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マスク義務化NGの本当の意味

マスク義務化NGのテキサスの新学期

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、テキサス州のアボット知事は、バイデン政権やCDCの方針とは尽く真逆とも言える政策をとっています。ロックダウンは早々に解除されましたし、マスクやワクチンの義務化もNGです。この「義務化NG」の意味について、どうも誤解されることが多いようですので、テキサン(テキサス住民)の1人として、解説してみたいと思います。

テキサスでは新学期(新学年)が始まりました。まず、開始前に、保護者同伴のクラス説明会のようなものが開かれます。学校は1000人くらいの規模ですが、自由参加で、参加可能時間も、2、3時間くらいの幅があります。クラス以外の関心事の1つは、マスク着用率でしたから、実際、見かけた人がどれくらいの人数だったかわかりませんが、NOマスクの人だけカウントしていきました。とても雑な計算にはなるのですが、1時間うろうろして、NOマスクは4組(7人)でした。うち1人の男の子は、みんながマスクをしているのを見て、慌ててマスクをつけていました。実際、新学期が始まった後の学校の様子はどうかというと、子どもたちによると、「マスクをしていない子は多分いない(見かけていない)。体育の時にもつけたままの子もいる」ということでした。

学校以外でのマスク着用

学期が始まる前に、違う州に転校した子のファミリーがテキサスに遊びにきていて、複数人で集まりました。我が家以外、ほぼ全員がワクチン接種しているようでしたが、みんな基本的にはマスクをしていました。転校した子のお母さんは、「テキサスはみんなマスクしているのね。本当に安心でいいわね」と、現在いる州について愚痴っていました。念のため、彼女はここで”テキサス”と一括りに語りましたが、テキサスは日本の2倍の大きさですから、彼女や私がいう”テキサス”は、あくまで自分たちが住んでいる周辺の”テキサス”についてです。

ワクチン接種率が上がるとともに、スーパー等でのマスク率も低くなっていましたが、CDCの「ワクチン接種者もマスク着用推奨」宣言の後、再びマスクをしている人が増えているようです。ただ、フードコートや試食コーナー等が再び取り除かれることはなく、そのまま営業されています。一方、再開したホームパーティ(パーティというよりも、クリスチャンが各家庭で勉強会?を行う集いのようなもの)を再びオンラインに戻すグループの人もいます。

マスク着用義務化NGの意味

これらのエピソードで何となく伝わりますでしょうか?そうです、マスク義務化NGというのは、マスク着用をNGと言っているわけではなく、あくまで強要させることがダメだということです。「マスクをするかどうかはあくまで自分で考えてくださいね」ということであり、マスク着用義務がないからといって、”マスクしない自由を謳歌”なんていうことは、ありえないのです。

もちろん、マスクの習慣がない(どころか、マスクは悪というイメージ)アメリカですから、昨年の今頃、同じ政策をとったとしたら、違った結果がきたかもしれません。ただ、もう1年半もこんな生活を強いられてきたのです。マスクの効果は、ここで言及しませんが、必要だと思う人は、強制されなくても着用し、必要ないと思えば着用しない・・・ただ、それだけかと思います。いまだに「”自由を謳歌”なんて理由から着用しない人がいるから、義務化しなければ」と、思える政治家やメディアがいたら、一体、市民を何だと思っているのでしょうか? (そういえば、テキサスは、某大統領にネアンデルタール人と評価されたんでしたね)。

メディアを通すと、重要な部分がカットされ、彼らの思うような印象操作されがちですが、元のメッセージにはしっかりと「”政府が強制させるものではない”から義務化を禁止する」と言っています。同じように義務化が禁止されているワクチンパスポートですが、ワクチン接種が禁止されているわけではなく、「接種希望者がスムーズに接種できるような手配」は行われています。テキサスのテッド・クルーズ上院議員(保守派)も、「自分を含め家族は、頑固な父親を除いては接種ずみであり、未接種者に対しては、頑固な父親に対するのと同じ想いを抱いている一方で、ワクチンパスポートには反対」としています。理由は同じく”政府が強制するものではない”からです。

義務化よりも大切なこと

学校でのママ友・パパ友の間では、「学校でマクスの義務化をするべき」という意見の人もいました。その一方で、”義務化されていない=感染対策が不十分な子もいるかもしれない”という理由でワクチン接種させた人もいれば、我が家のように、免疫強化のための策を色々試しているという人もいるかと思います。それに、結局、義務化されていなくても、マクスはほぼ全員着用しているというのが現状です。義務化が外れたことで、むしろマスク着用プラスαの対策を行う家庭が増えたということも言えるかもしれません。

ただし、私がここまで語ってきた私の周辺の”テキサス”は、土地柄(ヒューストンにあるメディカルセンターは、世界最大の医療研究機関の集積地)もあり、医療関係に勤務している人が多いという特徴があります。スターテスト(州内で行われている共通テスト)の成績も、悪くない学区です。「義務化しなくてもいいなんて、そのエリアだけ、たまたまだ!」という意見もあるかもしれません。仮に、この辺の要因が影響しているのだとすれば、政府が行うべきことは、”望ましい対策(行動)”の強制ではなく、啓発。「感染の仕組みや、病気やワクチンのアップデートと推奨される対策をしっかりと啓発していけば、自ずと望ましい対策(行動)を取るはず。お互い成人ですからね」と、”ネアンデルタール人のような”私は、某大統領に進言したいです。

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