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”2020年のヒーロー、2021年に解雇”:メイヨー従業員8千人がワクチン義務化と闘う

”全ては患者のために”:最先端医療のメイヨークリニック

10月に入って、ワクチン義務化の期限を迎えた組織、企業から順番に、ワクチン未接種者の解雇が始まりました。バイデン政権が連邦政府職員(議員や裁判所は除く)や連邦政府との契約者に対して、ワクチンの義務化を課したこともあり、義務化推進派と反対派との対立が激化。リベラル州である、ニューヨークやカリフォルニアでも、ワクチン義務化反対デモが行われる中、メイヨー・クリニックの従業員も動きました。

8000人のメイヨー・クリニック職員がコロナワクチン接種を拒否したために、解雇?数百人が抗議のために路上に出る

なぜ、メイヨー・クリニックの従業員の抗議活動を取り上げたかというと、メイヨー・クリニックが!?だったからです。・・・すみません。説明になっていないですね。メイヨー・クリニックについて簡単に紹介しますと・・・。

メイヨー・クリニックは、全米最優秀病院に何度も選ばれている”全ては患者のために”をモットーとした総合病院グループです。患者個々人に対して、最適な治療方法を分析・選択するという最先端の医療、プレシジョン・メディシン(個別化医療、精密医療)でも、トップランナーとして名前がよくあがります。その歴史は古く、1846年全米で初めてレジデンシー制度を導入した病院としても知られています。一方で、2015年にはアップル社のApple Watchと提携し、ヘルステックの分野にも関わっています。古くて最先端、とことん患者個人にフォーカスするためのビッグデータを扱う・・・という語り始めたら止まらなくなる病院です。

メイヨー・クリニックは、従業員(医師)との雇用関係も、”全ては患者のために”を前提に築かれています。通常、アメリカの病院は、診療した患者数で医師の給与が決定されるといいますが、メイヨーは固定給。そうすることで、医師は診察の回転率を気にすることなく、患者1人ひとりに向き合った治療を施すことが可能になります。

"2020 Hero’s 2021 Fired"

2020年にはヒーロー扱いされていた従事者。にも関わらず、その功績はどこへやら、コロナとの闘いの道半ばで、その闘いのリングから下ろされてしまうのです。理由はただ1つ、”ワクチンを打っていない”という個人の、健康に関する選択肢によって。

”彼ら(メイヨークリニック)に必要なのは、患者のケアができるスキルを持った従業員(医療従事者)ではなく、接種した従業員”。

これは重い言葉です。先日、救急病棟で看護師をしていた知人が仕事を辞めた時の話を聞いたのですが、理由は死んでいく人を見るのに、心が耐えられなくなったというものでした。同じような体験はメイヨー・クリニックの医療従事者にもあったかと思います。そのような中でも、今に至るまで医療の現場にいることを選択してきた人たちです。その人たちに対して、”命令に従わなければ、期限がきたら、解雇です”というのは・・・ヒーローっていう言葉はなんて安っぽい言葉なんだろうと思います。

メイヨー・クリニックのデモでも叫ばれていたことですが、彼らは反ワクチン派ではありません。必要とされる予防接種は全て受けていますし、患者にはそれを勧めている立場にあります。安全な職場環境は、彼ら自身にとっても、患者にとっても重要だという認識もあります。

他の予防接種は受けておいて、なぜ、コロナワクチンを打つという選択肢をしないのか?

理由は個々人によって異なるかと思いますが、予防接種とコロナワクチンの違いは、効果と短期・長期の副反応が分かっている予防接種に対し、コロナワクチンはいまだ治験中であるということです。治験中のワクチンが政治的な理由からFDAに正式承認を受けたということも、医療従事者だからこその、怖さがあると思います。これは注射そのものが怖いというよりも、ルールを変える政治的な圧力の方が怖いという意味です。そもそもCDCのワレンスキー長官が「ワクチンにより感染を防ぐことはもはや期待できない」と言っているのです。感染防止効果が期待できない以上、義務化によって何を期待しているのでしょうか?やっていることがでたらめなのです。

ワクチンそのものという点では、コロナワクチンを推進していたピーター・マカロー博士が、接種した自分の患者に起こった有害事象を目にし、反対派に転じた例もあります(米国コロナファシズムVSテキサス医師(7) ワクチン推進派の医師が、中止を求めた理由)。もしかしたら、同じようにワクチンの副反応に苦しむ同僚、患者を目にしたのかもしれません。これはわかりません。もっと個人的な、アレルギーや宗教上の理由から、打ちたくないのかもしれません。

いずれにしても、未接種であろうと、接種済みであろうと、彼らは現在、健康体なのです。感染してすでに抗体を持っている人もいるかもしれませんし、個人の免疫力とPPE(医療従事者をウイルス等から守る防護服等)の適切な使用により、感染せずにすんだもかもしれません。「打ってないと危ないかな」と思えば、すぐに打つはずです。

感染を防ぐ方法、重症化を防ぐ方法というのは複数あり、完璧な唯一のものというものは存在しないはずなのに、なぜだかワクチン1本に絞ってくる・・・そして、イスラエルやシンガポールを見る限り、それが効果的とはとても思えない・・・。にも関わらず、職場や学業の場を奪ってまでも、打たせようとしてくる・・・それが恐怖でしかないから、反対するということが一番の理由ではないかと思います。念のため、ワクチン反対派と、ワクチンの義務化反対派は別です。

そんな彼らが叫ぶ”選択の自由”は、コロナパーティ(本当に感染するかどうか、陽性者を交えて行なった学生たちの愚かなイベント)を行うような安っぽい自由とは異なります。ワクチン未接種者に対する偏見、”学力が低く、無能で、新しいものを受け入れられない頑固者”のような批難を、彼らに対してもできるでしょうか?

何よりメイヨー・クリニックで働く医療従事者です。新しい医療というものには、柔軟なはずです。Apple Watchの医療機能の部分でも協力しているメイヨーですが、この分野も、実は強く反対する医師団体というのは多くいました(学会レベルでの反対もあったかと思います)。もちろん、Apple Watchは医療機器ではありません。それでも、ウェラブル端末とプライマリードクター(かかりつけ医)が連携していくというのは、今ある医療の課題を解決するのに不可欠な試みかと思います。

そんな、メイヨーの医療従事者たち8,000人までもが、義務化に反対しているのです。「(打たないのは学が足りないから)カウンセリングと教育が必要だ」(CDCワレンスキー長官の次の政策案)と決め付けるのではなく、”義務化の必要性”の議論を今一度、きちんと行うことが重要なのではないでしょうか。

個人的に、メイヨーが”義務化”を導入したことはとても残念でした。”患者第一主義”を掲げ、それゆえに、医師に利益追求よりも患者優先させる人事制度を続けてきたメイヨーまでもが・・・。


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