すると、同サイトのトップページに行ってしまうため、確かに現在は削除されているようです。ただし、記事が古すぎて自動的に削除された可能性もあるかとは思います。

ナン・ルーガーCTRプログラムとは

ナン・ルーガーCTRプログラムについて、ASPという団体からファクトシートが出ていました。下記はその抄訳です。最後にASPについての紹介もあります。

少し長くなりますので、お急ぎの方は、章ラストの”ファクト・シートのKey Takeaways”へジャンプしてください。

概要

大量破壊兵器の確保と保護
”今日、大量破壊兵器の不正な拡散ほど、我が国、そして世界の国家安全保障にとって大きな脅威はない”。

サム・ナン上院議員、1996年3月1日

  • ナン・ルーガーCTRプログラムを通じて、米は資金と専門知識を提供することで、パートナー政府と協力し、大量破壊兵器および材料の確保と排除に取り組んでいる。

  • 1991年の設立以来、CTRプログラムは、7,600以上の核弾頭を非活性化し、2,300以上のミサイルを破壊し、24の核兵器貯蔵所を確保するなど、目覚しい成果を上げている。

  • ナン・ルーガCTRプログラムは、今日の安全保障上の脅威に常時対応している。このプログラムを拡大することは、核・化学・生物学的テロ攻撃に対する防御を強化することにより、我が国の安全保障を強化することになる。

背景:大胆なアイデア

旧ソが崩壊したとき、新たな核セキュリティの脅威が生まれました。旧ソの露・宇・ベ・カは、安全性やセキュリティに疑問のある膨大な核兵器を受け継いだ
議会はこの脅威に対処するため迅速に行動し、1991年11月に「ソ脅威削減法」を可決した。

この法律は、旧ソ諸国が核・化学・生物物質、兵器、運搬システムを保護・解体するために、米国の資金と専門知識を提供するもので、その著者であるサム・ナン上院議員(民主党)リチャード・ルーガー上院議員(共和党)の名前から、”ナン・ルーガー法”とも呼ばれている。

国防総省のCTRプログラムは、これらの目標を達成するために、パートナーである各国政府と協力している。

2003年のナン・ルーガー拡大法では、CTRプログラムが旧ソ以外の国にも開放された。翌年、アルバニアが旧ソ以外の国として初めてCTRの資金提供を受けることになり、アルバニアの化学兵器は2007年に破壊が完了した。

国防総省のCTRプログラム以外にも、米は旧ソの核不拡散に取り組むプログラムを数多く持っている。その中には、国務省の世界脅威削減プログラム、輸出管理・関連国境警備支援プログラム、エネルギー省の国際核物質防護・協力プログラム(セカンドライン・オブディフェンスとメガポート・プログラムを含む)等がある。

これらのプログラムの重要性は、リビアが核兵器計画を自主的に放棄した2003年に明らかになった。国務省の資金は、リビアの核物質と設備を保護し、米に輸送するために使われた。

スコアカード:目標を達成し、脅威を回避する

"1980年代には、米と露が協力して世界中で危険な兵器材料を集めることになるとは、誰も予想しなかっただろう。"
リチャード・ルーガー上院議員 

CTRプログラムは、旧ソ諸国における大量破壊兵器と運搬システムの排除および大量破壊兵器の確保に向けて、目覚ましい成果を上げてきた。中でも、最も周知された成果は、世界第3位、第4位、第8位の核兵器保有国である宇、カ、ベが非核兵器保有国となったことである。

しかし、他にも多くのCTRの成功例があり、ここでは、ナン・ルーガーのスコアカードの中から、いくつかの特筆すべき成果を紹介したい。

  • 7,619個の戦略核弾頭を非活性化

  • 902基の大陸間弾道ミサイルの破壊

  • 弾道ミサイル発射可能な原子力潜水艦33隻破壊

  • 露とアルバニアの化学兵器剤2936トンを破壊

  • 核兵器貯蔵所24カ所の安全確保

  • 39箇所の生物学的脅威のモニタリングステーションを建設・装備

21世紀における協調的脅威の削減:障害の克服

国防総省のCTRプログラムの成功は、2009年の全”米”科学アカデミーのCTRに関する報告書の序文を読むと、「当然の結果であった」と書かれている。実際、このプログラムが直面した障害は、その成功をより一層顕著なものにしたと言える。
旧ソ諸国への援助に反対する議員から、ナン・ルーガー法は当初から反対されていた。しかし、無防備な核兵器がもたらす危険性がそれを上回り、同法は超党派の強力な支持を得て上院を通過した。

とはいえ、CTRには、米の援助によって露が他のプログラムに資金を流用することを許すと主張するアナリストや政策立案者などの批判が依然として存在するのも事実だ。このような反対意見もあり、CTRの資金援助に対する議会の支持は一貫していない。例えば、1997年の国防権限法では、資金を増やし、化学・生物材料の確保に注意を喚起するなど、議会はプログラムを拡大する措置をとったこともあった。
また、2001年に化学兵器解体施設の建設を認めないなど、議会がプログラムに制限を加えることもあった

新たな役割:

”冷戦は終わり、ソと米の核開発競争は終わったかもしれない。しかし、テロリストが核兵器を使用する可能性は実に現実的である”。

ジョン・ケリー上院議員、2004年8月

議会の関心が薄れたり、財政支援が一定でないにもかかわらず、CTRプログラムは国家の安全保障に不可欠な貢献をしてきたし、これからも貢献し続けるだろう。
実際、このプログラムの多くの成果は、その有効性と21世紀における継続的な妥当性を証明するものである。

実際、CTRプログラムが21世紀の安全保障上の脅威に対処するための重要な手段であることは広く認識されている。旧ソ諸国の”緩い核”への懸念が薄れる一方で(CTRプログラムの効果によるところも少なからずあるが)、核・生物・化学テロリズムのリスクに対する意識は高まっている

国際原子力機関(IAEA)は、核物質やその他の放射性物質の盗難や紛失に関連する600件近くの事件を報告しており、旧ソ諸国では核密輸事件が多発している。そのような新たな脅威に直面し、CTRプログラムの役割は、旧ソの核兵器の確保から、一般的な核不拡散の取り組みに拡大している。

前進:CTRの強化

”国の協力的な脅威削減プログラムを拡大することは、米の国家安全保障と世界の安定を高めるだろう”。

全”米”科学アカデミー、2009年11月

CTRプログラムは、わずかな予算で成功を収めてきた歴史から、21世紀の核セキュリティの脅威に対処するための理想的なツールであると言えるが、真に効果を発揮するためには、プログラムを拡大し、強化する必要がある。

核不拡散の取り組みを長年にわたって支持してきたリチャード・ルーガー上院議員は、CTRプログラムを強化するための措置を率先して提言している。全”米”科学アカデミーは、2009年に発表したCTRに関する報告書で、ルーガー上院議員の提言を支持している。

CTRプログラムを強化するための項目は以下の通り:
資金調達の強化:

1991年の創設以来、CTRのミッションは大幅に拡大した。しかし、資金水準は1991年の4億ドルから2012年には5億ドル強と、わずかな増加にとどまっている。
多くのプログラムとは異なり、CTRは限られた資金で高い効果を発揮してきました。CTRの予算を増やすことは、間違いなく健全な投資と言えるだろう。

柔軟性の拡大:
NAS の報告書によると、”現在のDODのCTR の法的および政策的基盤の多くは、煩雑で時代遅れ、さらに制限的”である。冷戦を起源としたプログラムである以上、CTRの法的・政策的枠組みが時代遅れであることは当然といえるかもしれない。このことは、CTRが最大限の効果を上げる妨げになっている。

例えば2004年当時、リビアの核兵器プログラムを解体するための資金源は、国務省の小さな核不拡散プログラムだけだった。ルガー上院議員は、核不拡散・軍縮基金は、「解体作業を行い、核科学者を雇用し、長期的な核不拡散の取り組みを行うための規模も範囲も、経験も持ち合わせていない」と、指摘。国防総省のナン・ルーガーCTRプログラムは、リビアの生物・化学兵器に対処するのに十分な設備が整っている」。

しかし、CTRの資金は、米の制裁下にある国では使用することができない。このようなCTRの制限に対処できるようになることは、シリアの化学兵器プログラムのような将来の核不拡散の脅威に対処する上で非常に重要である。

関与するリーダーシップ:
核不拡散の取り組みを強化するためには、議会と行政のリーダーシップが重要である。両議会は、CTRプログラムを強化・拡大することにより、米を大量破壊兵器から守るというコミットメントを示すべきだ。

メアリー・カジンスキー安全保障プロジェクトの政策アナリストで、核安全保障と軍備管理の問題を専門としている。

新しい米の武器庫を作る(ASPの紹介)

米セキュリティ・プロジェクト(ASP)は、21世紀における国家安全保障の性質の変化について、”米”国民に啓蒙するための超党派の活動である。

国家の強靭さが爆撃機や戦艦によって測られた時代は終わりを告げた。現在の新しい時代の安全保障には、外交的影響力、軍事的実力、経済的活力、そして、理想による力等、米のあらゆる強みを生かした”新しい米の武器庫”が必要である。

米は、共通の目標と共通の安全保障を追求するために、他国をリードしなければならないと信じている。我々は、あらゆる手段を駆使し、国際的な課題に立ち向かわなければならない。新たな問題が安全保障上の危機となる前に、それに対処しなければならない。そして、そのためには、国内で新たな超党派のコンセンサスを構築しなければならない。

ASPは、米の著名な指導者、現・元国会議員、退役軍人、元政府高官を集めています。スタッフは、幅広い問題について直接調査を行い、その結果を国民に直接伝えることで、国民を関与させ、力を与えている。

テロリズム、大量破壊兵器の拡散、気候変動、破綻した(破綻しかけた)国家、疾患、パンデミック等、我々が生きている時代の安全保障に対する脅威は、複雑かつ多様化している。以前同様の解決策や、党派的な言い争いは通用しない。我々は、安全保障について、現実的であると同時に強固で、誠実な対話を必要としている。

ASPは、そのような対話を促進することで合意を形成し、建設的な行動を促すために存在する。そうすることで米は、新世紀がもたらす機会を捉えながら、安全保障上の課題に対処することができるのだ。

ナン・ルーガーCTRプログラムのKey Takeaways

  • 米はパートナー政府に資金と専門知識を提供し、大量破壊兵器および材料の確保と排除に取り組んでいる。

  • 旧ソ諸国が核・化学・生物物質、兵器、運搬システムを保護・解体するために、米国の資金と専門知識を提供するものだったが、2003年、ナン・ルーガー拡大法では、CTRプログラムが旧ソ以外の国にも開放

  • 旧ソ諸国における大量破壊兵器と運搬システムの排除および大量破壊兵器の確保に向け、目覚ましい成果を上げてきたが、中でも、世界第3位、4位、8位の核兵器保有国である宇、カ、ベが非核兵器保有国にできたのは特筆すべき。

  • 議会は、国防権限法(1997年)で、資金を増やし、化学・生物材料の確保に注意を喚起する等、プログラムを拡大することもあれば、化学兵器解体施設の建設を認めない(2001年)等、プログラムに制限を加えることもあった。

  • 旧ソ諸国の”緩い核”への懸念が薄れる一方で(CTRプログラムの効果によるところも少なからずあるが)、核・生物・化学テロリズムのリスクに対する意識は高まっている

  • 国際原子力機関(IAEA)は、核物質やその他の放射性物質の盗難や紛失に関連する600件近くの事件を報告しており、旧ソ諸国では核密輸事件が多発

  • 資金水準は1991年の4億ドルから2012年には5億ドル強

  • CTRの資金は、米の制裁下にある国では使用することができない

  • テロリズム、大量破壊兵器の拡散、気候変動、破綻した(破綻しかけた)国家、疾患、パンデミック等、我々が生きている時代の安全保障に対する脅威は、複雑かつ多様化

米宇のバイオラボに対する嘘

ナン・ルーガー法を知ると、報道や発言の嘘がさらに明らかに

米宇の政権メディアが最初は「宇にバイオラボはない」「宇のバイオラボは宇の資金で運営している」等を、後に「リサーチラボと、兵器開発ラボとは別」という主張をしていました。現時点では、おそらく前者を主張するメディアはほぼいないと思うのですが、後者は引き続き主張している人がいます。

まず、ナン・ルーガーCTRプログラムにより、米の資金と専門知識が宇のバイオラボに投入されていることは事実です。別に悪いことではありません。そもそもナン・ルーガーCTRプログラム自体が某大国が崩壊後、大量破壊兵器が無闇に拡散されてしまうのを防ぐために作られた法案です。

崩壊した元・軍事大国が経済的に困窮すれば、相手構わず、武器を輸出(販売)してしまうのは、よくあることです。実際、核物質やその他の放射性物質の盗難や紛失に関連する600件近くの事件があったとされるIAEA報告もあります。少し余談になりますが、核がないはずの”旧ソ諸国では核密輸事件が多発”のケースには、宇も疑惑国の1つとなっています。

さらに、このプログラムの成果もあり、ナン・ルーガーのターゲットは、今は新しい脅威になっているようですが、その中の1つがバイオテロリストであり、削除された記事中、”宇に開設した暫定中央リファレンス・ラボは、バイオテロリストが使用する危険な病原体の研究に役立つ”と、ルーガー上院議員が発言しています。

「”ナン・ルーガー”のパートナーとの継続的な協力は、パンデミックと公衆衛生上の影響の予防における進歩に加えて、大量破壊兵器と潜在的なテロリストの使用に対するすべての人々の安全を改善しました」(ルーガー上院議員)。当時上院議員だったO大統領は、宇における同プロジェクトのリーダー的存在でもあり、米と宇の研究者間の調整にも協力した、と報じられています。記事中のラボができた2010年時点で、彼は大統領職であり、当時の副大統領であるBは、宇担当でもありました。

これらも何か悪いことをしているわけではありません。テロリストが使用する大量破壊兵器の研究は、必要なことです。
地下鉄サリン事件で亡くなってしまった駅員の方は、撒かれた液体物を片付けようとしたことで命を失ったとされています。当時、科学者でなければ、誰もがサリンに関心がありませんでしたから、どのように対処すれば良いのかわかりませんでした。大量破壊兵器を研究するということは、このような突然の攻撃を受けた際の対処法を整備する等、対策が取れるようになります。

問題はなぜ事実を正しく伝えないのでしょうか?

ヴィクトリア・ヌーランド国務次官も、「バイオラボが制圧されると危険」という認識であることを証言しています。”持ち出されて困るもの”が、テロ対抗策としての治療薬やワクチン開発のために必要だった”バイオ兵器”だったのか、それとも単純に”病原体”そのものだったのか、そこには触れられていません。

ただし、バイオテロの特性を考えると、単なる”病原体”を持ち出されたとしても、それが武器としてテロに使用される危険性はあります。ですから、持ち出されて困るものは、”病原体”だったということも考えられます。ここで重要なのは、ナバロ国務次官が心配をしているという点です。

バイオリサーチラボと、バイオ兵器ラボとを区別しようとする人のポイントは、リサーチ目的であれば、兵器になるほどの病原体を所有しているはずがないというものですが、ラボについての詳細情報を握る、ヌーランド国務次官本人が「危険」と言うほどの量は所有していると言うことです。

ただし、個人的には、バイオ兵器の開発に、大量の病原体は不要だと考えています。私は大量破壊兵器の目的は、実際に大量に殺戮することよりも、”大量に殺戮されるかもしれない”と、恐怖心を与え、戦意を喪失させることにあると考えています。バイオ兵器が怖いのは、いつどこで攻撃を受ける(た)のかわからないという点です。少数であっても、1つの部隊に原因不明で治療法がわからない病気が広がった場合、敵がバイオ兵器の研究をしていれば、バイオ攻撃を受けたのかと心配になる人は少なくないと思います。

それに、使用する病原体によっては、スーパースプレッターが無意識の間に病原体を広めてしまうということもあります。広東省で始まったSARSが香港を起点に、ベトナム、シンガポール、台湾、カナダ等に広まった原因は、スーパースプレッターの存在があることがわかっています。

さらに仮に同じダメージ力の病原体だったとしても、バイオ兵器は環境的な要因からその威力が増すことも考えられます。例えば、”人の移動”がその1つです。UNWTOによる世界旅行者数は、SARS前の2000年の6.7億人から、567前の2018年には14億人と、約2倍に増えいます。同じ”中”で発生した感染症にもかかわらず、今回は全世界に広がってしまった一因には、”人の移動が2倍になった”ということもあるかと思います。だとすれば、バイオ兵器は今後も、人の移動が増加に伴いその威力を増していくのだと思います。

逆に・・・このよなバイオ兵器への警戒心を持たせることで、相手の経済活動を鈍化させることも先述の1つになるかもしれません。
いずれにせよ、ナン・ルーガー法のファクトシートにあったように、20世紀の戦い方からは大きく変わってきたことに留意する必要があります。「リサーチラボだから大丈夫」ということにはならないのです。

”宇にバイオラボがあり、そこが狙われた場合、病原体が悪意ある使用をされる懸念がある”という情報と万が一使用された場合の対策は、隠すよりも、むしろ早急に出すべきだったと思います。

騙されないために

どの分野も予想を遥かに上回るスピードで進化を遂げている現在、専門性はより狭い範囲で高度なものが求められてきています。

「軍事専門家ではないから、科学者ではないから、よくわからない」と、思ってしまうと、それではコントロールしたいと考えている人たちの思うツボです。メディアは現在のビジネスモデルを続ける限り、広告主や政府の広報スタッフか、プロパガンダ機関であり続けると思います。そこに登場する専門家も同様ですし、多くの科学者にとって重要なのは科学事実ではなく、報酬や肩書を含めた、自分のキャリアです。ネット情報をみても、検閲された情報しかアクセスできないも知れません。

自分の中にある知識と照らし合わせて、変だと思えば、疑ってみる必要があるのではないかと思います。もしそこで、”変だ”と感じた自分の勘が間違っていれば、”新しい知識を吸収できた”ことになりますし、勘があっていれば”何らかのリスク”が回避できるかもしれません。

露米中の宇のバイオラボをめぐる情報戦というのは、お互いが相手の状況をある程度知っているため、かなり複雑化していると思います。露と宇は所属していた”旧・超大国”が同じですから、30年前までは1つの国だった相手の手の内や情報がある程度あると思います。
一方、米には”旧・超大国”のバイオ兵器ラボの幹部1人が情報という手土産付きで亡命していますし、ナン・ルーガーCTRプログラムを通した支援により、宇・露の情報の一部は入ってきます。宇は中のー帯一路のパートナー国であり、宇から中へある意味での軍事移転も行われています。米・中は敵対しているようで、米共産(民主)党は、機能獲得研究への助成や、大統領息子の個人ファンドから中企業への投資等、ある意味の緊密さもあります。今回の”争い”の開始時に、米が中にシェアして相談された内容は、そのまま露に伝えられたということもありました。

こんなグジュグジュの状態ですから、”唯一の事実がある””真実を言っているのはこの人物”というような決めつけは避けた方が安全だという気がします。

・・・これは不正が疑われている”米のトップ決め投票”や、ファウチ博士の一連の嘘から学んだことです。

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